出産・帝王切開の入院日数|数え方は入院日から起算、平均在院日数は7.4日

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

出産の入院日数は、施設の方針とその後の経過によって決まります。公的統計で確認できるのは、分娩に関連する入院全体の平均在院日数が7.4日であることです。この記事では、入院日数の数え方、統計から見える目安、入院が長くなる前提で準備しておくこと、保険適用と高額療養費の手続きを整理します。

入院日数は、入院した日から起算して数える

「5日間の入院」と言われたとき、入院した日を1日目と数えるのか翌日から数えるのかで、退院日の見込みが1日ずれます。保険診療の入院では、この数え方が定められています。

診療報酬点数表の入院料等の通則には、入院料の期間の計算は、保険医療機関に入院した日から起算して計算すると書かれています。つまり入院した日が1日目です。夜に入院した場合も、その日が1日目になります。

もう一点、同じ通則に書かれているのが、退院後に同じ病気で同じ医療機関に入院し直した場合の扱いです。急性増悪などやむを得ない場合を除き、最初に入院した日から起算して計算するとされています。

予定帝王切開で「手術の前日入院」と案内された場合は、前日が1日目になります。産後の日数だけを数えていると、案内された退院日と合わなくなることがあります。

公的統計での「妊娠、分娩及び産じょく」の平均在院日数は7.4日

厚生労働省の患者調査では、退院した患者の平均在院日数が傷病分類別に集計されています。令和5年9月中に退院した患者について、「妊娠、分娩及び産じょく」に分類される入院の平均在院日数は次のとおりでした。

区分平均在院日数
総数7.4日
15〜34歳6.5日
35〜64歳8.6日

注意したいのは、これは帝王切開だけを取り出した数字ではないことです。経腟分娩も、妊娠中の管理入院も含めた分類全体の平均です。帝王切開は手術と術後の管理を伴うため、この平均より長くなるのが一般的で、実際の日数は施設が定める方針と経過によって決まります。

それでも、この7.4日という数字は目安を持つうえで役に立ちます。「出産の入院はおおむね1週間前後、年齢が上がるとやや長い」という傾向が、公的な統計として確認できるためです。

なお、経腟分娩と帝王切開を分けた平均在院日数は、この統計では公表されていません。「自然分娩なら何日」という全国の数字を探しても見つからないのはこのためです。経腟分娩の場合の日数は、分娩予約や健診のときに施設へ確認するのが確実です。

分娩の23.0%が帝王切開(当サイト算出)

厚生労働省の医療施設調査から、令和5年9月中に実施された分娩の件数と帝王切開の件数を当サイトが集計したところ、次のようになりました。

施設区分分娩件数帝王切開割合
一般病院32,691件9,523件29.1%
一般診療所26,335件4,028件15.3%
合計59,026件13,551件23.0%

およそ4件に1件が帝王切開という水準です。病院と診療所で倍近い差があるのは、リスクの高いお産が病院に集約されているためと考えられます。分娩を扱う施設がどこにあるかはその産婦人科で出産できる?で調べ方を整理しています。

つまり帝王切開は例外的なことではありません。予定していなくても起こりうるものとして、費用と入院の段取りを事前に把握しておく価値があります。

入院日数は施設の方針で決まる。予約時に確認する

入院の日程は、施設ごとに標準的な流れが決まっています。分娩予約や妊婦健診のときに、次の点を確認しておくと予定を立てやすくなります。

  • 予定帝王切開の場合、手術の前日に入院するか当日入院か
  • 退院までの標準的な日数と、経過によって延びる場合の考え方
  • 緊急帝王切開になった場合の費用と日程の目安
  • 面会・付き添いの条件(上の子が入れるかどうかを含む)
  • 入院中に必要になる持ち物のうち、施設で用意されるもの

入院準備の考え方は出産入院の準備リストにまとめています。施設によって用意されるものが大きく違うため、リストは産院の案内と突き合わせてください。

手術と入院は保険適用。高額療養費の準備をしておく

正常分娩は公的医療保険の給付対象外ですが、帝王切開は手術として保険が適用され、自己負担は原則3割になります。あわせて出産育児一時金50万円も支給されるため、支払いの構造が正常分娩とは変わります。

費用を抑えるうえで効くのが高額療養費です。ひと月あたりの自己負担が上限を超えた分は払い戻されます。事前に手続きをしておけば、窓口での支払いを上限額までにとどめることができます。

  • マイナ保険証を利用する場合:オンライン資格確認により、窓口での限度額適用が受けられます。
  • マイナ保険証を利用しない場合:加入している健康保険に申請して限度額適用認定証を受け取り、入院時に提示します。

予定帝王切開であれば事前に準備できます。緊急帝王切開の場合は間に合わないこともありますが、その場合も後から高額療養費を申請すれば払い戻しを受けられます。

入院日数との関係で押さえておきたいのが、自己負担限度額が同一月内の医療費について計算されることです。月をまたいで入院した場合、費用は月ごとに分けて計算されます。同じ入院でも、月末に入院して翌月初めに退院すると、2か月それぞれで上限額を計算することになり、1か月に収まった場合より合計の負担が大きくなることがあります。

入院の時期を選べる予定帝王切開では、手術日の候補が月末にかかるかどうかを確認しておくと支払いの見通しが立ちます。ただし日程は医学的な判断が優先されるため、費用だけで決めるものではありません。上限額や計算方法は高額療養費と出産、費用全体は帝王切開の費用で整理しています。

なお、保険診療での入院になるため、個室に入る場合の室料には差額ベッド代のルールが適用されます。同意書がない場合や、満床のために個室に入った場合などは請求できないとされています。詳しくは差額ベッド代とはをご覧ください。

入院が長い前提で、家の段取りを決めておく

入院が1週間前後になると、上の子がいる家庭では預け先の確保が現実的な課題になります。使える仕組みを、入院前に登録まで済ませておくと安心です。

仕組み使える場面
病児保育事業上の子が体調を崩したとき
一時預かり事業入院期間中の日中の預かり
こども誰でも通園制度未就園の上の子が園で過ごす時間をつくる

いずれも事前の登録や認定が必要です。病児保育の使い方こども誰でも通園制度で流れを確認しておきましょう。

あわせて、退院後の生活も見通しておくと負担が偏りません。産後の体調を支える仕組みとしては産後ケア事業があり、宿泊型・日帰り型・訪問型から選べる自治体もあります。

退院後の手続きは日数がずれても変わらない

入院が延びても、出生届などの期限は出生の日から数えます。出生届は出生の日から14日以内で、退院日を基準にするものではありません。

入院中に家族が手続きを進められるよう、必要な書類と窓口を共有しておくとよいでしょう。手続きの順序は出生届から保険証までにチェックリストとしてまとめています。

また、帝王切開は民間の医療保険で手術給付金の対象になることがあります。加入している保険の内容と、請求に必要な診断書の様式を確認しておくと、退院後の手続きがまとめて進みます。

よくある質問

帝王切開の入院は何日くらいですか?
施設の方針とその後の経過によって決まります。公的統計では「妊娠、分娩及び産じょく」に分類される入院の平均在院日数が7.4日ですが、これは経腟分娩や管理入院を含む分類全体の平均です。帝王切開の標準的な日数は分娩予約や健診のときに施設へ確認してください。
帝王切開になる人はどれくらいいますか?
厚生労働省の医療施設調査(令和5年9月中)をもとに当サイトが集計したところ、分娩59,026件のうち帝王切開は13,551件で23.0%でした。一般病院では29.1%、一般診療所では15.3%です。
入院日数は入院した日から数えますか?
診療報酬点数表の入院料等の通則で、期間の計算は保険医療機関に入院した日から起算すると定められています。入院した日が1日目です。予定帝王切開で手術の前日に入院する場合は、その前日が1日目になります。
月をまたいで入院した場合、高額療養費はどうなりますか?
自己負担限度額は同一月内の医療費について計算されるため、月をまたぐ入院は月ごとに分けて計算されます。同じ入院でも、月末から翌月初めにかけての入院になると、1か月に収まった場合より合計の負担が大きくなることがあります。
帝王切開に健康保険は使えますか?
手術として保険が適用され、自己負担は原則3割です。あわせて出産育児一時金も支給されます。ひと月の自己負担が上限を超えた分は高額療養費の対象になります。
限度額適用認定証は必要ですか?
マイナ保険証を利用する場合はオンライン資格確認により窓口での限度額適用が受けられるため、認定証がなくても対応できます。利用しない場合は、加入している健康保険に申請して入院時に提示します。緊急の場合は後から高額療養費を申請することもできます。
入院中に上の子を預ける方法はありますか?
一時預かり事業や、未就園の場合はこども誰でも通園制度が使えます。体調を崩したときは病児保育事業が受け皿になります。いずれも事前の登録や認定が必要なため、入院前に手続きを済ませておくと安心です。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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