出産環境白書2026

全国の産婦人科・小児科22,928施設のデータベースと、厚生労働省「出産なび」に掲載された分娩取扱1,876施設の全数集計をもとに、日本で子どもが生まれる環境を数字で整理しました。市区町村単位の産科アクセス、分娩取扱施設の規模別分布、産科医・助産師の配置状況は、行政が同じ集計形式では公表していない当社独自の集計です。

発行: 株式会社NAMI-RENSA「産婦人科と小児科の教科書」

分娩取扱施設数(全国)

1,876施設

第1章より

分娩施設が域内にない市区町村

1,113/1,892(58.8%)

第2章より

年200件以下の施設数

734施設(39.5%)

第3章より

産科医が1人以下の施設

367施設(22.3%)

第4章より

第1章 全国の分娩取扱施設1,876か所の構成

分娩を取り扱う施設は全国1,876か所(当社集計)。病院865と診療所809がほぼ拮抗し、助産所202が続く。2024年の出生数686,173人に対し、1施設あたり年間365.8人、産科医1人あたり58.7人という対応関係になる。

分娩を扱う施設は全国1,876か所

厚生労働省「出産なび」の掲載情報から、分娩を取り扱うと確認できた施設は全国1,876か所である(2026年7月28日取得・当社集計)。

当社が構築した産婦人科・小児科の施設データベースの登録数は22,928施設。分娩取扱施設1,876は、その8.2%にあたる(1,876÷22,928、当社算出)。データベースの内訳は、産婦人科・産科・婦人科のいずれかを標榜する施設5,434、小児科を標榜する施設17,388、助産所2,096である。複数の区分に該当する施設はそれぞれに計上されるため、3区分の単純合計は総数を上回る。

病院865、診療所809。両者はほぼ拮抗する

1,876施設を開設区分(医療情報ネットのオープンデータ由来)で見ると、次のとおりである。

区分施設数構成比
病院86546.1%
診療所80943.1%
助産所20210.8%
合計1,876100.0%

病院と診療所の差は56施設。分娩の担い手は、この2区分でほぼ二分されている(両者合計1,674施設、全体の89.2%)。

産婦人科・産科・婦人科のいずれかを標榜する5,434施設に対して、分娩を取り扱う病院・診療所は1,674施設。掲載ベースでは30.8%にあたる(1,674÷5,434、当社算出)。標榜科の登録には分娩を扱わない婦人科単科の施設も含まれるため、この比率は分娩取扱の実施率そのものではない。助産所も同様で、データベース登録2,096施設のうち分娩取扱として確認できたのは202施設、9.6%である(202÷2,096、当社算出)。

施設種類別では有床診療所が805

出産なび掲載の「施設の種類」で分類すると、次のとおりである。

施設種類施設数構成比
病院86646.2%
有床診療所80542.9%
有床助産所1719.1%
無床助産所331.8%
不明10.1%
合計1,876100.0%

※構成比は四捨五入のため、各行の合計は100.0%と一致しない。

この分類に「無床診療所」は現れず、分娩を扱う診療所はすべて病床を持つ施設として計上されている。助産所は有床171・無床33の204施設である。

開設区分と施設の種類は出所が異なり、一対一では対応しない。開設区分が診療所の809施設のうち、施設の種類が有床診療所として掲載されているのは802施設で、7施設は病院として掲載されている。いずれの軸でも合計は1,876で一致する。

出生686,173人と1,876施設

2024年の出生数は686,173人(人口動態統計・確定数)。分娩取扱施設1,876で割ると、1施設あたり年間365.8人となる(686,173÷1,876、当社算出)。ただし出生数は2024年、施設数は2026年7月時点の掲載値であり、時点が異なる。参考に、医療施設調査(2023年)の分娩取扱施設数1,858(病院+一般診療所)を分母とした場合は369.3人である(当社算出)。

担い手側で見ると、産婦人科・産科の医師数は11,690人(医師・歯科医師・薬剤師統計・2024年)。産科医1人あたりの年間出生数は58.7人となる(686,173÷11,690、当社算出)。いずれも全国の単純平均であり、施設や地域ごとの実態を示すものではない。

数字の前提——「出産なび」の網羅性について

「出産なび」は、施設からの登録に基づいて分娩関連情報を掲載する仕組みであり、全数調査ではない。掲載されていない分娩取扱施設が存在しうる点に留意が必要である。

実際、出産なび掲載のうち病院と診療所は1,674施設で、医療施設調査(2023年)の分娩取扱施設数1,858の90.1%にあたる(1,674÷1,858、当社算出)。調査時点も集計定義も異なるため単純比較はできないが、本白書が示す1,876という数字は、掲載ベースで確認できた値として読む必要がある。

出典: 厚生労働省「出産なび」(2026年7月28日利用)、同「医療情報ネットのオープンデータ」(2025年12月1日時点)、人口動態統計(2024年確定数)、医療施設調査(2023年)、医師・歯科医師・薬剤師統計(2024年)を加工して当社作成。本章の数値は、当社が公開データを機械的に集計したものであり、厚生労働省が作成・公表した統計そのものではない。

この章の主要数値注記
分娩取扱施設数(全国)1,876施設厚生労働省「出産なび」掲載情報より当社集計(2026年7月28日取得)
内訳(病院/診療所/助産所)865/809/202構成比46.1%/43.1%/10.8%。病院と診療所の差は56施設
施設データベース登録数に占める分娩取扱施設の割合8.2%1,876÷22,928(産婦人科・小児科施設データベース)、当社算出
1施設あたり年間出生数365.8人686,173人(2024年確定数)÷1,876施設、当社算出。出生数と施設数は時点が異なる
産科医1人あたり年間出生数58.7人686,173人÷11,690人(産婦人科・産科医師数・2024年)、当社算出

第2章 産科空白地帯1,113市区町村・出生の13.7%

全国1,892市区町村のうち1,113(58.8%)に、分娩を取り扱う施設が域内にない。そこで生まれる子どもは年間9万7,407人、集計対象全体の13.7%にあたる。日本で生まれる子どものおよそ7人に1人が、住んでいる市区町村の中に分娩施設がない地域で生まれている計算になる。

1,892市区町村のうち1,113が「産科空白地帯」

厚生労働省「出産なび」をもとに当社が分娩取扱施設として特定した1,876施設の所在地を、全国1,892市区町村(政令指定都市は行政区単位)に突き合わせた。域内に分娩を取り扱う施設が1つもない市区町村は1,113。全体の58.8%にあたる(当社調べ)。本白書ではこれを「産科空白地帯」と呼ぶ。

そこに暮らす人口は2,048万1,574人。年間出生数は9万7,407人であり、集計対象1,892市区町村の出生数合計71万427人の13.7%を占める。日本で生まれる子どものおよそ7人に1人が、分娩のために住んでいる市区町村の外へ出る必要がある計算になる。

なお空白市区町村の人口シェアは16.5%で、出生シェア13.7%を上回る(当社調べ)。空白地帯には、人口に比して出生数が少ない地域が多い。

距離帯別 ― 出生の88.8%は「5km未満」に集中

各市区町村の代表点から最寄りの分娩取扱施設までの直線距離を求め、距離帯別に集計した。全1,892市区町村が対象で、域内に施設がある市区町村も含む。

最寄りまでの距離市区町村構成比人口年間出生数出生構成比
0〜5km未満85245.0%106,030,503631,03288.8%
5〜10km未満32617.2%9,125,33843,1866.1%
10〜20km未満38420.3%6,411,42225,3893.6%
20〜30km未満1729.1%1,664,1785,8890.8%
30〜50km未満1156.1%877,7633,5530.5%
50km以上432.3%221,4861,3780.2%

全国平均は12.9km(1,892市区町村の単純平均。人口による重み付けはしていない)。分布は市区町村数と出生数で大きく食い違う。5km未満は市区町村数では45.0%にとどまるが、出生数では88.8%を占める。10km未満まで広げると出生の94.9%に達する。逆に20km以上の330市区町村(17.4%)で生まれる子どもは1万820人、全体の1.5%である。

30km以上が158市区町村、50km以上が43市区町村

最寄り施設まで30km以上の市区町村は158、うち50km以上は43。50km以上の43市区町村には22万1,486人が暮らし、年間1,378人が生まれている。

最寄りの分娩取扱施設が自都道府県外にある市区町村は92。都道府県境をまたぐ移動が最短経路となる地域が、全国に一定数存在する。

空白率は22.2%から88.2%まで開く

空白率が高い上位10道県は次のとおり。

都道府県市区町村空白空白率空白域の人口空白域の出生数30km以上平均距離
高知県343088.2%272,7071,045719.0km
福島県595186.4%586,6192,285715.9km
青森県403485.0%408,8901,552615.9km
鳥取県191684.2%167,069793320.1km
北海道18815481.9%1,272,4465,1236725.1km
奈良県393179.5%453,4132,24519.6km
宮崎県262076.9%252,0131,241516.1km
和歌山県302376.7%296,1181,28909.1km
長野県775976.6%525,0532,471010.3km
山形県352674.3%297,9081,091110.5km

最も高い高知県の88.2%と、最も低い大阪府の22.2%の開きは約4.0倍。東京都27.4%、愛知県30.4%、神奈川県31.0%が大阪府に次いで低い。

空白率と距離は必ずしも連動しない。奈良県は空白率79.5%だが平均9.6km、和歌山県は76.7%で9.1km。隣接する市区町村に施設があるため、域内になくても最寄りまでの距離は短い。対して北海道は空白率81.9%・平均25.1kmで、30km以上の市区町村を67抱える。これは全国158の42.4%にあたる。

空白地帯は地方だけの現象ではない

空白市区町村の年間出生数を都道府県別に見ると、最多は埼玉県の8,637人(空白33市区町村、空白率45.8%)。次いで愛知県5,509人、北海道5,123人、福岡県4,134人、栃木県3,957人、神奈川県3,905人。空白率が全国平均を下回る都府県でも、人口規模が大きいため空白地帯で生まれる子どもの絶対数は多い。

数値の読み方(留意点)

  • 距離はすべて直線距離(Haversine法)であり、実際の移動距離・所要時間ではない。山地・海峡・道路網の状況により、移動時間は直線距離から想定されるより長くなる場合がある。
  • 市区町村の代表点は、域内の全大字・町丁目の代表点を平均した位置であり、役所の所在地ではない。
  • 分娩取扱施設は「出産なび」掲載施設のうち、当社の施設データベースと同一施設として特定できたものに限られる。特定できなかった施設が域内にある市区町村を空白と判定している可能性があり、空白市区町村数・空白率は上限側の値とみるべきである。
  • 政令指定都市は行政区単位で集計している。区内に分娩施設がなくても、隣接区の施設が近い地域を含む。
  • 離島では直線距離が実態を表さない。沖縄県の平均84.6km、東京都の平均35.2kmは島嶼部を含む値である。
  • 1,876施設のうち座標が未登録の67施設は距離計算から除外した。ただし域内の有無の判定には所在地情報を用いており、空白地帯の判定には含めている。
  • 人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の2025年1月1日現在の値、出生数は2024年(1〜12月)中の値である。いずれも日本人住民と外国人住民の合計であり、厚生労働省人口動態統計とは定義・基準日が異なる。
  • 北方領土6村は住民登録・医療機関の実態がないため集計対象から除いている。
この章の主要数値注記
分娩施設が域内にない市区町村1,113/1,892(58.8%)厚生労働省「出産なび」をもとに特定した分娩取扱1,876施設の所在地を、全国1,892市区町村(政令市は行政区単位)に突き合わせ。当社調べ。名寄せできなかった施設がある分、空白数は上限側の値
空白市区町村の年間出生数97,407人(13.7%)集計対象1,892市区町村の出生数合計710,427人に占める割合。およそ7人に1人。住民基本台帳(人口は2025年1月1日現在、出生数は2024年中)
最寄り施設まで30km以上/50km以上158市区町村/43市区町村直線距離。50km以上の43市区町村の人口は221,486人、年間出生数は1,378人
最寄り施設までの全国平均距離12.9km1,892市区町村の代表点からの直線距離の単純平均(人口による重み付けなし)。座標未登録の67施設は距離計算から除外
都道府県別の空白率(最高/最低)高知県88.2%/大阪府22.2%開きは約4.0倍。北海道は30km以上の市区町村を67抱え、全国158の42.4%を占める

第3章 分娩取扱施設の規模別分布 ― 施設の39.5%が年200件以下、担う分娩は推計12.0%

分娩取扱施設を年間経腟分娩取扱件数の規模別に集計した。件数が判明した1,857施設のうち、年200件以下は734施設で39.5%。しかしそこで行われる分娩は推計12.0%にとどまる。年1001件以上は48施設、2.6%。施設も分娩も、201~500件の中規模帯に最も集まっている。この規模別分布は、行政が同じ集計形式では公表していない当社独自集計である。

集計の前提

年間経腟分娩取扱件数が判明した施設は1,857である。件数が不明の施設は集計から除外した。件数はレンジ表記で公開されているため、分娩数の推計には各レンジの中央値を用いた(当社算出)。帝王切開は含まず、本章の件数はすべて経腟分娩である。

施設の39.5%が年200件以下

年200件以下は734施設。構成比は39.5%で、4割近くを占める。うち年20件以下は163施設、8.8%である。一方、年1001件以上は48施設。構成比は2.6%にとどまる。

年間経腟分娩取扱件数施設数構成比
0~20件1638.8%
21~40件683.7%
41~60件462.5%
61~80件532.9%
81~100件452.4%
101~150件1598.6%
151~200件20010.8%
201~300件35219.0%
301~400件29515.9%
401~500件1658.9%
501~600件1276.8%
601~700件683.7%
701~800件361.9%
801~900件201.1%
901~1000件120.6%
1001~1500件351.9%
1501~2000件100.5%
2001~2500件10.1%
2501~3000件20.1%
合計1,857100.0%

※構成比は四捨五入のため、合計が100.0%にならない場合がある。

4割の施設が担う分娩は推計12.0%

各レンジの中央値から算出した年間経腟分娩数は573,402件(推計・当社算出)。この推計値を分母に規模帯ごとのシェアを求めた。

年200件以下の734施設が担う分娩は推計約68,900件。シェアは12.0%である。年1001件以上の48施設のシェアも推計12.0%(約69,000件)である。構成比2.6%の48施設と構成比39.5%の734施設が、推計上ほぼ同量の分娩を担う。この非対称が本章の中心的な所見である。

規模帯施設数構成比推計分娩数推計シェア
200件以下73439.5%約68,900件12.0%
201~500件81243.7%約265,900件46.4%
501~1000件26314.2%約169,600件29.6%
1001件以上482.6%約69,000件12.0%
合計1,857100.0%573,402件100.0%

※推計分娩数は百件単位に丸めており、内訳の単純合計は573,402件と一致しない。

中規模帯に施設も分娩も集中する

201~500件は812施設、43.7%。推計分娩シェアは46.4%。施設数でも分娩数でも最大の帯である。最も多いレンジは201~300件の352施設(19.0%)。次いで301~400件の295施設(15.9%)。件数順に並べたときの中央の施設も、201~300件の帯に位置する。

501~1000件を加えると、201~1000件の帯は1,075施設で57.9%。推計分娩シェアは75.9%に達する。施設の6割弱に、分娩の4分の3が集まる分布である。

読み取りにあたっての注意

  • 推計573,402件は各レンジの中央値を用いた概算であり、実際の分娩総数とは一致しない。レンジ内の実際の分布が中央値から偏っていれば、推計値は上下にぶれる。
  • 帝王切開は含まない。本章の数値は経腟分娩の取扱件数である。
  • 件数が不明の施設は集計から除外している。母数は分娩取扱施設の総数ではなく、件数が判明した1,857施設である。
  • 本章の規模別分布は、行政が同じ集計形式で公表しているものではない。公開データを当社が機械的に収集・集計した独自集計である(当社調べ)。

出典: 厚生労働省「出産なび」(2026年7月28日利用)を加工して当社作成。本章の数値は、当社が公開データを機械的に集計したものであり、厚生労働省が作成・公表した統計そのものではない。

この章の主要数値注記
年200件以下の施設数734施設(39.5%)件数が判明した1,857施設に占める割合。当社集計
年200件以下の施設が担う分娩シェア12.0%(推計)各レンジ中央値による推計。約68,900件。当社算出
年1001件以上の施設数48施設(2.6%)分娩シェアは推計12.0%(約69,000件)。当社算出
推計年間経腟分娩数573,402件(推計)各レンジ中央値×施設数の合算。帝王切開を含まない概算。当社算出
201~500件帯812施設(43.7%)/分娩シェア推計46.4%施設数・分娩数とも最大の規模帯。当社算出
集計対象施設1,857施設年間経腟分娩取扱件数が判明した施設。件数不明の施設は集計から除外

第4章 産科医が1人以下の施設は22.3%、分娩の推計シェアは14.9%

産科医師数が判明した1,647施設のうち、産科医が1人以下の施設は367施設、22.3%を占める。その施設群での年間分娩は推計85,497件、全体の推計14.9%にあたる。一方で助産師は10人以上を置く施設が58.3%。担い手の配置は職種によって様相が異なる。厚生労働省「出産なび」の公開データを当社が機械的に集計した。

産科医は1,647施設で延べ8,238人

産科医師数が判明したのは1,647施設。合計は延べ8,238人である。1施設あたり延べ5.0人となる(当社算出)。分布は次のとおり。

産科医師数施設数割合
1人以下36722.3%
2人31919.4%
3〜4人35721.7%
5〜9人39223.8%
10〜19人1619.8%
20人以上513.1%
合計1,647

端数処理のため、各割合の単純合計は100%にならない。

2人以下は686施設。全体の41.7%を占める。5人以上は604施設で36.7%。20人以上は51施設、3.1%にとどまる。少人数の施設と大規模な施設が併存する構造である。

産科医1人以下の367施設が、分娩の推計14.9%を占める

産科医が1人以下の施設は367施設。1,647施設に対する割合は22.3%である(当社算出)。この367施設の年間分娩件数は推計85,497件。全体に占める割合は推計14.9%となる。分娩件数は公開されている件数レンジの中央値を積み上げた推計値であり、実数ではない。

「1人以下」には産科医師数が0人の施設を含む。医師が常勤しない形態の施設が含まれる可能性がある点に留意が必要である。

施設数のシェアは22.3%、分娩数の推計シェアは14.9%。差は7.4ポイントである。1施設あたりの分娩規模が相対的に小さいことを示す。

助産師は延べ28,059人、10人以上の施設が58.3%

助産師数が判明したのは1,836施設。合計は延べ28,059人。1施設あたり延べ15.3人である(当社算出)。

助産師数施設数割合
4人以下32117.5%
5〜9人44524.2%
10〜19人59832.6%
20〜49人41822.8%
50人以上542.9%
合計1,836

10人以上は1,070施設で58.3%。5人以上でみると1,515施設、82.5%に達する。産科医が5人以上の施設は36.7%であった。人数規模でみる限り、助産師の方が多く配置されている施設が目立つ。

ただし、産科医と助産師では業務範囲も配置の考え方も異なる。人数の多寡をそのまま比較することはできない。

院内助産28.7%、助産師外来55.0%

院内助産は、実施の有無が判明した1,671施設のうち480施設が実施。28.7%である。助産師外来は、判明した1,572施設のうち865施設が実施。55.0%となる。

取り組み実施施設判明施設実施率
院内助産4801,67128.7%
助産師外来8651,57255.0%

助産師外来は半数を超える一方、院内助産は3割弱である。両者は判明施設数(分母)が異なるため、直接の比較には適さない。

本章の数値の読み方

  • 医師数・助産師数はいずれも延べ人数である。複数施設を兼務する医師・助産師は、重複して計上されている可能性がある。
  • 分娩数は各レンジの中央値による推計である。実数ではない。
  • 人数が公開されていない施設は集計から除外している。母数は項目ごとに異なる。
  • 参考値として、全国の産科医1人あたり年間出生数は58.7人である(当社算出)。上記の施設別集計とは算出の基礎が異なるため、単純に接続できない。

出典: 厚生労働省「出産なび」(2026年7月28日利用)を加工して当社作成。本章の数値は、当社が公開データを機械的に集計したものであり、厚生労働省が作成・公表した統計そのものではない。

この章の主要数値注記
産科医が1人以下の施設367施設(22.3%)分母は産科医師数が判明した1,647施設。0人の施設を含む。当社算出
その施設群での年間分娩推計85,497件(14.9%)各レンジ中央値による推計。実数ではない。当社算出
産科医の合計延べ8,238人/1,647施設1施設あたり延べ5.0人。兼務は重複計上の可能性
助産師の合計延べ28,059人/1,836施設1施設あたり延べ15.3人。兼務は重複計上の可能性
助産師10人以上の施設1,070施設(58.3%)分母は助産師数が判明した1,836施設。当社算出
院内助産の実施480/1,671施設(28.7%)分母は実施の有無が判明した施設
助産師外来の実施865/1,572施設(55.0%)分母は実施の有無が判明した施設
産科医1人あたり年間出生数58.7人全国。参考値。当社算出

第5章 産後の健診 ― 1ヶ月健診98.9%、2週間健診88.4%

分娩取扱1,876施設のうち、産後1ヶ月健診を実施しているのは98.9%、産後2週間健診は88.4%。出産直後に母親が医療機関と接する機会は確保されている。一方でこれらは産後1ヶ月程度までに集中し、その後の継続的な接点は公開データからは把握できなかった。

産後の健診はほぼ全施設が実施している

分娩取扱施設1,876施設のうち、産後1ヶ月健診(産婦健康診査)を実施しているのは1,856施設。実施率は98.9%である。産後2週間健診は1,659施設、88.4%であった(当社集計)。

産後の健診実施施設対象施設実施率
産後2週間健診1,6591,87688.4%
産後1ヶ月健診1,8561,87698.9%

1ヶ月健診はほぼ全施設が実施している一方、2週間健診は88.4%。差は10.5ポイントである。2週間健診を実施していない施設は217施設あった。

産後2週間健診は、出産後の母親の心身の回復を確認する機会として位置づけられている。国は産婦健康診査の費用助成を進めており、実施主体は市区町村である。実施率の差には、自治体の助成の有無や施設の体制が関わると考えられるが、本集計からその要因は特定できない。

授乳支援外来は64.4%

退院後の授乳支援を行う外来については、1,208施設が「実施している」と回答している。1,876施設に対して64.4%である(当社算出)。このほかに「自施設で出産した産婦のみを対象として実施」と回答した施設もあり、対象を限定した形での提供が一定数ある。

産後の接点は「ある」。問題はその後である

分娩を扱う施設のほぼすべてが産後1ヶ月健診を実施し、9割近くが2週間健診も行っている。出産直後の母親が医療機関と接する機会は、制度としても実態としても確保されている。

一方で、これらの健診はいずれも産後1ヶ月程度までの期間に集中する。それ以降、母親と家族が定期的に相談できる場は、自治体の産後ケア事業などに限られる。本白書が扱う公開データの範囲では、産後1ヶ月以降の継続的な支援の実施状況を把握することはできなかった。

読み取りにあたっての注意

  • 実施の有無は「出産なび」に掲載された各施設の申告に基づく。実施回数や内容の詳細は含まない。
  • 「ー」等の回答で実施状況が判別できない施設も、対象施設数(分母)に含めている。したがって実施率は下限側の値である。
  • 授乳支援外来は「実施している」と明確に回答した施設のみを分子とした。対象を限定して実施する施設は含んでいない。

出典: 厚生労働省「出産なび」(2026年7月28日利用)を加工して当社作成。本章の数値は、当社が公開データを機械的に集計したものであり、厚生労働省が作成・公表した統計そのものではない。

この章の主要数値注記
産後1ヶ月健診の実施率98.9%(1,856/1,876施設)出産なび掲載の分娩取扱施設。当社集計
産後2週間健診の実施率88.4%(1,659/1,876施設)同上。実施していない施設は199
退院後の授乳支援外来64.4%(1,208/1,876施設)「実施している」と回答した施設のみ。対象限定で実施する施設は含まない

第6章 公的データのURLで辿り着けない12.0%

厚生労働省の公的データに登録された案内用ホームページアドレスへ当社が実際にアクセスしたところ、全22,928施設のうちURLが登録されていたのは60.8%、うち12.0%はそのURLで施設のサイトに到達できなかった。到達可能だったのは全施設の53.5%で、URL登録率は病院93.4%、助産所40.4%と施設区分で大きく開いた。

調査の方法

厚生労働省「医療情報ネットのオープンデータ」(2025年12月1日時点)から当社が抽出した産婦人科系・小児科・助産所の22,928施設のうち、案内用ホームページアドレスが登録されていたのは13,934施設であった。この13,934施設分のURLに対し、当社が2026年7月28日に実際にHTTPアクセスし、到達できるかを確認した。重複を除いた実チェックURLは13,777件である。表記が壊れたURL(スキームの誤記等)は正規化したうえで判定し、到達できなかったものはhttps版・www有無・ホスト名の誤字修正といった代替候補も試行した。以下の数値はすべて当社が公開データを機械的に集計・検証したものであり、厚生労働省が公表した統計ではない。

本調査が示すのは「医療機関のサイトが存在するか」ではない。「公的データに登録されたURLで、その施設のサイトにたどり着けるか」である。

全施設の53.5%が、公的データのURLで到達できた

状態施設数全施設比
URL登録あり13,93460.8%
うち 到達可能12,26453.5%
うち URLが古い・誤り(正しいURLは存在)3961.7%
うち 到達不能1,2745.6%
URL未登録8,99439.2%

※全施設比は22,928施設に対する割合で、当社算出。

URLが登録されている13,934施設のうち、そのURLでたどり着けなかったのは1,670施設、12.0%であった。内訳は一様ではない。396施設はサイト自体が稼働しており、登録されたURLが古いか誤っているだけである。残る1,274施設は、代替候補を試しても到達できなかった。ただし本調査は調査日時点の1回の到達確認であり、この1,274施設についてサイトが閉鎖したのか、一時的に応答しなかったのかまでは判別していない。

病院93.4%、助産所40.4%

区分施設数URL登録率登録URLの問題率全施設に対する到達可能率
病院2,69693.4%6.7%87.1%
診療所18,13658.3%12.6%50.9%
助産所2,09640.4%19.8%32.4%

※到達可能率(到達可能施設÷施設数)は当社算出。

URL登録率は病院93.4%に対し、助産所40.4%。登録済みURLの問題率も病院6.7%、助産所19.8%と開く。結果として、公的データ経由でサイトに到達できる施設の割合は、病院87.1%、診療所50.9%、助産所32.4%となった。

「古いだけ」の396施設、最多はhttp表記のまま

URLが古い・誤りの理由施設数構成比
httpsへ移行済みだが公的データはhttpのまま25865.2%
ページの場所(パス)が変わっている8020.2%
ホスト名が誤っている(ドット欠落等の入力ミスを含む)5814.6%

※構成比は396施設に対する割合で、当社算出。

一方、最初のアクセスで応答が得られなかったURLは1,641件(URL単位。後に代替候補で到達できたものを含む)。理由はサーバーに接続できない(DNS解決失敗・応答なし等)821件、アクセス拒否(403)417件、ページが存在しない(404)354件が上位を占めた。

都道府県差とhttps化

URL登録率は都道府県で15.1%〜75.8%、登録URLの問題率は4.3%〜20.6%の幅がある。ただしこの差は、各施設のサイト保有状況を直接示すものではない。とくに登録率が最も低い県は次に低い県とも大きく離れており、施設側の入力状況や自治体の運用の違いが相当に含まれるとみられる。到達できたサイトのうちhttpsで配信されていたものは81.5%であった。

数字の読み方

以上は、施設が情報を発信しているかどうかの指標ではない。公的データの登録内容と、実際のサイトの現況とのずれを測ったものである。登録されたhttpのURLでは到達できず、https版なら到達できた258施設は、そのずれが最も分かりやすく表れた例といえる。

この章の主要数値注記
URL登録率60.8%全22,928施設のうちホームページアドレスが登録されていたのは13,934施設(当社調べ・2026年7月28日調査)
登録URLで辿り着けない割合12.0%URL登録済み13,934施設のうち1,670施設。内訳は「URLが古い・誤り」396施設、「到達不能」1,274施設
公的データのURLで到達できた施設53.5%12,264施設÷22,928施設。当社算出
URL登録率の施設区分差病院93.4%/診療所58.3%/助産所40.4%登録URLの問題率も病院6.7%、診療所12.6%、助産所19.8%と開く
https化率81.5%到達できたサイトのうち、httpsで配信されていた割合

出典・調査方法

出典

  • 厚生労働省「医療情報ネットのオープンデータ」(2025年12月1日時点)を加工して作成
  • 厚生労働省「出産なび」(2026年7月28日に利用)を加工して作成
  • 厚生労働省 人口動態統計(2024年確定数)/医療施設調査(2023年)/医師・歯科医師・薬剤師統計(2024年)
  • 総務省 全国地方公共団体コード/住民基本台帳に基づく人口(2025年1月1日現在)
  • 国土交通省 位置参照情報/国土数値情報 行政区域データ

集計方法

  • 施設データベースは、厚生労働省「医療情報ネットのオープンデータ」から産婦人科・産科・婦人科・小児科を標榜する病院・診療所および助産所を抽出して構築しました。同一施設が別IDで重複登録されているものは、都道府県・名称・住所で統合しています。
  • 分娩取扱施設は、厚生労働省「出産なび」の掲載施設を上記データベースと名寄せして特定しました。名寄せは名称の正規化に加えて住所の一致を必須条件とし、同名の別施設を取り違えないようにしています。
  • 産科アクセスの分析では、市区町村の代表点(域内の全大字・町丁目代表点の平均)から最寄りの分娩取扱施設までの直線距離(Haversine法)を算出しました。移動距離・所要時間ではありません。
  • 「出産なび」は施設からの申請に基づいて掲載される仕組みであり、全数調査ではありません。掲載されていない分娩取扱施設が存在しうるため、本白書の施設数は掲載ベースの値です。

本白書の数値は、当社が公開データを機械的に集計したものです。厚生労働省が作成・公表した統計そのものではありません。

この白書は引用フリーです

出典を明記いただければ、報道・研究・院内資料などに自由にご利用いただけます。

推奨クレジット(4要素すべての記載をお願いします)
出典:「出産環境白書2026」(株式会社NAMI-RENSA「産婦人科と小児科の教科書」)/対象:厚生労働省「出産なび」掲載の分娩取扱施設および「医療情報ネットのオープンデータ」収録施設/調査時点:2026年7月28日

医療機関の皆さまへ:本データを貴院の広告に引用される場合、医療広告等ガイドライン第3-1 1(2)により出典・調査の実施主体・調査の範囲・実施時期の併記が必要です。また「県内で数少ない分娩施設」「地域No.1」等、他院と比較して優良である旨の表現は比較優良広告として禁止されています。

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