子どもの予防接種の費用|定期接種は原則無料、任意接種は自費になる仕組み

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

子どもの予防接種の費用は、予防接種法にもとづく定期接種か、それ以外の任意接種かという制度上の区分でほぼ決まります。この記事では、定期接種が原則無料で受けられる仕組み、任意接種の費用と自治体助成の調べ方、対象期間を過ぎた場合の扱いといった制度面を整理します(個々のワクチンの医学的な説明・推奨は行いません)。

費用は「定期接種」か「任意接種」かで決まる

子どもの予防接種には、予防接種法にもとづいて市町村が実施する「定期接種」と、それ以外の「任意接種」があります。どちらに当たるかで、費用の負担と、万一のときの救済制度が変わります。

定期接種任意接種
根拠予防接種法法の定期接種の枠外
実施市町村希望により医療機関で接種
費用対象期間内は原則無料全額自己負担(助成のある自治体も)
健康被害の救済予防接種法の救済制度PMDAの医薬品副作用被害救済制度

この記事は費用の制度を整理するものです。個々のワクチンを受けるかどうかの医学的な説明・推奨は行いません。接種については、かかりつけ医や自治体の窓口にご相談ください。

定期接種は対象期間内なら原則無料

定期接種は、予防接種法で市町村長が実施し、費用は市町村が支弁すると定められています(同法第5条・第49条)。このため、定められた対象年齢・期間内に、市町村の案内に沿って指定の医療機関などで受ける場合、自己負担なしで受けられるのが一般的です。

法律上は実費を徴収できる規定(同法第52条)もありますが、子どもの定期接種では自己負担を求めない運用が広く行われています。正確な取り扱いは、お住まいの市町村から届く案内や予診票でご確認ください。

子どもの定期接種にはどんなものがあるか

2026年8月時点で、厚生労働省の予防接種情報ページに掲載されている子どもの定期接種には、次のようなものがあります。

それぞれの対象年齢・回数・間隔は法令で定められており、市町村から時期に応じた案内が届きます。最新の一覧と詳細は、厚生労働省のページとお住まいの自治体の案内でご確認ください。

任意接種の費用は全額自己負担が基本

任意接種は、定期接種の対象疾病・対象期間に当てはまらない接種で、費用は全額自己負担が基本です。おたふくかぜワクチンや、子どものインフルエンザワクチンなどがこれに当たります。

任意接種は自由診療のため、国が定めた統一価格はなく、金額は医療機関ごとに異なります。複数回の接種が必要なワクチンでは、その回数分の費用がかかります。予約の際に1回あたりの金額を確認しておくと安心です。

なお、おたふくかぜワクチンについては、国の審議会で定期接種化に向けた議論が進められています(2026年7月時点)。区分が変わると費用の扱いも変わるため、最新の情報にご注意ください。

自治体の助成を調べる

任意接種の一部について、独自の費用助成を設けている自治体があります。助成の有無・対象・金額・方式(窓口での減額か、後からの払い戻しか)は自治体によってさまざまです。次の方法で調べられます。

  • 「お住まいの市区町村名+ワクチン名+助成」で検索する
  • 母子健康手帳の交付時や乳幼児健診で配られる案内を確認する
  • 市区町村の予防接種担当窓口や、こども家庭センターに問い合わせる

指定の医療機関で受けた場合だけ助成対象になるなど、条件が付くことも多いため、接種の前に確認しておくことをおすすめします。接種を行う医療機関を探す際は、全国の小児科を都道府県から探すページもご利用ください。

対象期間を過ぎると自費になる

定期接種には、法令で対象年齢・期間が定められています。この期間を過ぎてから受ける場合は定期接種ではなくなり、任意接種として全額自己負担になるのが原則です。

ただし、長期にわたる療養などやむを得ない事情で期間内に受けられなかった場合の特例が法令上設けられています。該当し得る場合は、市町村の予防接種担当窓口に相談してください。また、引っ越した場合は新しい住所地の市町村の案内に従います。里帰り先など住所地の外で定期接種を受けるには、事前の手続きが必要なことが多い点にも注意が必要です。

接種のスケジュールは健診と合わせて考えると管理しやすくなります。乳幼児健診のスケジュールかかりつけの小児科の決め方もあわせてご覧ください。

健康被害の救済制度も区分で異なる

費用と並んで知っておきたいのが、健康被害が起きた場合の救済の枠組みです。定期接種は、予防接種法にもとづく予防接種健康被害救済制度の対象で、給付の申請は市町村に対して行います。任意接種は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が運営する医薬品副作用被害救済制度が基本的な枠組みになります。

制度の内容や手続きは、それぞれの公式ページで案内されています。ここでも「定期か任意か」という区分が、手続きの入り口を分けることになります。

よくある質問

定期接種は本当に無料ですか?
費用は市町村が負担するため、対象期間内に案内に沿って受ける場合は自己負担なしで受けられるのが一般的です。対象期間外の接種や、手続きを踏まない住所地外での接種は自費になることがあります。正確な取り扱いは自治体の案内でご確認ください。
おたふくかぜワクチンの費用はいくらですか?
任意接種のため国が定めた統一価格はなく、金額は医療機関ごとに異なります。予約時に確認してください。助成を設けている自治体もあるため、あわせて自治体の助成情報も調べることをおすすめします。
定期接種の期間を過ぎてしまいました。もう無料では受けられませんか?
原則として任意接種扱いの自費になります。ただし、長期の療養などやむを得ない事情で受けられなかった場合の特例が法令上あります。まず市町村の予防接種担当窓口に相談してください。
里帰り中に定期接種の時期が来ます。里帰り先で受けられますか?
住所地の市町村以外で受けるには事前の手続きが必要な場合が多く、費用の扱いも自治体によって異なります。出発前に住所地の市町村へ確認してください。
任意接種で健康被害が起きた場合はどうなりますか?
PMDAの医薬品副作用被害救済制度が基本的な枠組みです。定期接種の場合は予防接種法にもとづく救済制度となり、申請先は市町村です。詳細は各制度の公式ページでご確認ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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