B型肝炎ワクチンは0歳のうちに3回|対象年齢と、139日以上あけるという条文

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

B型肝炎ワクチンの定期接種は、予防接種法施行令第3条の表で対象者が「一歳に至るまでの間にある者」と定められた、0歳で終わるワクチンです。予防接種実施規則第20条が定める27日以上・139日以上という接種間隔、厚生労働省が示す標準的な接種時期、母子感染予防でワクチンを受けた場合に対象から外れる規定、長期療養特例と費用の仕組みを整理します。

対象は「一歳に至るまでの間にある者」=0歳のあいだだけ

B型肝炎ワクチンの定期接種について、予防接種法施行令第3条の表は、対象者を「一歳に至るまでの間にある者」と定めています。1歳の誕生日を迎えると、定期接種の対象から外れます。

厚生労働省のページでも2016年10月1日からB型肝炎ワクチンが定期接種となっており、対象となるのは0歳児と説明されています。麻しん・風しんのように「1歳から」始まるワクチンとは逆で、0歳で終わる側のワクチンである点が、スケジュールを組むときの前提になります。

この記事は制度(対象年齢・回数・間隔・費用)を条文にもとづいて整理するものです。接種を受けるかどうかの医学的な判断や、有効性・副反応についての説明は行いません。判断はかかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。

回数と間隔は「27日以上」「139日以上」と決まっている

予防接種実施規則第20条は、B型肝炎の定期の予防接種の方法をこう定めています。

組換え沈降B型肝炎ワクチンを二十七日以上の間隔をおいて二回皮下に注射した後、第一回目の注射から百三十九日以上の間隔をおいて一回皮下に注射するものとし、接種量は、毎回〇・二五ミリリットルとする。

読み替えると次のようになります。

あける間隔
1回目
2回目1回目から27日以上
3回目1回目から139日以上

注意したいのは、3回目の起点が「2回目」ではなく「第一回目の注射から」と書かれていることです。2回目を早めに受けても、3回目を前倒しできる条文にはなっていません。合計は3回、接種量は毎回0.25mLです。

標準的な接種時期は生後2か月・3か月・7〜8か月

厚生労働省は、B型肝炎ワクチンの標準的な接種時期を1回目が生後2か月、2回目が生後3か月、3回目が生後7〜8か月としており、1回目から3回目を終えるまでにおおよそ半年間かかると説明しています。

139日はおよそ4か月半にあたります。条文が定める最短の間隔と、この標準的な時期はきれいに対応しています。生後2か月から始めれば、3回目は1歳の誕生日までに余裕をもって終わる形です。

生後2か月からは、5種混合や小児用肺炎球菌など他の定期接種も同時に始まります。5種混合ワクチンの回数と間隔もあわせてご覧ください。

1歳の誕生日から逆算すると、開始が遅いほど余裕がなくなる

対象期間の終わりは1歳の誕生日の前日です。条文の間隔だけを使って最短の日数を並べると、次のようになります。

1回目を受ける時期3回目を受けられる最も早い時期
生後2か月ごろ生後およそ6か月半以降
生後5か月ごろ生後およそ9か月半以降
生後7か月ごろ生後およそ11か月半以降

「1回目から139日以上」という条件がある以上、1回目が遅れた分だけ、3回目が1歳の誕生日に近づきます。これは条文上の日数を並べた話で、遅れているときにどう組み直すかは個別の判断になります。開始が遅れている場合は、母子健康手帳の接種記録を持って、市町村の予防接種担当窓口またはかかりつけ医にご相談ください。

母子感染を防ぐためにワクチンを受けた場合は、対象から外れる

予防接種法施行規則第2条は、定期接種の対象者から除かれる者を列挙しています。B型肝炎については第7号で、「HBs抗原陽性の者の胎内又は産道においてB型肝炎ウイルスに感染したおそれのある者であって、抗HBs人免疫グロブリンの投与に併せて組換え沈降B型肝炎ワクチンの投与を受けたことのある者」と定められています。

つまり、母子感染を防ぐ目的ですでにB型肝炎ワクチンの投与を受けている場合は、同じワクチンを定期接種として重ねて受ける対象にはならないという整理です。この場合の接種は、定期接種とは別の枠組みで行われます。

該当するかどうかは出生時の経過で決まります。母子健康手帳の記録を持って、出産した医療機関またはかかりつけ医にご確認ください。

病気などで受けられなかったとき(長期療養特例)

予防接種法施行令第3条第2項は、長期にわたり療養を必要とする疾病にかかったことなど特別の事情により定期の予防接種を受けることができなかったと認められる場合に、その事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間、引き続き定期接種の対象とする仕組みを定めています。

この場合のB型肝炎の接種方法は、予防接種実施規則第20条第2項が開始時の年齢で分けて定めています。

予防接種の開始時接種量
1歳以上10歳未満毎回0.25mL(2回目以降の開始時に10歳以上のときは0.5mL)
10歳以上毎回0.5mL

27日以上・139日以上という間隔は、この場合も変わりません。特例に当たるかどうかを判断するのは市町村です。当てはまりそうなときは、まず市町村の予防接種担当窓口にご相談ください。

費用と、受けられる場所

定期接種は予防接種法にもとづいて市町村が実施するため、定められた対象期間内に市町村の案内に沿って受ける場合は、自己負担なしで受けられるのが一般的です。1歳の誕生日を過ぎてから受ける場合は任意接種の扱いとなり、全額自己負担になることがあります。費用の枠組みは子どもの予防接種の費用で整理しています。

接種できる医療機関は市町村が指定していることが多く、案内や自治体のサイトに一覧が掲載されます。0歳のうちは受けるワクチンが重なるため、記録が一か所にまとまるようかかりつけの小児科を決めておくと管理しやすくなります。

よくある質問

B型肝炎ワクチンは何歳まで受けられますか?
予防接種法施行令第3条の表は、対象者を「一歳に至るまでの間にある者」と定めています。1歳の誕生日を迎えると定期接種の対象から外れます。厚生労働省も、対象となるのは0歳児と説明しています。
何回受けますか。間隔はどれくらいですか?
3回です。予防接種実施規則第20条で、27日以上の間隔をおいて2回接種した後、第1回目の注射から139日以上の間隔をおいて1回接種すると定められています。3回目の起点は2回目ではなく1回目です。接種量は毎回0.25mLとされています。
いつから始めるのが標準ですか?
厚生労働省は標準的な接種時期を、1回目が生後2か月、2回目が生後3か月、3回目が生後7〜8か月としています。1回目から3回目を終えるまでにおおよそ半年間かかると説明されています。
出生時に母子感染を防ぐためのワクチンを受けました。定期接種も受けますか?
予防接種法施行規則第2条第7号により、HBs抗原陽性の方の胎内または産道でB型肝炎ウイルスに感染したおそれがあり、抗HBs人免疫グロブリンの投与に併せて組換え沈降B型肝炎ワクチンの投与を受けたことがある方は、定期接種の対象者から除かれます。該当するかどうかは出生時の経過によるため、母子健康手帳を持って出産した医療機関またはかかりつけ医にご確認ください。
病気で1歳までに受けられませんでした。もう受けられませんか?
予防接種法施行令第3条第2項の長期療養特例に当たると市町村が認めた場合は、特別の事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間、定期接種として受けられる仕組みがあります。該当するかどうかを判断するのは市町村なので、まず予防接種担当窓口にご相談ください。
費用はかかりますか?
定期接種として対象期間内に市町村の案内に沿って受ける場合は、自己負担なしで受けられるのが一般的です。対象期間を外れると任意接種の扱いとなり、全額自己負担になることがあります。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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