子どもの予防接種の費用|定期接種は原則無料、任意接種は自費になる仕組み
子どもの予防接種は、予防接種法に基づく定期接種と、それ以外の任意接種で費用の仕組みが変わります。定期接種が原則無料で受けられる理由、任意接種の費用の考え方と自治体助成の調べ方、対象期間を過ぎた場合の扱いを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
B型肝炎ワクチンの定期接種について、予防接種法施行令第3条の表は、対象者を「一歳に至るまでの間にある者」と定めています。1歳の誕生日を迎えると、定期接種の対象から外れます。
厚生労働省のページでも2016年10月1日からB型肝炎ワクチンが定期接種となっており、対象となるのは0歳児と説明されています。麻しん・風しんのように「1歳から」始まるワクチンとは逆で、0歳で終わる側のワクチンである点が、スケジュールを組むときの前提になります。
この記事は制度(対象年齢・回数・間隔・費用)を条文にもとづいて整理するものです。接種を受けるかどうかの医学的な判断や、有効性・副反応についての説明は行いません。判断はかかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。
予防接種実施規則第20条は、B型肝炎の定期の予防接種の方法をこう定めています。
組換え沈降B型肝炎ワクチンを二十七日以上の間隔をおいて二回皮下に注射した後、第一回目の注射から百三十九日以上の間隔をおいて一回皮下に注射するものとし、接種量は、毎回〇・二五ミリリットルとする。
読み替えると次のようになります。
| 回 | あける間隔 |
|---|---|
| 1回目 | — |
| 2回目 | 1回目から27日以上 |
| 3回目 | 1回目から139日以上 |
注意したいのは、3回目の起点が「2回目」ではなく「第一回目の注射から」と書かれていることです。2回目を早めに受けても、3回目を前倒しできる条文にはなっていません。合計は3回、接種量は毎回0.25mLです。
厚生労働省は、B型肝炎ワクチンの標準的な接種時期を1回目が生後2か月、2回目が生後3か月、3回目が生後7〜8か月としており、1回目から3回目を終えるまでにおおよそ半年間かかると説明しています。
139日はおよそ4か月半にあたります。条文が定める最短の間隔と、この標準的な時期はきれいに対応しています。生後2か月から始めれば、3回目は1歳の誕生日までに余裕をもって終わる形です。
生後2か月からは、5種混合や小児用肺炎球菌など他の定期接種も同時に始まります。5種混合ワクチンの回数と間隔もあわせてご覧ください。
対象期間の終わりは1歳の誕生日の前日です。条文の間隔だけを使って最短の日数を並べると、次のようになります。
| 1回目を受ける時期 | 3回目を受けられる最も早い時期 |
|---|---|
| 生後2か月ごろ | 生後およそ6か月半以降 |
| 生後5か月ごろ | 生後およそ9か月半以降 |
| 生後7か月ごろ | 生後およそ11か月半以降 |
「1回目から139日以上」という条件がある以上、1回目が遅れた分だけ、3回目が1歳の誕生日に近づきます。これは条文上の日数を並べた話で、遅れているときにどう組み直すかは個別の判断になります。開始が遅れている場合は、母子健康手帳の接種記録を持って、市町村の予防接種担当窓口またはかかりつけ医にご相談ください。
予防接種法施行規則第2条は、定期接種の対象者から除かれる者を列挙しています。B型肝炎については第7号で、「HBs抗原陽性の者の胎内又は産道においてB型肝炎ウイルスに感染したおそれのある者であって、抗HBs人免疫グロブリンの投与に併せて組換え沈降B型肝炎ワクチンの投与を受けたことのある者」と定められています。
つまり、母子感染を防ぐ目的ですでにB型肝炎ワクチンの投与を受けている場合は、同じワクチンを定期接種として重ねて受ける対象にはならないという整理です。この場合の接種は、定期接種とは別の枠組みで行われます。
該当するかどうかは出生時の経過で決まります。母子健康手帳の記録を持って、出産した医療機関またはかかりつけ医にご確認ください。
予防接種法施行令第3条第2項は、長期にわたり療養を必要とする疾病にかかったことなど特別の事情により定期の予防接種を受けることができなかったと認められる場合に、その事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間、引き続き定期接種の対象とする仕組みを定めています。
この場合のB型肝炎の接種方法は、予防接種実施規則第20条第2項が開始時の年齢で分けて定めています。
| 予防接種の開始時 | 接種量 |
|---|---|
| 1歳以上10歳未満 | 毎回0.25mL(2回目以降の開始時に10歳以上のときは0.5mL) |
| 10歳以上 | 毎回0.5mL |
27日以上・139日以上という間隔は、この場合も変わりません。特例に当たるかどうかを判断するのは市町村です。当てはまりそうなときは、まず市町村の予防接種担当窓口にご相談ください。
定期接種は予防接種法にもとづいて市町村が実施するため、定められた対象期間内に市町村の案内に沿って受ける場合は、自己負担なしで受けられるのが一般的です。1歳の誕生日を過ぎてから受ける場合は任意接種の扱いとなり、全額自己負担になることがあります。費用の枠組みは子どもの予防接種の費用で整理しています。
接種できる医療機関は市町村が指定していることが多く、案内や自治体のサイトに一覧が掲載されます。0歳のうちは受けるワクチンが重なるため、記録が一か所にまとまるようかかりつけの小児科を決めておくと管理しやすくなります。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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