産休はいつから?産休開始日の数え方と産前42日・産後56日(労働基準法65条)
産休開始日は、出産予定日を1日目として遡って42日目(多胎妊娠は98日目)です。労働基準法65条は産前6週間・多胎14週間、産後8週間と定めています。日数の数え方、予定日とずれたときの扱い、雇用形態による違い、産休前に済ませておくことを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
産休と年次有給休暇の関係は、時期によって扱いが分かれます。条文と厚生労働省の資料で確認できる範囲を表にしました。
| 時期 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 産前休業を請求する前 | 通常の労働日なので、年休を請求できる | 労働基準法39条5項 |
| 産前休業の請求後 | 使用者は就業させてはならない | 同法65条1項 |
| 産後8週間 | 就業させてはならない(産後6週を過ぎた後の例外あり) | 同法65条2項 |
| 年休の出勤率の算定 | 産前産後に休業した期間は、出勤したものとみなす | 同法39条10項 |
産前休業の請求後と産後休業中に年休をどう扱うかを、産休について直接書いた厚生労働省の通達は、確認した範囲では見当たりませんでした。育児休業については通達があり、後の節で紹介します。
労働基準法65条は、産前と産後で性質の違う2つの定めを置いています。
厚生労働省の母性健康管理サイトも、産前休業は請求すれば取得でき、産後は出産日の翌日から8週間は就業できないと説明しています。このサイトには、年次有給休暇についての記載は見当たりません。日数の数え方は産休はいつから?で整理しています。
産前休業は請求して初めて始まります。請求していない期間は通常の労働日なので、年休の要件を満たしていれば、労働基準法39条5項により、使用者は労働者が請求する時季に年休を与えなければなりません。ただし、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができます。
産休に入る前に年休を使う場合は、次の点を決めておくと進めやすくなります。
年休を産前休業の期間に充てられるかどうかは、会社の取扱いで変わる可能性があります。就業規則を確認し、人事・労務の担当に聞いてください。
厚生労働省の通達「育児休業制度の労働基準法上の取扱いについて」(平成3年12月20日基発第712号)は、年次有給休暇について次の考え方を示しています。
この通達は育児休業についてのものです。産前産後休業について同じことを書いた通達は、確認した範囲では見当たりません。産後8週間は法律上就業させてはならない期間なので、年休を充てられるかどうかは、会社の取扱いも含めて確認してください。育休の期間と延長は育休はいつまで取れるかで解説しています。
年休が発生する条件には、全労働日の8割以上出勤することがあります(39条1項)。労働基準法39条10項は、次の期間を出勤したものとみなすと定めています。
厚生労働省の鹿児島労働局のQ&Aも、産前産後の休業や育児休業を欠勤扱いにはできないと説明しています。休業したことだけを理由に、年休の出勤率で不利に扱われることはありません。
出産手当金は、産前産後の休業中に報酬が出ない人のための給付です。健康保険法108条2項は、出産した場合に報酬の全部または一部を受けることができる人には、受けることができる期間は出産手当金を支給しないと定めています。ただし、受けることができる報酬の額が出産手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。
年休を使った日は、労働基準法39条9項により賃金が支払われます。産前休業の期間に年休で賃金を受ける日があれば、その日は出産手当金が調整される可能性があります。年休の賃金が調整の対象になるかを名指しした条文は、確認した範囲では見当たりません。実際の扱いは、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に確認するのが確実です。
出産手当金の仕組みと申請は出産手当金で説明しています。
年休の取扱いは、まず会社の就業規則と人事・労務の担当で確認します。会社の対応に疑問があるときは、都道府県労働局や労働基準監督署に相談できます。産休中・育休中の社会保険料や税金は産休・育休中の社会保険料と税金、給付金は育児休業給付金を参考にしてください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
産休開始日は、出産予定日を1日目として遡って42日目(多胎妊娠は98日目)です。労働基準法65条は産前6週間・多胎14週間、産後8週間と定めています。日数の数え方、予定日とずれたときの扱い、雇用形態による違い、産休前に済ませておくことを整理しました。
出産手当金の支給要件は健康保険法第102条に定められ、被保険者本人が出産し、産前42日から産後56日までの間に仕事を休んだことが条件です。給与が出た日の差額支給(第108条)、退職後の継続給付(第104条)、時効2年(第193条)まで条文で整理しました。
育児休業は原則として子が1歳に達する日までで、保育所等に入れないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できます(育児・介護休業法第5条)。延長の申し出の期限と、2025年4月からの給付金の手続き変更までを整理しました。