無痛分娩を考えたら、新潟県でどう探すか|実施率4.4%・実施施設2の読み方

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

新潟県の無痛分娩は、2023年9月の実績で4.4%、実施施設は2でした。全国で増えた3年間に、県内では割合が6.0%から下がっています。ただし施設数は1か月の実績で、対応施設の総数ではありません。数字の読み方と、現実的な探し方・選択肢を整理します。

実施率4.4%。全国の流れと逆に、3年で下がった

厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に新潟県内で行われた分娩は1,028件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は45件でした。割合は4.4%で、全国平均13.8%の3分の1以下です。都道府県では35位にあたります。

項目新潟県全国
分娩件数(2023年9月)1,028件59,026件
うち無痛分娩(帝王切開を除く)45件8,140件
無痛分娩の割合4.4%13.8%
無痛分娩を実施した施設数2施設602施設

同じ調査で見た長野県は3.1%、福島県は4.1%で、新潟県は東北・甲信越のなかでも低い側に並びます。詳しくはデータで見る無痛分娩と新潟県の出産・子育てデータをご覧ください。

2020年は6.0%。全国が伸びるなかで1.6ポイント下がった

この3年で全国の無痛分娩は8.6%から13.8%へ、5.2ポイント増えました。同じ期間の新潟県は6.0%から4.4%へ、1.6ポイント下がっています。伸び幅の順位は47都道府県のうち42位です。

項目2020年9月2023年9月
無痛分娩の割合6.0%4.4%
無痛分娩の件数73件45件
実施した施設数3施設2施設

全国で無痛分娩が広がった3年に、新潟県では割合・件数・施設数がそろって下がりました。「全国的に増えているから選びやすくなっているはず」とは言いにくい県です。

なお、これは1か月分の数字です。件数が小さい県は月ごとの変動が大きく、2023年9月に実施がなかった施設が別の月には対応していた、ということも起こりえます。

「実施施設2」は、2施設しかないという意味ではない

調査の「実施施設2」は、2023年9月の1か月間に、実際に無痛分娩を行った施設の数です。県内で無痛分娩に対応している施設が2つしかない、という意味ではありません。月に数件しか扱わない施設や、希望者がいなければ実施しない施設は、その月の数字に現れないことがあります。

一方で、実施の内訳は病院10件(22.2%)、診療所35件(77.8%)で、診療所が中心でした。当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報を集計したところ(2026年9月時点)、新潟県で出産なびに掲載されている病院・診療所は34施設(病院18・診療所16)です。この34は調査の「分娩取扱施設数」とは定義が違う数字ですが、分娩できる施設はあっても、無痛分娩の実績が見える施設は限られるという構図は読み取れます。

新潟市に4割。長岡・上越・新発田で事情が変わる

同じ集計で、出産なびに掲載されている県内34施設のうち、新潟市が14施設(41.2%)です。次いで長岡市4施設(11.8%)、上越市4施設(11.8%)、新発田市3施設、三条市2施設、糸魚川市・柏崎市・小千谷市が各1施設と続きます。

新潟県は南北に長く、住んでいる地域で通える施設がかなり変わります。

  • 新潟市とその周辺 — 県内で最も候補を並べやすい地域です。ただし対応の有無・方式は施設ごとに異なります
  • 長岡市・三条市など中越 — 市内の施設数は多くないため、候補を早めに絞って確認します
  • 上越市・糸魚川市など上越 — 新潟市までは距離があり、通える範囲の施設がそのまま選択肢になります
  • 新発田市など下越北部 — 新潟市まで通うか、市内の施設で探すかの二択になりやすい地域です

通える範囲にどの施設があるかは新潟県の産婦人科を探すページで確認できます。

確認の順番と、電話で聞くこと

選択肢が見えにくい地域では、早い段階で「ある/ない」をはっきりさせるほうが、結果的に選べる幅が広がります。主な情報源は次の3つです。

  • JALAの「全国無痛分娩施設検索」 — 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)のサイトで、情報公開に取り組む施設が無痛分娩の件数や麻酔を担当する医師の体制を公開しています。掲載は施設側の取り組みによるもので、載っていない施設が実施していないとは限りません
  • 厚生労働省「出産なび」 — 施設ごとの出産費用やサービスの情報が公開されています
  • 施設の公式サイト — 実施の有無・方式・追加費用が案内されていることが多くあります

電話では、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切、そして月にどのくらいの件数を扱っているかを確認します。医学的なことは分娩予定の施設やかかりつけ医にご相談ください。全体の探し方は無痛分娩ができる施設が見つからないときにもまとめています。

県内で見つからないときの選択肢

通える範囲に対応施設がない場合、現実的な選択肢は次のように整理できます。

  • 新潟市まで通えるかを検討する — 健診は近隣の施設、分娩は新潟市内という形をとれる場合があります。仕組みとしてはセミオープンシステムに近い運用です。可否は施設ごとに異なるため要確認です
  • 里帰り出産という形をとる — 実家が対応施設のある地域にあるなら選択肢になります(里帰り出産の時期と転院)。転院や予約の締切が早い施設もあるため、時期は早めに確認します
  • 隣接県を含めて探す — 上越など県境に近い地域では、隣の県の施設のほうが近いことがあります。割合は長野県3.1%、福島県4.1%と低めですが、実施施設は県境をまたいで探せます
  • まず分娩できる施設を確保することを優先する — 分娩施設そのものが近くにない地域もあります(分娩施設が近くにない地域の産院選び)

費用の目安と、阿賀町の助成制度

無痛分娩の費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られます。出産育児一時金(原則50万円)は全国共通で使えます。

助成制度については、当サイトが2026年10月に確認した範囲で、新潟県内に阿賀町(東蒲原郡)の無痛分娩費用助成がありました。町の公式ページによると、対象は無痛分娩を実施した日に阿賀町内に住所があり、医療保険の被保険者または被扶養者で、町税等に滞納がない人です。助成は「1回の出産につき、10万円を限度」とされ、申請は出産した日の翌日から6か月以内です(ページの更新日は2025年5月15日、問い合わせ先は阿賀町役場こども・健康推進課)。案内ページには令和7年4月からとする資料が添付されており、2025年度に始まった制度とみられます。

新潟市については、妊産婦の医療費助成の案内は確認できましたが、無痛分娩の費用そのものを対象とする助成は見当たりませんでした。ほかの市町村も、当サイトの確認範囲では見つかっていません。制度は年度替わりに新設・変更されることがあるため、お住まいの市町村の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新の情報をご確認ください。調べ方の手順は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。

新潟県で探すときの手順

まとめると次の順番です。

  1. 新潟県の産婦人科を探すページで、通える範囲の分娩取扱施設を把握する
  2. JALAの施設検索と公式サイトで、無痛分娩への対応を確認する。載っていなくても、実施していないと決めつけない
  3. 候補施設に電話で方式・費用・月あたりの件数・予約状況を確認する
  4. 通える範囲で見つからない場合は、新潟市への通院、里帰り、隣接県も含めて検討する
  5. 希望が固まったら分娩予約は早めに動く

新潟県は、無痛分娩について「実施の実績が見えにくい県」です。だからこそ、早い段階で「ある/ない」をはっきりさせておくと、その後の判断がしやすくなります。いまが妊娠何週かは出産予定日・妊娠週数の計算で確認できます。

よくある質問

新潟県の無痛分娩の実施率はどのくらいですか?
2023年9月の1か月間の調査で4.4%です。全国平均13.8%の3分の1以下で、都道府県では35位でした。2020年は6.0%だったので、3年間で1.6ポイント下がっています。
新潟県で無痛分娩ができる施設は2つだけですか?
そうとは言えません。調査の2施設は、2023年9月の1か月間に無痛分娩を実施した施設の数です。月に数件の施設や、その月に希望者がいなかった施設は数字に現れません。現在の対応状況は施設ごとに変わるため、JALAの施設検索や各施設の公式サイト、電話でご確認ください。
新潟市以外でも無痛分娩はできますか?
当サイトの集計では、出産なびに掲載されている県内34施設のうち14施設(41.2%)が新潟市にあります。長岡市・上越市・新発田市などにも施設はありますが、無痛分娩に対応しているかは施設ごとに異なります。通える範囲の施設を一覧で確認したうえで、個別に問い合わせるのが確実です。
新潟県に無痛分娩の助成制度はありますか?
当サイトが2026年10月に確認した範囲では、阿賀町が無痛分娩費用を1回の出産につき10万円を限度に助成しています(町内に住所があるなどの条件あり、申請は出産翌日から6か月以内)。新潟市など、ほかの市町村では無痛分娩費用そのものの助成は見当たりませんでした。制度は変わることがあるため、お住まいの市町村の窓口でご確認ください。
通える範囲に対応施設がない場合はどうすればよいですか?
新潟市の施設まで通えるか、里帰り出産という形をとれるか、隣接県を含めて探すか、といった選択肢があります。上越など県境に近い地域では隣県の施設が近いこともあります。どれも早く動くほど選べる幅が広がります。分娩施設そのものが近くにない地域では、まず分娩できる施設を確保することを優先してください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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