無痛分娩を考えたら、京都府でどう探すか|実施率9.6%と京都市への集中

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

京都府で無痛分娩を考えるとき、知っておいたほうがよいのは「全国平均より少なく、この3年でもあまり増えていない」という事実です。厚生労働省の調査と当サイトの集計をもとに、府内の実施状況、京都市への集中、そのうえで現実的にどう探すかを整理します。

実施率9.6%。全国平均13.8%を下回る

厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に京都府内で行われた分娩は1,068件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は103件でした。割合は9.6%で、全国平均の13.8%を下回ります。都道府県では20位です。

項目京都府全国
分娩件数(2023年9月)1,068件59,026件
うち無痛分娩(帝王切開を除く)103件8,140件
無痛分娩の割合9.6%13.8%
無痛分娩を実施した施設数15施設602施設

2020年は8.0%(102件・11施設)でしたので、3年での伸びは1.6ポイントにとどまります。全国平均が5.2ポイント伸びるなかでの1.6ポイントで、伸び幅は都道府県で32位です。件数も102件から103件とほぼ横ばいでした。詳しくはデータで見る無痛分娩京都府の出産・子育てデータをご覧ください。

分娩取扱施設の54%が京都市に集まっている

当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報を集計したところ(2026年8月集計)、京都府の分娩取扱施設50のうち、京都市が27施設(54.0%)と半分以上を占めます。次いで舞鶴市3施設、宇治市3施設、木津川市2施設、福知山市2施設、長岡京市2施設と続きます。

京都府は南北に長く、府北部(丹後・中丹)と府南部(山城)では通える施設がまったく異なります。無痛分娩の実施施設が15しかないなかで、その多くが京都市内にあると考えられるため、府北部では選択肢が限られます。まず京都府の産婦人科を探すページで、通える範囲にどの施設があるかを確認するところから始めてください。

実施の内訳は病院63件(61.2%)、診療所40件で、病院寄りです。地域のクリニックだけでなく病院の産科も候補に入れる意味があります。

「少ない」を前提にした探し方

実施率が全国平均を下回る地域では、選択肢を早く把握することがそのまま結果を左右します。主な情報源は次の3つです。

  • JALAの「全国無痛分娩施設検索」 — 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)のサイトで、情報公開に取り組む施設が無痛分娩の件数や麻酔を担当する医師の体制を公開しています。掲載は施設側の取り組みによるもので、載っていない施設が実施していないとは限りません
  • 厚生労働省「出産なび」 — 施設ごとの出産費用やサービスの情報が公開されています
  • 施設の公式サイト — 実施の有無・方式・追加費用が案内されていることが多くあります

電話では、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切を確認します。実施件数が少ない地域では「対応はしているが枠が限られる」ことがあるため、月に何件くらいかを聞いておくと見通しが立ちます。医学的なことは分娩予定の施設やかかりつけ医にご相談ください。

府内で見つからないときに考えること

京都府北部などで通える範囲に対応施設がない場合、選択肢は次のように整理できます。

  • 隣接府県を含めて探す — 大阪府(大阪府の状況)や滋賀県・兵庫県の施設が通える距離にあるかを確認する。里帰り出産という形をとることもできます(里帰り出産の時期と転院
  • 無痛分娩以外の痛みへの対応を確認する — 施設によって、分娩中の過ごし方や和痛の考え方は異なります
  • まず分娩できる施設を確保する — 分娩施設そのものが近くにない地域もあります(分娩施設が近くにない地域の産院選び

どれを選ぶかは、通える距離・家族の状況・費用によって変わります。判断の材料を集める順番は無痛分娩ができる施設が見つからないときにまとめています。

費用の目安と、助成制度の調べ方

無痛分娩の費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られます。出産育児一時金(原則50万円)は全国共通で使えます。

京都府内で無痛分娩費用を助成している市町村は、当サイトが2026年8月に確認した範囲では見当たりませんでした。助成制度は年度替わりに新設されることがあるため、お住まいの市町村の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新の情報をご確認ください。調べ方の手順は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。

京都府で探すときの手順

まとめると次の順番です。

  1. 京都府の産婦人科を探すページで、通える範囲の分娩取扱施設を把握する。病院も候補に入れる
  2. JALAの施設検索と公式サイトで、無痛分娩への対応を確認する
  3. 候補施設に電話で方式・費用・月あたりの件数・予約状況を確認する
  4. 府内で見つからない場合は、隣接府県や里帰り出産も含めて検討する
  5. 希望が固まったら分娩予約は早めに動く

京都府は、無痛分娩に関しては選択肢が多い地域とは言えません。だからこそ、早い段階で「ある/ない」をはっきりさせておくと、その後の判断がしやすくなります。いまが妊娠何週で、11週がいつにあたるかは出産予定日・妊娠週数の計算で確認できます。

よくある質問

京都府の無痛分娩の実施率はどのくらいですか?
2023年9月の1か月間の調査で9.6%です。全国平均の13.8%を下回り、都道府県では20位でした。2020年は8.0%で、3年間の伸びは1.6ポイントにとどまっています。
京都府で無痛分娩ができる施設は何か所ありますか?
厚生労働省の調査で、2023年9月に無痛分娩を実施した施設は府内で15でした。分娩取扱施設50のうちの15にあたります。現在の対応状況は施設ごとに変わるため、JALAの施設検索や各施設の公式サイトでご確認ください。
京都市以外でも無痛分娩はできますか?
当サイトの集計では、府内の分娩取扱施設50のうち27施設(54.0%)が京都市にあります。宇治市・長岡京市・木津川市など府南部や、舞鶴市・福知山市など府北部にも施設はありますが、無痛分娩に対応しているかは施設ごとに異なります。通える範囲の施設を一覧で確認したうえで、個別に問い合わせるのが確実です。
京都府に無痛分娩の助成制度はありますか?
当サイトが2026年8月に確認した範囲では、京都府内で無痛分娩費用を助成している市町村は見当たりませんでした。制度は新設されることがあるため、お住まいの市町村の窓口でご確認ください。
府内で見つからない場合はどうすればよいですか?
隣接する大阪府・滋賀県・兵庫県を含めて探す、里帰り出産という形をとる、無痛分娩以外の痛みへの対応を施設に確認する、といった選択肢があります。通える距離と家族の状況によって現実的な答えは変わるため、早めに候補を出して比べられる状態を作っておくことが役立ちます。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

あわせて読みたい

無痛分娩の割合は13.8%|都道府県で4倍近い差がある

無痛分娩の実施率は2020年の8.6%から2023年に13.8%へ増えました。ただし都道府県別に見ると最高と最低で4倍近い差があります。公的統計にもとづく地域差の実態と、その差が何によって生まれているのかを整理しました。

無痛分娩ができる施設が見つからないとき|3つの現実的な選択肢

無痛分娩を希望しても、通える範囲に対応施設がないことがあります。実施率の地域差の実態と、対応施設が見つからない場合に取りうる3つの選択肢、判断のために確認すべきことを整理しました。

無痛分娩を考えたら、大阪府でどう探すか|実施率12.3%と対応施設の調べ方

大阪府の無痛分娩の割合は12.3%で、全国平均13.8%をやや下回ります。2023年9月に実施した施設は40。政府統計の実数と施設分布の特徴、JALAなどを使った対応施設の探し方、費用と助成の現状を整理しました。

分娩施設が近くにない地域の産院選び|全国の58.8%が空白地帯

全国1,892市区町村のうち1,113(58.8%)に分娩施設がありません。そこで生まれる子どもは年間9万7千人、全体の13.7%です。当サイトの独自集計にもとづき、分娩施設が遠い地域での産院の選び方と備えを整理しました。