無痛分娩を考えたら、神奈川県でどう探すか|実施率22.4%と横浜・川崎への集中

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

神奈川県の無痛分娩の割合は22.4%で全国4番目に高く、件数は東京都に次ぐ規模ですが、分娩施設の半数超は横浜市・川崎市に集まっています。この記事では、政府統計と当サイト集計をもとに、施設の探し方、東京都内の施設に通う場合の注意点、費用・助成の現状を整理します。

実施率22.4%は全国4番目。件数は東京都に次ぐ

厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に神奈川県内で行われた分娩は3,697件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は828件でした。割合は22.4%で、東京都(24.9%)・千葉県(24.2%)・熊本県(22.7%)に次ぐ全国4番目の高さです。全国平均は13.8%です。

項目神奈川県全国
分娩件数(2023年9月)3,697件59,026件
うち無痛分娩(帝王切開を除く)828件8,140件
無痛分娩の割合22.4%13.8%
無痛分娩を実施した施設数46施設602施設

件数の828件は東京都(1,819件)に次いで全国2番目で、東京・神奈川・千葉の3都県だけで全国の無痛分娩の40.5%を占めます。2020年調査の15.0%から7.4ポイント上がっており、増え方も速い地域です。調査は3年ごとで、件数は9月の1か月分です。詳しくはデータで見る無痛分娩神奈川県の出産・子育てデータをご覧ください。

分娩取扱施設の半数超が横浜市・川崎市に

当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報を集計したところ(2026年8月集計)、神奈川県の分娩取扱施設126のうち、横浜市が51施設、川崎市が17施設で、2市あわせて54.0%を占めます。相模原市の13施設を加えると、3つの政令市で6割を超えます。

裏を返すと、県央・県西・三浦半島などでは施設の数そのものが限られます。無痛分娩への対応は施設ごとに異なるため、地域によっては候補が絞られる可能性があります。分娩施設までの距離の問題は産科空白地帯マップで市区町村ごとに確認できます。

対応施設の探し方

無痛分娩に対応する施設を探す情報源は、主に次の3つです。

  • JALAの「全国無痛分娩施設検索」 — 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)のサイトで、情報公開に取り組む施設が無痛分娩件数や麻酔を担当する医師の体制を公開しています。掲載は施設側の取り組みによるもので、載っていない施設が実施していないとは限りません
  • 厚生労働省「出産なび」 — 施設ごとの出産費用やサービスの情報が公開されています
  • 当サイトの神奈川県の産婦人科を探すページ — 市区町村ごとに分娩取扱施設を確認できます

候補が決まったら、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切を電話で確認します。対応の可否や麻酔の方法など医学的なことは、分娩予定の施設やかかりつけ医に相談してください。

東京都内の施設に通うという選択肢と注意点

川崎市や横浜市北部など東京に近い地域では、都内の施設も通える範囲に入ることがあります。東京都内では2023年9月に85施設が無痛分娩を実施しており、選択肢を広げる意味はあります。ただし次の点に注意してください。

  • 東京都の費用助成(上限10万円)は対象外です — 助成の対象は、都内の自治体で妊娠届出をして申請日まで都内に住民登録がある方に限られます。神奈川県在住のまま都内の施設で出産しても対象になりません
  • 妊婦健診の補助券が県外の施設ではそのまま使えない場合があります — 償還払いの手続きが必要になることがあるため、お住まいの自治体に確認してください
  • 通院の負担 — 妊婦健診は出産が近づくと週1回になり、陣痛が始まってからの移動もあります。距離は現実的な制約として織り込んでください

里帰り出産を予定している場合は、里帰り先で対応施設を探す方法もあります。考え方は無痛分娩ができる施設が見つからないときで整理しています。

費用の目安と助成の現状

無痛分娩の費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られます。統一基準はないため、施設ごとに確認してください。

神奈川県として無痛分娩に特化した助成は、2026年8月時点で確認できていません。一方、横浜市には出産費用全般を対象にした「出産費用助成金」(子ども1人につき最大9万円。健康保険の付加給付がある場合はその額を差し引き)があります。無痛分娩に特化した制度ではありませんが、費用の計画には関わります。市町村の制度は年度で変わるため、お住まいの自治体の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新情報を確認してください。出産育児一時金など全国共通の制度とあわせた調べ方は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。

神奈川県で探すときの手順

まとめると次の順番です。

  • 神奈川県の産婦人科を探すページで、通える範囲の分娩取扱施設を把握する
  • JALAの施設検索と公式サイトで、無痛分娩への対応を確認する
  • 東京都内の施設を含める場合は、助成の対象外であることと通院負担を織り込む
  • 候補施設に電話で方式・費用・予約状況を確認し、希望が固まったら分娩予約は早めに動く

神奈川県は実施率・件数とも全国上位で、数字の上では選択肢の多い地域です。ただし施設の分布には偏りがあるため、県内のどこに住んでいるかで状況が大きく変わります。まずは通える範囲の把握から始めてください。

よくある質問

神奈川県の無痛分娩の実施率はどのくらいですか?
22.4%です(厚生労働省の医療施設調査・2023年9月の1か月分)。全国平均の13.8%を大きく上回り、都道府県では東京・千葉・熊本に次ぐ4番目です。
横浜市・川崎市以外に対応施設はありますか?
2023年9月に県内で無痛分娩を実施した施設は46あります。分娩取扱施設は相模原市など他の地域にも分布しています。個々の施設の対応は、JALAの施設検索や施設への直接確認で調べてください。
神奈川県在住で東京都内の施設で出産した場合、東京都の助成は受けられますか?
受けられません。東京都の助成は、都内の自治体で妊娠届出をして、申請日まで都内に住民登録がある方が対象です。
神奈川県に無痛分娩の助成制度はありますか?
県単位の無痛分娩に特化した助成は2026年8月時点で確認できていません。横浜市には出産費用全般を対象にした最大9万円の助成があります。最新情報はお住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。
無痛分娩ができるかどうかは誰に相談すればよいですか?
対応の可否や方法は施設の体制と個別の事情によります。分娩予定の施設やかかりつけ医に直接ご相談ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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