無痛分娩を考えたら、東京都でどう探すか|助成最大10万円と対象施設の調べ方

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

東京都の無痛分娩の割合は24.9%と47都道府県で最も高く、2025年10月からは都道府県で初めての費用助成(上限10万円)も始まりました。この記事では、政府統計の実数と助成の条件、対応施設の探し方・確認のポイントを整理します。

東京都の無痛分娩の割合は24.9%で全国で最も高い

厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に東京都内で行われた分娩は7,292件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は1,819件でした。割合にすると24.9%で、47都道府県で最も高い水準です。全国平均の13.8%を大きく上回り、およそ4人に1人が無痛分娩という計算になります。

項目東京都全国
分娩件数(2023年9月)7,292件59,026件
うち無痛分娩(帝王切開を除く)1,819件8,140件
無痛分娩の割合24.9%13.8%
無痛分娩を実施した施設数85施設602施設

2020年の同じ調査では21.4%だったため、3年で3.5ポイント上がりました。東京都の無痛分娩件数は全国の22.3%を占めます。なお、この調査は3年ごとに行われ、件数は9月の1か月分です。都道府県別の詳しい数値はデータで見る無痛分娩に掲載しています。

2025年10月に始まった費用助成(上限10万円)

東京都は2025年10月1日以降の出産を対象に、都道府県として全国で初めて無痛分娩費用の助成を始めました。主な内容は次のとおりです。

  • 助成額 — 無痛分娩に係る医療行為の費用(麻酔の手技料・管理料、薬剤費など)が対象で、上限10万円。室料差額・食事料など医療行為に直接関係しない費用は対象外です
  • 対象者 — 都内の自治体で妊娠届出をして母子健康手帳の交付を受け、申請日まで継続して都内に住民登録がある方
  • 対象となる出産 — 都が公表する「対象医療機関」で、硬膜外麻酔(または脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)による無痛分娩をした場合
  • 申請 — 電子申請のみ。期限は出産日の翌日から1年以内で、領収書・明細書が必要です

金額や条件は変わる可能性があるため、申請の前に必ず東京都福祉局の公式ページで最新の情報を確認してください。助成制度の一般的な調べ方は無痛分娩の助成金・補助金で整理しています。

都の「対象医療機関リスト」が探す入口になる

この助成には、都が公表する対象医療機関の一覧があります。助成を受ける前提で施設を選ぶなら、まずこの一覧に載っているかどうかが確認事項になります。一覧は随時更新されるため、東京都福祉局のページで最新版を確認してください。

あわせて使えるのが、無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)の「全国無痛分娩施設検索」です。情報公開に取り組む施設が、分娩件数や無痛分娩件数、麻酔を担当する医師の体制などを施設ごとに公開しています。掲載は施設側の取り組みによるもので、載っていない施設が実施していないとは限りません。

また、厚生労働省「出産なび」では施設ごとの出産費用やサービスの情報が公開されています。地域の分娩取扱施設を面で把握するには、東京都の産婦人科を探すページをご利用ください。

公式サイトと電話で確認しておきたいこと

候補の施設が決まったら、公式サイトを見たうえで、次の点を電話などで直接確認しておくと行き違いを防げます。

  • 無痛分娩に対応しているか。日程を決めて行う計画無痛分娩のみか、陣痛が始まってからも対応するか計画無痛分娩の流れ
  • 初産・経産で条件が異なるか
  • 追加費用の金額と、支払いのタイミング
  • 分娩予約の空き状況と、予約の締切
  • 都の助成の対象医療機関かどうか

自分が無痛分娩を選べるかどうかや麻酔の方法といった医学的なことは、この記事では扱いません。必ず分娩予定の施設やかかりつけ医に相談してください。

費用の目安と使える制度

無痛分娩の費用は、通常の分娩費用への追加分として支払う形が一般的で、金額は施設によって幅があります。数万円から十数万円程度を設定している施設が多く見られますが、統一された基準はありません。具体的な金額は施設の公式サイトか窓口で確認してください。

費用の計画では、次の制度をあわせて確認します。

  • 出産育児一時金 — 加入している健康保険から原則50万円が支給されます
  • 都の無痛分娩費用助成 — 上限10万円。出産後の申請のため、窓口での支払いは一度発生します
  • 妊婦健診の補助券 — 妊娠届出の際に自治体から交付されます

無痛分娩そのものの仕組みや費用の考え方は無痛分娩とはで整理しています。

東京都で探すときの手順

まとめると、東京都で無痛分娩ができる施設を探す手順は次のようになります。

  • 東京都の産婦人科を探すページで、通える範囲の分娩取扱施設を把握する
  • 都の対象医療機関リストとJALAの施設検索で、無痛分娩への対応と体制を確認する
  • 候補施設の公式サイトを確認し、電話で運用と費用、予約状況を聞く
  • 希望がはっきりしているなら、分娩予約は早めに動く

実施率が全国で最も高い東京都でも、施設ごとに運用や費用は大きく異なります。数字の上で選択肢が多い地域だからこそ、比較して選べるのが東京都の特徴です。東京都内の出産費用や施設の状況は東京都の出産・子育てデータでも確認できます。

よくある質問

東京都の無痛分娩費用助成はいつの出産から対象ですか?
2025年(令和7年)10月1日以降の出産が対象です。申請は電子申請のみで、期限は出産日の翌日から1年以内です。条件は変わる可能性があるため、東京都福祉局の公式ページで最新情報を確認してください。
里帰り出産でも東京都の助成は受けられますか?
助成の対象は、都が公表する対象医療機関での無痛分娩です。里帰り先の施設がこの一覧に含まれるかどうかを、東京都福祉局の公式ページで確認してください。都内での妊娠届出や住民登録といった対象者の要件も別途あります。
24.9%という数字はどういう統計ですか?
厚生労働省の医療施設調査(2023年)にもとづく数字で、2023年9月の1か月間の分娩件数のうち、帝王切開を除く無痛分娩が占めた割合です。調査は3年ごとに行われます。
対応している施設はどこで探せますか?
都の対象医療機関リスト、JALAの全国無痛分娩施設検索、厚生労働省の出産なび、当サイトの東京都ページなどで確認できます。掲載情報は時点情報のため、最終的には施設へ直接確認してください。
無痛分娩ができるかどうかは誰に相談すればよいですか?
対応の可否や方法は施設の体制によって異なり、個別の事情も関わります。分娩予定の施設やかかりつけ医に直接相談してください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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