無痛分娩の割合は13.8%|都道府県で4倍近い差がある
無痛分娩の実施率は2020年の8.6%から2023年に13.8%へ増えました。ただし都道府県別に見ると最高と最低で4倍近い差があります。公的統計にもとづく地域差の実態と、その差が何によって生まれているのかを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に兵庫県内で行われた分娩は2,406件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は277件でした。割合は11.5%で、全国平均の13.8%を下回ります。都道府県では17位です。
| 項目 | 兵庫県 | 全国 |
|---|---|---|
| 分娩件数(2023年9月) | 2,406件 | 59,026件 |
| うち無痛分娩(帝王切開を除く) | 277件 | 8,140件 |
| 無痛分娩の割合 | 11.5% | 13.8% |
| 無痛分娩を実施した施設数 | 19施設 | 602施設 |
2020年は7.1%(178件・18施設)でしたので、3年で4.4ポイント上がり、件数は178件から277件へ増えました。伸び幅は都道府県で18位で、全国平均の5.2ポイントにはわずかに届いていません。実施した施設数は18から19とほぼ同じなので、施設が増えたというより、既存の施設での実施が広がった数字です。調査は3年ごとで、件数は9月の1か月分です。詳しくはデータで見る無痛分娩と兵庫県の出産・子育てデータをご覧ください。
兵庫県の無痛分娩277件の内訳は、病院が217件(78.3%)、診療所が60件です。全国は病院52.9%・診療所47.1%とほぼ半々なので、兵庫県は病院での実施に大きく寄った構造だとわかります。
探し方への影響は大きく、診療所(クリニック)だけを候補にすると、実際に無痛分娩が行われている場の多くを見落とすことになります。総合病院や大学病院を含めて候補を見ることが、選択肢を広げます。これはどちらが優れているかという話ではなく、実施件数の分布の話です。病院と診療所で運用が異なる点は、分娩予定の施設に直接確認してください。
兵庫県の東側は大阪府と接し、阪神間(西宮・尼崎・宝塚など)は日常の生活圏が大阪と重なる地域です。無痛分娩の数字を近隣府県と並べると、次のようになります。
| 項目 | 兵庫県 | 大阪府 | 京都府 |
|---|---|---|---|
| 無痛分娩の割合 | 11.5% | 12.3% | 9.6% |
| 無痛分娩の件数 | 277件 | 511件 | 103件 |
| 実施した施設数 | 19施設 | 40施設 | 15施設 |
割合は大阪府と1ポイント足らずの差で、どちらも全国平均を下回ります。一方、件数と実施施設数では大阪府が兵庫県の約2倍近くあります。「兵庫県の施設が少ない」というより、大阪府が大きいという関係です。大阪府側の状況は大阪府の無痛分娩に整理しています。
府県をまたいで探すときは、次の点に注意してください。
当サイトが厚生労働省「出産なび」に掲載されている病院・診療所(助産所を除く)を集計したところ(2026年9月時点の掲載情報)、兵庫県は76施設(病院36・診療所40)でした。市別では神戸市が25施設(32.9%)で最も多く、姫路市9、西宮市8、明石市6、尼崎市5、加古川市3、宝塚市3、高砂市2と続きます。ほかの県では県庁所在地に4〜5割が集まる例もあり、それと比べると兵庫県は分散しています。なお、これは出産なびに掲載された施設の数で、前述の「無痛分娩を実施した施設数」とは数え方が違います。
市区町村ごとの分娩取扱施設は兵庫県の産婦人科を探すページで確認できます。
主な情報源は次の3つです。
電話では、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切を確認します。対応の可否や麻酔の方法など医学的なことは、分娩予定の施設やかかりつけ医に相談してください。
費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られますが、統一基準はなく施設ごとに異なります。助成については、都道府県単位では東京都が2025年10月に始めた制度があり、対象は都内に住民登録がある人です。兵庫県内では、但馬の養父市が「無痛分娩費用助成事業」を実施しています。養父市の公式ページ(2026年5月20日更新)によると、対象は令和8年4月1日以降に無痛分娩により出産した産婦で、市内に住所を有し、かつ引き続き定住する意思があることなどが条件です。助成の上限は10万円(千円未満切捨て)で、対象は医療保険の給付の対象とならない無痛分娩の費用のうち、麻酔手技及び管理料、持続注入手技料、医療材料費、薬剤料などです。申請には申請書兼請求書と医療機関証明書が必要で、窓口は養父市の子育て応援課です。
兵庫県としての助成や、神戸市・姫路市・西宮市・尼崎市・明石市などの公式サイトでは、無痛分娩費用の助成は、当サイトが2026年10月に確認した範囲では見当たりませんでした。ただし県内の市町村すべてを確認できたわけではなく、制度は新設されることがあります。お住まいの市町村の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新の情報をご確認ください。
調べ方の手順は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。
まとめると次の順番です。
兵庫県の実施率11.5%は全国平均より低いものの、件数277は小さくありません。県の数字より、自分の住まいから通える範囲に何があるかを起点に動いてください。見つからない場合は無痛分娩ができる施設が見つからないとき、里帰り出産を考えている場合は里帰り出産の時期と転院をご覧ください。いまが妊娠何週かは出産予定日・妊娠週数の計算で確認できます。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
無痛分娩の実施率は2020年の8.6%から2023年に13.8%へ増えました。ただし都道府県別に見ると最高と最低で4倍近い差があります。公的統計にもとづく地域差の実態と、その差が何によって生まれているのかを整理しました。
無痛分娩を希望しても、通える範囲に対応施設がないことがあります。実施率の地域差の実態と、対応施設が見つからない場合に取りうる3つの選択肢、判断のために確認すべきことを整理しました。
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