無痛分娩ができる施設が見つからないとき|3つの現実的な選択肢
無痛分娩を希望しても、通える範囲に対応施設がないことがあります。実施率の地域差の実態と、対応施設が見つからない場合に取りうる3つの選択肢、判断のために確認すべきことを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
厚生労働省「医療施設調査」(令和5年)をもとに、当サイトが北海道の無痛分娩の実施状況を集計しました。2023年9月の1か月間の実績は次のとおりです。
| 指標 | 北海道 | 全国 |
|---|---|---|
| 分娩件数(9月中) | 2,064件 | 59,026件 |
| 無痛分娩件数(9月中) | 240件 | 8,140件 |
| 無痛分娩の割合 | 11.6% | 13.8% |
| 無痛分娩を実施した施設数 | 16施設 | 602施設 |
無痛分娩は「帝王切開を除く無痛分娩」の件数で、施設数は9月中に実際に実施した施設数です(体制として取り扱う施設数とは定義が異なります)。同じ月に道内で分娩を実施した施設は66でしたので、分娩施設のうち無痛分娩を実施したのはおよそ4分の1という状況です。都道府県別の詳しい数字は無痛分娩の統計データに掲載しています。
同じ調査の2020年と2023年を比べると、全国との違いがはっきりします。
| 2020年 | 2023年 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 全国の無痛分娩割合 | 8.6% | 13.8% | +5.2ポイント |
| 北海道の無痛分娩割合 | 10.9% | 11.6% | +0.7ポイント |
| 北海道の実施施設数(9月中) | 22施設 | 16施設 | 6施設減 |
2020年時点の北海道は全国平均を上回っていました。しかし全国が3年で5.2ポイント伸びる間に、北海道は0.7ポイントにとどまり、9月中に実施した施設数はむしろ減っています。各年9月の1か月分の実績のため数字の変動はありますが、全国的な広がりに道内が追いついていない傾向は読み取れます。
次に分布を見ます。当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報(2026年7月取得)を集計したところ、道内の分娩取扱施設として掲載されているのは73施設で、所在地には偏りがあります。
無痛分娩に対応するのは、この中のさらに一部です。したがって都市部から離れた地域では「通える範囲に対応施設がない」ことが普通に起こります。これは希望の差ではなく体制の分布の問題で、探し方を工夫しても埋まらない場合があることを、まず前提として知っておく必要があります。
北海道では、無痛分娩に限らず出産そのものに移動の問題が伴います。当サイトの分娩施設へのアクセス分析によると、道内188市区町村のうち154(81.9%)には分娩施設がなく、最寄りの分娩施設までの平均距離は25.1km(全国平均12.9km)です。最寄りまで30km以上の市区町村は67あり、全国158の4割超が北海道に集中しています。
無痛分娩を希望すると候補はさらに絞られ、距離が延びる可能性があります。妊娠後期の健診は週1回になるため、次の点をあわせて考えておく必要があります。
北海道で無痛分娩に対応する施設を探す入口は、大きく3つあります。
いずれも公開情報が最新とは限りません。運用の変更や分娩の休止もあるため、候補が絞れたら必ず電話で直接確認してください。
問い合わせの際は、次の5点を確認しておくと、あとから予定が崩れる事態を減らせます。
道内は対応施設が限られるぶん、予約が早く埋まることがあります。分娩予約は約3分の2の人が妊娠11週までに終えているという調査もあり、迷っている間に選択肢が減ることも起こりえます(分娩予約はいつまでに)。通える範囲に対応施設が見つからない場合の考え方は無痛分娩ができる施設が見つからないときで整理しています。医学的な適応やリスクについては、必ず受診先の医師にご相談ください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
無痛分娩を希望しても、通える範囲に対応施設がないことがあります。実施率の地域差の実態と、対応施設が見つからない場合に取りうる3つの選択肢、判断のために確認すべきことを整理しました。
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