北海道で無痛分娩をどう探すか|実施率11.6%・札幌集中の実態と確認の手順

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

北海道の無痛分娩の割合は11.6%(2023年9月・厚生労働省「医療施設調査」から当サイト集計)で、全国の13.8%を下回るうえ、実施施設は札幌など一部の都市に集中しています。この記事では、道内の実施状況を公的データで確認したうえで、広域移動が前提になる地域での考え方、JALA情報公開サイトや出産なびを使った対応施設の探し方、予約前に施設へ確認したい項目を整理します。

北海道の無痛分娩は11.6%(2023年9月)

厚生労働省「医療施設調査」(令和5年)をもとに、当サイトが北海道の無痛分娩の実施状況を集計しました。2023年9月の1か月間の実績は次のとおりです。

指標北海道全国
分娩件数(9月中)2,064件59,026件
無痛分娩件数(9月中)240件8,140件
無痛分娩の割合11.6%13.8%
無痛分娩を実施した施設数16施設602施設

無痛分娩は「帝王切開を除く無痛分娩」の件数で、施設数は9月中に実際に実施した施設数です(体制として取り扱う施設数とは定義が異なります)。同じ月に道内で分娩を実施した施設は66でしたので、分娩施設のうち無痛分娩を実施したのはおよそ4分の1という状況です。都道府県別の詳しい数字は無痛分娩の統計データに掲載しています。

全国は伸びたが、北海道はほぼ横ばい

同じ調査の2020年と2023年を比べると、全国との違いがはっきりします。

2020年2023年増減
全国の無痛分娩割合8.6%13.8%+5.2ポイント
北海道の無痛分娩割合10.9%11.6%+0.7ポイント
北海道の実施施設数(9月中)22施設16施設6施設減

2020年時点の北海道は全国平均を上回っていました。しかし全国が3年で5.2ポイント伸びる間に、北海道は0.7ポイントにとどまり、9月中に実施した施設数はむしろ減っています。各年9月の1か月分の実績のため数字の変動はありますが、全国的な広がりに道内が追いついていない傾向は読み取れます。

施設は札幌など都市部に集中している

次に分布を見ます。当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報(2026年7月取得)を集計したところ、道内の分娩取扱施設として掲載されているのは73施設で、所在地には偏りがあります。

  • 札幌市:30施設(道内の約4割)
  • 旭川市:8施設、函館市:5施設
  • この3市で43施設と、道内の約6割を占めます

無痛分娩に対応するのは、この中のさらに一部です。したがって都市部から離れた地域では「通える範囲に対応施設がない」ことが普通に起こります。これは希望の差ではなく体制の分布の問題で、探し方を工夫しても埋まらない場合があることを、まず前提として知っておく必要があります。

広域移動という北海道特有の前提

北海道では、無痛分娩に限らず出産そのものに移動の問題が伴います。当サイトの分娩施設へのアクセス分析によると、道内188市区町村のうち154(81.9%)には分娩施設がなく、最寄りの分娩施設までの平均距離は25.1km(全国平均12.9km)です。最寄りまで30km以上の市区町村は67あり、全国158の4割超が北海道に集中しています。

無痛分娩を希望すると候補はさらに絞られ、距離が延びる可能性があります。妊娠後期の健診は週1回になるため、次の点をあわせて考えておく必要があります。

対応施設の探し方:3つの入口

北海道で無痛分娩に対応する施設を探す入口は、大きく3つあります。

  • JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)の情報公開サイト — 無痛分娩を取り扱う施設が、麻酔の担当体制などの情報を自主的に公開しているサイトです。地図から施設を検索できます
  • 厚生労働省「出産なび」 — 施設ごとの費用の目安と無痛分娩の実施状況を確認できます
  • 当サイトの北海道ページ北海道の産婦人科一覧で市区町村ごとの分娩取扱施設を、北海道の統計データで地域の状況を確認できます

いずれも公開情報が最新とは限りません。運用の変更や分娩の休止もあるため、候補が絞れたら必ず電話で直接確認してください

予約前に電話で確認する5項目

問い合わせの際は、次の5点を確認しておくと、あとから予定が崩れる事態を減らせます。

  • 24時間対応か、あらかじめ日程を決める計画無痛分娩のみか(計画無痛分娩の流れ
  • 初産でも対応しているか
  • 予定日より前に陣痛が来た場合はどうなるか
  • 追加費用の金額と、実施できなかった場合の扱い
  • 麻酔を担当するのは誰か(体制の確認)

道内は対応施設が限られるぶん、予約が早く埋まることがあります。分娩予約は約3分の2の人が妊娠11週までに終えているという調査もあり、迷っている間に選択肢が減ることも起こりえます(分娩予約はいつまでに)。通える範囲に対応施設が見つからない場合の考え方は無痛分娩ができる施設が見つからないときで整理しています。医学的な適応やリスクについては、必ず受診先の医師にご相談ください。

よくある質問

北海道の無痛分娩の割合はどのくらいですか?
厚生労働省「医療施設調査」をもとにした当サイトの集計では、2023年9月の1か月間で11.6%(分娩2,064件中240件)でした。全国は13.8%です。1か月分の実績のため、年間の割合とは異なる場合があります。
札幌以外でも無痛分娩はできますか?
対応している施設はありますが、数は限られます。JALAの情報公開サイトや出産なびで地域の施設を確認し、最新の対応状況は各施設へ直接お問い合わせください。当サイトでは特定の施設の推薦は行っていません。
無痛分娩の費用の助成はありますか?
2025年以降、東京都など一部の自治体で助成制度が始まっていますが、実施の有無や金額は自治体によって異なります。お住まいの市町村の窓口や公式サイトでご確認ください。
冬の移動が不安です。
積雪期は所要時間が大きく変わるため、移動手段と経路を早めに施設と相談しておくことをおすすめします。分娩施設が遠い地域では、交通費や宿泊費を支援する自治体もあります。母子健康手帳の交付窓口で確認できます。
このデータの出所はどこですか?
無痛分娩の件数・割合は厚生労働省「医療施設調査」(各年9月中の実績)を当サイトが集計したもの、道内の施設分布は厚生労働省「出産なび」の掲載情報(2026年7月取得)の当サイト集計です。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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