出生届の書き方|記入欄ごとのポイントと、出生証明書は医師・助産師が書く(戸籍法49条)

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

出生届の用紙は、左半分が父母の書く出生届、右半分が医師・助産師などの書く出生証明書の一体型です。期限は戸籍法第49条で出生の日から14日以内、届出人は第52条で嫡出子なら父または母です。左半分には子の氏名と振り仮名、生まれたとき、住所、本籍、父母の氏名などを書きます。2025年5月26日以後は、名のフリガナ欄の内容がそのまま戸籍に記載されます。法務省の記載例の注意書きをもとに、記入欄ごとの書き方をまとめました。

出生届は左半分を父母が、右半分を医師・助産師が書く

出生届の用紙は、左半分が「出生届」、右半分が「出生証明書」の一体型です。法務省の出生届のページは、届書用紙は出生証明書と一体になっており、市役所・区役所・町村役場で入手するとしています。添付書類は出生証明書1通で、手数料はかかりません。

左半分は父母(届出人)が書き、右半分は出産に立ち会った医師・助産師などが書きます。戸籍法第49条第3項は、医師、助産師、その他の者の順に、そのうち一人が出生証明書を作成して届書に添付すると定めています。出産した施設で、出生証明書の欄を書いてもらった用紙を受け取る流れが一般的です。

届書の様式は法務大臣が定めることができ(戸籍法第28条)、出生の届書は戸籍法施行規則第59条により附録第11号様式と決まっています。届出は書面のほか口頭でもでき(第27条)、記入に迷ったときは窓口で聞きながら書けます。

戸籍法が決めている期限・届出人・提出先

項目条文の内容
期限第49条第1項。出生の日から14日以内。国外で出生したときは3か月以内
届出をする人第52条第1項。嫡出子は父または母。子の出生前に父母が離婚していた場合は母。同条第2項で、嫡出でない子は母
届出人ができないとき第52条第3項。同居者、次に出産に立ち会った医師・助産師またはその他の者の順。同条第4項で、その者以外の法定代理人も届出ができる
提出先第25条第1項。届出事件の本人の本籍地または届出人の所在地。第51条第1項で、出生地でもできる

法務省の出生届のページも、提出先を「子の出生地・本籍地又は届出人の所在地」の市区町村としています。期限を過ぎても、市町村長は届出を受理しなければなりません(第46条)。ただし正当な理由なく期間内に届出をしない人には、5万円以下の過料の定めがあります(第137条)。遅れそうなときは、先に窓口へ連絡しておくと安心です。

右半分の出生証明書に書かれること

出生証明書に書く事項は、「出生証明書の様式等を定める省令」第1条に9項目が挙げられています。

  1. 子の氏名及び性別
  2. 出生の年月日時分
  3. 出生の場所及びその種別(病院、診療所、助産所で出生したときは名称を含む)
  4. 体重及び身長
  5. 単胎か多胎かの別と、多胎の場合の出産順位
  6. 母の氏名及び妊娠週数
  7. 母の出産した子の数
  8. 出生証明書作成の年月日
  9. 作成した医師・助産師またはその他の立会者の住所及び氏名

これらは作成者が証明する欄なので、父母が自分で埋める必要はありません。法務省の記載例の注意書きでは、体重と身長は立会者が医師・助産師以外でわからなければ書かなくてよいこと、「母の出産した子の数」は母または家族などから聞いて書くことが示されています。夜の12時は「午前0時」、昼の12時は「午後0時」と書きます。

出生証明書を添付できないやむを得ない事由があるときは、添付なしの届出も認められています(第49条第3項ただし書)。具体的にどの場合が当たるかは、確認した範囲では条文にも記載例にも見当たらないため、窓口でご相談ください。

左半分の記入欄ごとの書き方

法務省の記載例(嫡出子の場合)にある注意書きにもとづいて整理します。用紙は鉛筆や消えやすいインキで書かないこと、子が生まれた日から数えて14日以内に出すことが、冒頭に注意されています。

記入欄書き方のポイント
子の氏名・フリガナ常用漢字、人名用漢字、かたかな、ひらがなで書く。名のフリガナ欄には、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められている読み方を書く
父母との続き柄嫡出子・嫡出でない子の別と、男女の別にチェックを入れる
生まれたとき・ところ出生証明書と同じ内容を書く。夜の12時は午前0時、昼の12時は午後0時
住所・世帯主住民登録をするところを書く。世帯主の氏名と、世帯主との続き柄も書く
本籍・筆頭者筆頭者の氏名には戸籍のはじめに記載されている人の氏名を書く。父または母がまだ筆頭者になっていないときは新しい戸籍がつくられるため、希望する本籍を書く
父母の氏名・生年月日子が生まれたときの年齢(満年齢)も書く。外国人のときはローマ字を付記する
同居を始めたとき結婚式をあげたとき、または同居を始めたときのうち早いほうの年月
子が生まれたときの世帯のおもな仕事、父母の職業国勢調査の年の4月1日から翌年3月31日までに子が生まれたときだけ書く。世帯の仕事は、様式に示された1から6の区分から選ぶ
届出人父、母、法定代理人、同居者、医師、助産師、その他の立会者、公設所の長の区分から資格を選び、住所・本籍・生年月日を書いて署名する。押印は任意

「同居を始めたとき」「世帯の仕事」「父母の職業」は、戸籍法第49条第2項第4号にもとづく戸籍法施行規則第55条の事項です。世帯主の氏名と続き柄、父母の出生年月日と出生当時の年齢も同じ条にあります。記載例の注意書きには、届け出られた事項は人口動態調査(厚生労働省所管)にも用いられると書かれています。

子の名に使える字と、2025年5月26日からの振り仮名

子の名には、常用平易な文字を使わなければなりません(戸籍法第50条)。範囲は戸籍法施行規則第60条で、常用漢字表の漢字、別表第三の漢字(いわゆる人名用漢字)、片仮名または平仮名(変体仮名を除く)と定められています。字体や読みの可否を事前に確かめたいときは、届出先の市区町村に問い合わせます。

氏名の振り仮名は、2025年5月26日に施行された改正戸籍法(令和5年法律第48号)で、戸籍の記載事項に加わりました。法務省のQ&Aによれば、制度の開始以後に出生で新たに戸籍が作られる子は、出生届の提出時に併せてフリガナを届け出ることで記載されます。つまり、出生届のフリガナ欄は戸籍に載る内容そのものです。

戸籍法第13条第2項は、振り仮名の読み方を氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものと定めています。施行規則第30条の3は、一般の読み方であることを確認する必要があると市町村長が認めるとき、届出人にその説明を届書に記載させるとし、確認できないときは辞典や書籍などを引用した説明の書面の提出を求めるとしています。振り仮名に使える仮名と記号の範囲は、同規則の別表第二に定められています。

どのような読みが「一般に認められている」のかを、個別の名前について判断した一覧は、確認した範囲では見当たりません。届出前に市区町村へ相談するのが確実です。

書き損じ・不備があったとき

届書の訂正のしかた(二重線や訂正印の要否など)は、確認した範囲では戸籍法にも施行規則にも法務省の記載例の注意書きにも見当たりません。取り扱いは窓口で異なる場合があるため、書き損じたときは新しい用紙をもらうか、窓口の指示に従ってください。注意書きにあるとおり、鉛筆や消えやすいインキは使えません。

届出を受理した後に届書の不備で戸籍の記載ができないときは、市町村長が届出人に追完をさせます(戸籍法第45条)。不備の補い方は、窓口の案内に従います。出生証明書の部分は証明者が作成する欄なので、自分で書き換えず、作成した施設に伝えて直してもらいます。

提出前に確認したいこと

  • 右半分の出生証明書が、医師・助産師などによって記入・署名されている
  • 子の名の字が、常用漢字・人名用漢字・かなの範囲に入っている
  • 名のフリガナが、一般に認められている読みになっている
  • 届出人の資格と署名が書かれている
  • 期限は、生まれた日を含めて14日以内(国外は3か月以内)

出生届の後に必要になる児童手当や健康保険の手続きは、赤ちゃんの保険証と児童手当の現行制度で整理しています。生まれる前に父が認知する手続きは胎児認知とはをご覧ください。

よくある質問

出生届は父と母のどちらが書いても構いませんか?
戸籍法第52条は、嫡出子の出生届を父または母が行うと定めています。どちらが記入して提出しても構いません。嫡出でない子の場合は母が届け出ます。父母ともにできないときは、同居者、出産に立ち会った医師・助産師などの順で届出人になります。
出生証明書は自分で書くのですか?
自分では書きません。戸籍法第49条第3項により、出産に立ち会った医師、助産師、その他の者の順で、そのうちの一人が作成します。出産した施設で記入してもらった用紙を受け取ります。
子の名の振り仮名は、出生届に必ず書くのですか?
法務省のQ&Aによると、2025年5月26日の制度開始以後に出生で新たに戸籍が作られる子は、出生届の提出時にフリガナを届け出ることで記載されます。読み方は、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものが必要です。
出生届に押印は必要ですか?
法務省の記載例には、署名について「押印は任意」と示されています。届出人の署名は戸籍法第29条で必要とされています。窓口で別途求められる持ち物は自治体によって異なるため、提出先にご確認ください。
14日を過ぎたら受け付けてもらえませんか?
期間が過ぎた後の届出でも、市町村長は受理しなければなりません(戸籍法第46条)。ただし、正当な理由なく期間内に届出をしない人には5万円以下の過料の定めがあります(第137条)。遅れる事情があるときは、早めに提出先の窓口へ連絡してください。
里帰り先の市区町村で出生届を出せますか?
戸籍法第51条第1項で、出生地でも出生の届出ができます。法務省の出生届のページも、提出先を出生地・本籍地または届出人の所在地の市区町村としています。児童手当など他の手続きは別の窓口になることがあります。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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