出産後にやることリスト|出生届は14日以内、児童手当は15日以内が分かれ目
出生届は戸籍法で14日以内(国外での出産は3か月以内)と定められています。児童手当は出生日の翌日から15日以内の申請かどうかで支給開始月が変わります。健康保険への加入や乳幼児医療費助成まで、産後の手続きを期限順に整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
従来の健康保険証は、2024年12月2日以降、新たに発行されなくなりました。すでに発行された保険証の有効期限も2025年12月1日で終了しています(厚生労働省、2026年9月確認)。
医療機関・薬局の受付で出すものは、マイナ保険証(健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード)を持っている人は「マイナ保険証」、持っていない人は「資格確認書」と案内されています。
資格確認書は、マイナ保険証を持たない人に、当分の間、無償で、本人の申請によらず、加入先の医療保険者から交付されるとされています。交付の対象には「マイナンバーカードを取得していない方」が含まれます。生まれた直後の赤ちゃんはカードをまだ持っていないため、まず資格確認書を用意する流れになります。
出生後の手続き全体は出産後にやることリストで整理しています。この記事は「保険証(資格確認書)」だけを、条文と厚生労働省の資料で確認します。
赤ちゃんが医療機関で保険診療を受けるまでに、次の手続きがつながっています。
| 手続き | 根拠 | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 出生届 | 戸籍法第49条第1項 | 14日以内(国外での出生は3か月以内) | 市区町村 |
| 被扶養者届(会社員などの健康保険) | 健康保険法施行規則第38条第1項 | 5日以内 | 勤務先(事業主を経由) |
| 国民健康保険の資格取得の届出 | 国民健康保険法第9条第1項、同法施行規則第2条第1項 | 14日以内(世帯主が届出) | 市区町村 |
| マイナンバー(個人番号)の通知 | 番号法第7条第1項 | 条文に届出期限の定めなし | 市区町村から通知 |
| 資格確認書の交付 | 健康保険法施行規則第47条、国民健康保険法施行規則第6条 | 有効期限は5年以内で保険者が定める | 加入先の保険者 |
期限がもっとも短いのは、会社員の被扶養者届の5日以内です。産後すぐに勤務先へ連絡できるよう、出産前に手続きの窓口と必要書類を確認しておくと動きやすくなります。
期限を何日目から数えるかは、書類を出す窓口に確認してください。
被保険者は、被扶養者を有するに至ったときは、5日以内に被扶養者届を、事業主を経由して厚生労働大臣または健康保険組合に提出します(健康保険法施行規則第38条第1項)。届書に書く事項は、被扶養者の職業、収入、住所、氏名、性別、生年月日、個人番号、被保険者との続柄です。このうち個人番号は「個人番号を有する者に限る」とされています。
被扶養者になれる子の条件は、健康保険法第3条第7項第1号にあります。「子」で、主として被保険者により生計を維持する者であり、日本国内に住所を有することが前提です。
同規則第38条に添付書類の定めは見当たりません。出生届の写しなどが必要かは、保険者ごとの取り扱いなので勤務先に確認してください。
被扶養者の医療費は「家族療養費」として給付されます。健康保険法第110条第2項第1号ロでは、被扶養者が6歳に達する日以後の最初の3月31日以前であれば給付の割合は100分の80と定められています。窓口での自己負担は2割にあたります。
被扶養者届のあと、保険者は資格確認書を交付します。資格確認書は事業主に送付され、事業主から本人に渡すのが原則です。保険者が支障がないと認めるときは、本人に直接送付されます(同規則第47条第5項、第6項)。
共働きで、父母のどちらの被扶養者にするかは、厚生労働省の通知「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」(令和3年4月30日、保保発0430第2号・保国発0430第1号)に基準があります。2021年8月1日から適用されています。
| 夫婦の加入先 | 基準 |
|---|---|
| 父母とも被用者保険 | 今後1年間の年間収入の見込みが多い方の被扶養者とする。夫婦の年間収入の差が、多い方の1割以内のときは、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする |
| 一方が国民健康保険 | 被用者保険の被保険者は年間収入、国民健康保険の被保険者は直近の年間所得で見込んだ年間収入を比べ、多い方を主として生計を維持する者とする |
育児休業中の扱いにも定めがあります。主として生計を維持する者が育児休業等を取得しても、休業期間中は被扶養者を異動しないのが原則です。ただし通知には「新たに誕生した子については、改めて上記の認定手続きを行う」とあります。
年間収入の資料など、比較に使う添付書類は保険者の判断とされています。加入先の窓口に確認してください。
国民健康保険では、世帯主が、その世帯に属する被保険者の資格の取得に関する事項を市町村に届け出ることになっています(国民健康保険法第9条第1項)。届書の提出期限は、国民健康保険法施行規則第2条第1項で14日以内です。
国民健康保険には「被扶養者」という区分がなく、赤ちゃん自身が被保険者になります(同法第5条、第7条)。6歳に達する日以後の最初の3月31日以前は、療養の給付を受けるときの一部負担金は10分の2です(同法第42条第1項第2号)。
資格確認書は、電子資格確認を受けることができない状況にある被保険者ごとに作成され、有効期限は交付の日から5年を超えない範囲で市町村が定めます(同法施行規則第6条)。
届書の様式、出生届と同じ窓口で受け付けるか、保険料の算定は自治体で違います。お住まいの市区町村の「国民健康保険」の窓口で確認してください。「自治体名+国民健康保険+出生」で公式ページを検索できます。
被扶養者届や加入届を出しても、資格確認書が届くまでの日数を定めた条文は、確認した範囲では見当たりません。資格確認書が手元にない間に、急に受診が必要になることもあります。
厚生労働省は、マイナ保険証で受付ができない事情があるとき(停電、カードリーダーの不具合など)も、次のいずれかで資格確認を行えば、自己負担10割ではなく、適切な自己負担割合で保険診療を受けられると案内しています。
このうち前の2つはマイナンバーカードが前提です。マイナンバーカードを持たない新生児が資格確認書の届く前に受診する場合の扱いを個別に書いた厚生労働省の資料は、確認した範囲では見当たりませんでした。受診の前に、医療機関の窓口と加入先の保険者に電話で確認するのが確実です。
資格を確認できないまま費用を自分で支払った場合の受け皿として、療養費の制度があります。
| 制度 | 条文の内容 |
|---|---|
| 健康保険(被扶養者は家族療養費) | 健康保険法第87条第1項は、保険者が療養の給付を行うことが困難と認めるとき、または保険医療機関等以外で診療を受けて保険者がやむを得ないと認めるときは、療養費を支給することが「できる」と定めています。被扶養者の療養にも準用されます(同法第110条第7項) |
| 国民健康保険 | 同法第54条第2項は、電子資格確認等による確認を受けないで受診した場合に、緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、療養費を支給するものとすると定めています |
療養費は、保険者が認めた場合に支給されるものです。申請では、療養に要した費用の額を証する書類の添付が必要です(健康保険法施行規則第66条)。診察後は領収書と診療明細書を保管し、保険者に請求の手順を確認してください。
資格確認書は、医療保険の資格を示すものです。自治体の子ども医療費助成(名称は乳幼児医療費助成など自治体で違います)を受けるには、受給者証を別に申請します。対象年齢や自己負担は自治体で違うため、子ども医療費助成の調べ方で確認してください。
お子さんの体調や受診の要否についての医学的な判断は、この記事では行いません。気になる症状があるときは、かかりつけの医療機関または自治体の相談窓口に相談してください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
出生届は戸籍法で14日以内(国外での出産は3か月以内)と定められています。児童手当は出生日の翌日から15日以内の申請かどうかで支給開始月が変わります。健康保険への加入や乳幼児医療費助成まで、産後の手続きを期限順に整理しました。
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