子どもの予防接種の費用|定期接種は原則無料、任意接種は自費になる仕組み
子どもの予防接種は、予防接種法に基づく定期接種と、それ以外の任意接種で費用の仕組みが変わります。定期接種が原則無料で受けられる理由、任意接種の費用の考え方と自治体助成の調べ方、対象期間を過ぎた場合の扱いを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
子どもの定期接種の多くは「生後2月から生後60月まで」のように月で対象期間が書かれています。ロタウイルスワクチンだけは違います。
予防接種法施行令第3条の表は、ロタウイルス感染症の対象者を「生後六週に至った日の翌日から、生後三十二週に至る日の翌日までの間で厚生労働省令で定めるワクチンの種類ごとに厚生労働省令で定める日までの間にある者」と定めています。週と日で区切られ、しかも終わりの期限がワクチンの種類ごとに違うという書き方です。
この記事は制度(対象期間・回数・間隔・費用)を条文と公的資料にもとづいて整理するものです。接種を受けるかどうかの医学的な判断や、有効性・副反応についての説明は行いません。判断はかかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。
厚生労働省は、定期接種として出生6週0日後から接種を受けることができるとし、初回接種の標準的接種期間を生後2か月から出生14週6日後までとしています。
標準的接種期間が生後2か月からになっている理由も示されています。自治体が他のワクチンと併せて案内を行うことと、生後2か月から受けられる他のワクチン(子どもの肺炎球菌・B型肝炎・5種混合)のスケジュールを考慮したためで、出生6週0日後以降であれば生後2か月より前に初回接種を受けても医学的には問題ないと説明されています。
一方で厚生労働省は、初回接種を出生15週0日後以降に受けることは安全性の観点から勧めていないと明記しています。医療機関で断られることがあるのは、この判断によるものです。
終わりの期限は予防接種法施行規則第2条の3が、ワクチンの種類ごとに定めています。あわせて予防接種実施規則第21条が回数と間隔を定めています。
| ワクチン | 回数 | 接種の期限 |
|---|---|---|
| 経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン(1価・ロタリックス) | 27日以上の間隔をおいて2回 | 生後24週に至る日の翌日まで |
| 5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン(ロタテック) | 27日以上の間隔をおいて3回 | 生後32週に至る日の翌日まで |
どちらも経口投与、つまり飲むワクチンで、接種量は1価が毎回1.5mL、5価が毎回2mLと定められています。厚生労働省は、2回目以降も初回と同じ種類のワクチンで受けることとしており、どちらを受けたかは母子健康手帳に記載されると案内しています。
期限が日単位で効いてくるため、数え方も厚生労働省が定義しています。出生日の翌日を「出生1日後」として算出します。
「生後2か月」の数え方も別に定義されており、生まれてから翌々月の同日の前日を指します。翌々月に同じ日が無い場合は翌々月の最後の日に生後2か月に至ったと考えます(7月31日生まれなら9月30日)。
厚生労働省は具体例を挙げています。3月1日に生まれた場合は次のようになります。
| 区切り | 日付 | 意味 |
|---|---|---|
| 出生6週0日後 | 4月12日 | 定期接種を始められる日 |
| 生後2か月 | 4月30日 | 標準的接種期間の開始日 |
| 出生14週6日後 | 6月13日 | 初回接種の標準的接種期間の終了日 |
| 出生24週0日後 | 8月16日 | ロタリックス2回目の接種期間の終了日 |
| 出生32週0日後 | 10月11日 | ロタテック3回目の接種期間の終了日 |
自分の子どもの日付を知りたいときは、この数え方を生年月日に当てはめるか、市町村から届く案内を確認してください。市町村の案内には、その子の期限が日付で書かれていることが多いため、届いた案内が最も確実です。
他の定期接種には、長期にわたる療養などで受けられなかった場合に対象期間を延ばす「長期療養特例」があります(予防接種法施行令第3条第2項)。ロタウイルスワクチンは、この特例の対象ではありません。
実際、施行令第3条第2項は特例の対象となる「特定疾病」からロタウイルス感染症を明示的に除いています。厚生労働省も、安全性の面から接種対象となる期間が限定されているため、期間を超えた場合には定期接種を受けることができず、長期療養特例の対象でもないと説明しています。
期間を過ぎた場合の任意接種については、出生15週0日後以降の初回接種は安全性が確立されていないことなどの説明を十分に受けたうえで、医師と相談するよう案内されています。当サイトで受けられる・受けられないの判断はいたしません。かかりつけ医にご相談ください。
定期接種は予防接種法にもとづいて市町村が実施するため、対象期間内に市町村の案内に沿って受ける場合は、自己負担なしで受けられるのが一般的です。費用の枠組みは子どもの予防接種の費用で整理しています。
厚生労働省は、転居や里帰りで同じ種類のワクチンを接種できる医療機関が近くにない場合について、まず自治体に相談するよう案内しています。自治体が接種できる医療機関を紹介できない場合には、他の自治体で接種を受けることや、他のロタウイルスワクチンで残りの接種を受けることを自治体が認める場合があるとされています。
0歳のうちは受けるワクチンが重なります。かかりつけの小児科を決めておくと、期限の管理と記録が一か所にまとまります。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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