無痛分娩の割合は13.8%|都道府県で4倍近い差がある
無痛分娩の実施率は2020年の8.6%から2023年に13.8%へ増えました。ただし都道府県別に見ると最高と最低で4倍近い差があります。公的統計にもとづく地域差の実態と、その差が何によって生まれているのかを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に埼玉県内で行われた分娩は3,370件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は609件でした。割合は18.1%で全国6位、件数は東京都・神奈川県・千葉県・愛知県に次ぐ全国5位です。全国平均の13.8%を4ポイント以上上回っています。
| 項目 | 埼玉県 | 全国 |
|---|---|---|
| 分娩件数(2023年9月) | 3,370件 | 59,026件 |
| うち無痛分娩(帝王切開を除く) | 609件 | 8,140件 |
| 無痛分娩の割合 | 18.1% | 13.8% |
| 無痛分娩を実施した施設数 | 24施設 | 602施設 |
2020年の調査では10.7%(396件・21施設)だったので、3年で7.4ポイント上がりました。伸び幅は全国8位です。調査は3年ごとで、件数は9月の1か月分です。詳しくはデータで見る無痛分娩と埼玉県の出産・子育てデータをご覧ください。
この数字を読むときに見落としやすいのが、実施施設数は24で、件数の順位(5位)ほど多くはないという点です。件数を施設数で割ると、埼玉県は1施設あたり月25.4件。全国平均は13.5件なので、およそ2倍が1施設に集まっている計算になります。
これは「無痛分娩に対応している施設が県内の限られた場所にあり、そこに希望者が集中している」という状態を示しています。実務的な意味は一つで、分娩予約が埋まりやすいということです。妊娠がわかった段階で候補を絞り、早めに問い合わせるかどうかで、選べる施設の数が変わります。分娩予約の時期の目安は分娩予約はいつまでに?にまとめています。
埼玉県の無痛分娩609件の内訳は、病院が437件(71.8%)、診療所が172件です。全国では病院52.9%・診療所47.1%とほぼ半々なので、埼玉県は病院での実施に大きく偏っています。隣の千葉県は逆に診療所が60.0%で、同じ首都圏でも構造が違います。
探すときの実務としては、地域の産科クリニックだけでなく、総合病院・大学病院の産科も候補に入れるという意味になります。どちらの形態が良いという話ではなく、実施件数の分布としてそうなっている、という事実です。病院と診療所の違いそのものは産婦人科・産院の選び方で整理しています。
当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報を集計したところ(2026年8月集計)、埼玉県の分娩取扱施設93のうち、さいたま市が16施設(17.2%)で最も多く、川口市8施設、越谷市7施設、所沢市6施設、上尾市4施設、春日部市4施設と続きます。
京都府(京都市に54%)や宮城県(仙台市に50%)のような一極集中ではなく、県南部を中心に複数の市に分かれているのが埼玉県の形です。無痛分娩に対応しているかは施設ごとに異なりますが、「都内まで出るしかない」と決める前に、まず埼玉県の産婦人科を探すページで通える範囲の施設を確認してみてください。
主な情報源は次の3つです。
電話では、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切を確認します。対応の可否や麻酔の方法など医学的なことは、分娩予定の施設やかかりつけ医にご相談ください。
無痛分娩の費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られます。出産育児一時金(原則50万円)は全国共通で使えます。
埼玉県内で無痛分娩費用を助成している市町村は、当サイトが2026年8月に確認した範囲では見当たりませんでした。助成制度は年度替わりに新設されることがあるため、お住まいの市町村の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新の情報をご確認ください。なお東京都は都内在住の妊婦を対象に上限10万円の助成を行っていますが、対象は都民です。調べ方の手順は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。
まとめると次の順番です。
埼玉県は割合こそ高いものの、対応施設は24と多くありません。件数が特定の施設に集まっている県ほど、動き出しの早さがそのまま選択肢の数になります。いまが妊娠何週で、11週がいつにあたるかは出産予定日・妊娠週数の計算で確認できます。見つからない場合の考え方は無痛分娩ができる施設が見つからないときをご覧ください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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