産休・育休中の社会保険料と税金|免除されるものと、されないもの
産休・育休中は健康保険と厚生年金の保険料が本人分・会社分とも免除されます。一方で住民税は免除されません。社会保険料・所得税・住民税の3つを分けて、何が止まり何が続くのかと、手取りの考え方を整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
育児・介護休業法(以下「育介法」)第10条は、事業主が、労働者が育児休業の申出をしたこと、または育児休業をしたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。禁止されているのは理由にした不利益な取扱いです。
確認した範囲では、育介法の条文にも厚生労働省の指針にも、育休中の人に賞与を支給することを事業主に義務付ける文言は見当たりません。賞与は、就業規則や賃金規程、労働契約で定めた内容に沿って支払われるものです。
そのため、育休中に賞与が出るかどうかは、勤務先の定めで決まります。次の3点を就業規則(賃金規程)で確認します。
育介法第10条の解雇その他不利益な取扱いについて、事業主が守るべき内容を示したのが、平成21年厚生労働省告示第509号の指針です。第二の十一の(二)は、不利益な取扱いとなる行為の例のひとつに「減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと」を挙げています。
同じ(三)ニの(イ)は、賞与の算定で現に勤務した日数を考慮する場合の扱いを、次のように分けています。
| 賞与の算定での扱い | 指針の整理 |
|---|---|
| 休業した期間の総和に相当する日数を、日割りで算定対象期間から控除する | 専ら育児休業等で労務を提供しなかった期間を働かなかったものとして扱うこと。不利益な取扱いには該当しない |
| 休業した期間の総和に相当する日数を超えて、働かなかったものとして扱う | 不利益な算定に該当する |
| 実際には労務の不提供が生じていないのに、育児休業等の申出をしたことだけを理由に賞与を減額する | 不利益な算定に該当する(同(ロ)) |
算定期間の一部だけ育休を取った人は、休業した日数に応じて賞与が減ることがあります。これは指針の上では、直ちに違法とはされない扱いです。一方、休業期間より長く働かなかったことにして減らす扱いは認められません。
実際の判断は個別の事情と制度の内容で変わるため、断定はできません。指針の文言から読み取れる範囲では、次のように整理できます。
疑問がある場合は、まず勤務先の人事担当に算定式を確認します。それでも解消しないときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談先です。
育休中は健康保険・厚生年金の保険料が免除されます(健康保険法第159条、厚生年金保険法第81条の2)。両条の括弧書きは、育児休業等の期間が1月以下の人については、標準報酬月額に係る保険料に限ると定めています。賞与にかかる保険料の扱いは、日本年金機構の案内で確認できます。
日本年金機構は、賞与にかかる保険料(育児休業等期間に月末が含まれる月に支給された賞与にかかる保険料)の免除について、2022年10月1日以降に開始した育児休業等は、その賞与月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に限り免除としています。
| 項目 | 免除の要件 |
|---|---|
| 毎月の給与の保険料 | 育休の開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月までが免除。同じ月に開始と終了がある場合は、14日以上取得していれば免除 |
| 賞与の保険料 | 賞与月の末日を含む連続した1か月超の育休が必要 |
短期間の育休を取る場合、月々の保険料は免除されても、賞与の保険料は免除されないことがあります。賞与の支給月と育休の期間を重ねて、事前に人事担当へ確認しておくと安心です。免除の全体像は産休・育休中の社会保険料と税金にまとめています。
育休に入る前に、次の順で確認すると見通しが立ちます。
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本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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