産休はいつから?産休開始日の数え方と産前42日・産後56日(労働基準法65条)
産休開始日は、出産予定日を1日目として遡って42日目(多胎妊娠は98日目)です。労働基準法65条は産前6週間・多胎14週間、産後8週間と定めています。日数の数え方、予定日とずれたときの扱い、雇用形態による違い、産休前に済ませておくことを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(均等法)第18条にもとづく書類です。均等法第17条は、事業主に対し、雇用する女性労働者が母子保健法の保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならないと定めています。第18条第1項は、その保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならないと、事業主に義務として課しています。
「必要な時間」の頻度は、均等法施行規則第2条の5に定めがあります。妊娠中は妊娠週数に応じて、妊娠23週までは4週に1回、24週から35週までは2週に1回、36週から出産までは1週に1回、出産後1年以内は医師又は助産師が指示するところにより、必要な時間を確保できるようにすると定められています。健診自体の回数の目安は妊婦健診は何回受ける?で整理しています。
第18条第2項により、厚生労働大臣はこの措置に関する指針を定めるものとされ、実際に定められているのが「妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成9年9月25日労働省告示第105号)です。母健連絡カードは、この指針の別記様式として定められています。カードは主治医等が記載し、女性労働者が事業主に提出する書類で、事業主が自分で作成するものではありません。
条番号の注意 均等法は、令和7年法律第63号による改正が2026年10月1日に施行され、条番号が繰り下がりました。母性健康管理の規定は旧第12条が第17条、旧第13条が第18条になり、健診等の時間の頻度を定める施行規則は旧第2条の4が第2条の5になりました(令和8年厚生労働省令第18号の新旧対照表で確認)。不利益取扱いの禁止を定める第9条と施行規則第2条の2の番号は変わっていません。会社の就業規則や古い解説資料に「均等法13条」とあるのは、改正前の番号です。
母健連絡カードの様式は、厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」からPDF・PowerPoint形式でダウンロードできます。外国人の妊産婦向けに、外国語併記版(英語・中国語・ポルトガル語・ベトナム語)も用意されており、日本語版で発行されたカードの内容を照らし合わせて確認する用途にも使えます。
記入欄は次のように分かれています。
| 欄 | 記入する人 | 内容 |
|---|---|---|
| 症状等・標準措置 | 主治医等 | 症状等の項目と、対応する標準的な措置を選択(複数選択可) |
| 特記事項 | 主治医等 | 標準措置と異なる措置が必要な場合や、より具体的な指導を行う場合に、指導事項欄に○を付けて具体的な内容を記入 |
| 措置が必要な期間 | 主治医等 | 診断時点で医学的判断から当面必要と考えられる期間(その後の指導で延長される場合がある) |
| 通勤緩和の措置等 | 主治医等 | 通勤緩和・休憩の措置が医学的に必要な場合に記入 |
女性労働者側が記入する範囲は氏名等の基本情報にとどまり、症状や措置の内容そのものは主治医等が記入します。労働者は、記入されたカードを事業主に提出して申出を行う立場です。なお、令和2年12月25日から、カードへの押印は廃止されています。
母健連絡カードは、次の順で使われます。
事業主は、提出されたカードの記載内容に応じた措置を講じる必要があります。記載内容が不明確な場合は、女性労働者を介して主治医等と連絡を取り、判断を求めるなどの対応を行うことになります。
前掲の指針の第2は、事業主が講ずべき措置を3つの場面に分けて定めています。
| 場面 | 措置の例 |
|---|---|
| 妊娠中の通勤緩和 | 時差通勤、勤務時間の短縮等 |
| 妊娠中の休憩に関する措置 | 休憩時間の延長、休憩の回数の増加等 |
| 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置 | 作業の制限、勤務時間の短縮、休業等 |
指針は、いずれの場面についても「医師等による具体的な指導がない場合においても、申出があったときは、担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等適切な対応を図る必要がある」と定めています。措置の内容が指導事項として明確でない場合も、事業主が確認する側の役割を負う形になっています。
労働基準法にも関連する規定があります。妊娠中の女性が請求した場合の他の軽易な業務への転換は第65条第3項、時間外労働・休日労働・深夜業をさせない措置は第66条に定められています。産前産後休業そのものの期間は産休はいつからで整理しています。
母健連絡カードの提出は、措置を受けるための絶対条件ではありません。厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」は、「母健連絡カードの提出がない場合でも、女性労働者本人の申出等からその内容等が明らかであれば事業主の方は必要な措置を講じる必要があります」としています。内容が不明確な場合は、事業主が女性労働者を介して主治医等と連絡を取り、判断を求める等の対応を行うとされています。
指針の第3(1)も、「事業主は、母性健康管理指導事項連絡カードの利用に努めるものとする」と、カードの利用を努力義務として位置づけています。指針の第2が定める通勤緩和・休憩・症状等に対応する措置は、いずれも「医師等の指導を受けた旨の申出があった場合」を要件としており、カードそのものの提出を要件とする文言にはなっていません。
確認できた範囲では、カードは指導事項を的確に伝えるための手段であって、措置を求める権利そのものの前提とはされていません。とはいえ、口頭の申出だけでは症状・期間・必要な措置の範囲が事業主に伝わりにくいため、実務上はカードを使うほうが確実です。
均等法第9条第3項は、事業主が、妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関する事由を理由として、女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています。ここでいう「その他の妊娠又は出産に関する事由」は、均等法施行規則第2条の2で列挙されており、第3号に「法第十七条若しくは第十八条第一項の規定による措置を求め、又はこれらの規定による措置を受けたこと」が挙げられています(2026年10月1日の改正で、参照先が旧第12条・第13条から第17条・第18条に置き換わりました)。
つまり、母健連絡カードを提出して通勤緩和や勤務時間短縮などの措置を求めたこと自体が、不利益取扱いを禁止される事由として明記されています。降格、減給、不利益な配置変更、契約更新の拒否などがこれに当たるおそれがあります。妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者への解雇は、均等法第9条第4項により、事業主が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明しない限り無効とされます。
上司・同僚の言動への対応(事業主の防止措置義務)は、不利益取扱いの禁止とは別の条文です。2本の違いはマタハラの法律上の定義で整理しています。
母健連絡カードの書き方や、事業主が講じる措置の内容について迷ったときの相談先は、場面によって分かれます。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)は、均等法にもとづく相談窓口として、母性健康管理措置に関する相談を無料で受け付けています。連絡先は厚生労働省のサイトに一覧が掲載されています。
この記事は制度(根拠法令・様式・措置の種類・相談先)を整理するものです。どの症状にどの措置が必要かという医学的な判断は行いません。判断は主治医等にご相談ください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
産休開始日は、出産予定日を1日目として遡って42日目(多胎妊娠は98日目)です。労働基準法65条は産前6週間・多胎14週間、産後8週間と定めています。日数の数え方、予定日とずれたときの扱い、雇用形態による違い、産休前に済ませておくことを整理しました。
妊婦健診の回数と間隔は、厚生労働省告示「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」に示されています。妊娠初期から23週までは4週に1回、24〜35週は2週に1回、36週から出産までは1週に1回で、出産までに14回程度。費用負担と里帰りの扱いまで条文にもとづいて整理しました。
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