水痘ワクチンの定期接種|対象は生後12〜36か月・2回、間隔は3か月以上

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

水痘ワクチンの定期接種は、厚生労働省の定期接種実施要領で「生後12月から生後36月に至るまでの間にある者」が対象、2回接種で、2回目は1回目から3月以上(標準的には6〜12月)あけると定められています。3歳の誕生日の前日を過ぎると任意接種(自費)になる仕組み、既にかかった子の扱い、予診票の取り扱いを整理します。

対象は「生後12か月から生後36か月に至るまで」=1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで

水痘(みずぼうそう)ワクチンの定期接種について、厚生労働省の定期接種実施要領(令和8年10月1日改正後全文)は、対象者を「生後12月から生後36月に至るまでの間にある者」と定めています。厚生労働省の水痘ワクチンのページでは、これを「1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの方」と言い換えています。

対象期間は2年間です。同じ1歳から始まる麻しん・風しんの1期(生後12か月から24か月まで=1年間)より1年長い設計で、この違いは1歳になったら受ける定期接種で整理しています。

この記事は制度(対象年齢・回数・間隔・費用の枠組み)を公的資料にもとづいて整理するものです。接種を受けるかどうか、副反応、他のワクチンとの同時接種といった医学的な判断は行いません。かかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。

回数は2回、間隔は「3か月以上」、標準的には「6〜12か月」

実施要領の「水痘の定期接種」は、接種の組み立てを次のように定めています。

回時期
1回目生後12月から生後15月に達するまでを標準的な接種期間とする
2回目1回目から3月以上、標準的には6月から12月までの間隔をおく

「3月以上」が下限で、「6月から12月」は標準的な目安です。厚生労働省のページも、2回目は1回目から3か月以上経過してから行うが、標準的には1回目接種後6か月から12か月まで経過した時期に行うと説明しています。

ここで気をつけたいのは、定期接種の対象期間(生後36月まで)の終わりから逆算すると、2回目の開始が遅れる余裕には限りがあるという点です。たとえば1回目を2歳半で受けた場合、条文の最短(3か月以上)で数えても2回目は対象期間の終わり近くになります。遅れているときの組み直しは個別の判断になるため、母子健康手帳の接種記録を持って、市町村の予防接種担当窓口またはかかりつけ医にご相談ください。

3歳の誕生日の前日を過ぎると、定期接種の対象外になる

対象期間は「生後36月に至るまで」なので、3歳の誕生日を迎えると定期接種の対象から外れます。それ以降に水痘ワクチンを受ける場合は、法律にもとづく定期接種ではなく、希望して受ける任意接種の扱いになるのが一般的で、費用は全額自己負担になることがあります。

定期接種と任意接種の費用の違い、自治体の助成の探し方は子どもの予防接種の費用で整理しています。任意接種の代表例であるおたふくかぜについてはおたふくかぜの予防接種は任意接種をご覧ください。

なお、厚生労働省は、これまで任意で接種された回数も考慮して接種回数が決まると説明しています。任意で1回受けている場合に残りが何回になるかは、接種記録をもとに自治体の窓口で確認してください。

すでに水痘にかかったことがある子の扱い

厚生労働省のQ&Aは、水痘にかかったことのある方は水痘に対する免疫を獲得していると考えられ、基本的には水痘の定期接種の対象外となると説明しています。

一方、定期接種実施要領の「水痘の定期接種」の項そのものには、既罹患者の扱いを示した文言は、確認した範囲では見当たりませんでした。実施要領で既にかかった者に触れているのは、病気などで対象期間内に受けられなかった場合の特例(第19)で、「当該特定疾病にかかっている者又はかかったことのある者」を特例の対象から除くという箇所です。

実際に、いつ・どのような経過でかかったかを接種の判断にどう反映するかは医学的な判断を含みます。かかったことがあるように思えるときは、自己判断せずかかりつけ医にご相談ください。

2014年10月1日より前に受けた分は、どう数えるか

実施要領には「平成26年10月1日より前の接種の取扱い」という項があり、水痘の定期接種を考えるうえでこの日付が基準になっています。内容は次のとおりです。

平成26年10月1日より前の接種取扱い
生後12月以降に3月以上の間隔で2回接種定期接種として受けることはできない
生後12月以降に1回接種定期接種を1回受けたものとみなす
生後12月以降に3月未満の間に2回以上接種1回受けたものとみなし、最初の接種から3月以上おいて1回接種する

この日より前に水痘ワクチンを任意で受けていたお子さんの回数の数え方を定めたものです。定期接種になった経緯そのもの(法改正の内容など)は、この記事で確認した資料の範囲では説明できていません。制度の詳細は厚生労働省のページと実施要領でご確認ください。

予診票・接種券の扱いと、受けられる場所は自治体で違う

定期接種の実施主体は市町村です。実施要領は、対象者や保護者への周知を、やむを得ない場合を除いて個別通知で行うこととし、母子健康手帳やマイナ保険証の持参、費用などもあわせて周知するよう求めています。また、水痘の予診票は紙の場合「様式第二」を参考に作成し、デジタル予診票を導入した市町村ではマイナポータル上に表示する、という整理になっています。

つまり、予診票や接種券をいつ・どの形で受け取るか、どの医療機関で受けられるかは市町村ごとに違います。「お住まいの市町村名+予防接種」で検索するか、予防接種担当窓口に問い合わせると確実です。

病気などで長く療養していて対象期間内に受けられなかった場合は、実施要領の長期療養特例により、特別の事情がなくなった日から2年を経過する日までの間は引き続き定期接種の対象になりえます。該当するかの判断は、市町村にご相談ください。母子健康手帳の接種記録は、1歳前後に重なる他の接種とあわせて一か所にまとめておくと管理しやすくなります。

よくある質問

水痘ワクチンの定期接種は何歳から何歳までですか?
定期接種実施要領は、対象者を生後12月から生後36月に至るまでの間にある者と定めています。厚生労働省は、1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までと説明しています。
何回受けて、間隔はどれくらいあけますか?
2回接種です。2回目は1回目から3月以上の間隔をおいて行い、標準的には6月から12月までの間隔とされています。1回目の標準的な接種期間は生後12月から生後15月に達するまでです。
3歳を過ぎたら水痘ワクチンは受けられなくなりますか?
定期接種の対象からは外れますが、受けられなくなるという意味ではありません。任意接種の扱いとなり、費用は全額自己負担になることがあります。受けるかどうかの判断はかかりつけ医にご相談ください。
もう水痘にかかったことがありますが、定期接種は必要ですか?
厚生労働省のQ&Aは、水痘にかかったことのある方は免疫を獲得していると考えられ、基本的には定期接種の対象外と説明しています。実施要領の水痘の項に既罹患者の扱いを示す文言は、確認した範囲では見当たりませんでした。判断はかかりつけ医にご相談ください。
予診票や接種券はどこでもらえますか?
市町村によって配布の時期や方法が異なります。実施要領は個別通知での周知を求めており、デジタル予診票を導入した市町村もあります。届いていない場合は、お住まいの市町村の予防接種担当窓口にお問い合わせください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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