子どもの予防接種の費用|定期接種は原則無料、任意接種は自費になる仕組み
子どもの予防接種は、予防接種法に基づく定期接種と、それ以外の任意接種で費用の仕組みが変わります。定期接種が原則無料で受けられる理由、任意接種の費用の考え方と自治体助成の調べ方、対象期間を過ぎた場合の扱いを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
予防接種法にもとづく定期接種の対象疾病は、予防接種法施行令で定められています。市町村長が行う定期接種の対象疾病を並べた第3条の表には、ジフテリア・百日せき・急性灰白髄炎・麻しん・風しん・日本脳炎・破傷風・結核・Hib感染症・小児の肺炎球菌感染症・ヒトパピローマウイルス感染症・水痘・B型肝炎・ロタウイルス感染症などが挙がっています。
この中に、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はありません。当サイトが施行令の条文を確認した範囲では、流行性耳下腺炎という語自体が登場しません。
そのため、おたふくかぜのワクチンは「任意接種」として扱われます。この記事は予防接種の制度を整理するものです。受けるかどうかの医学的な説明・推奨は行いません。接種の判断は、かかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。
変わるのは主に2つ、費用の負担と健康被害が起きたときの救済制度です。
| 定期接種 | 任意接種(おたふくかぜなど) | |
|---|---|---|
| 根拠 | 予防接種法・同施行令 | 法の定期接種の枠外 |
| 実施 | 市町村が実施 | 希望により医療機関で接種 |
| 費用 | 対象期間内は原則自己負担なし | 原則として全額自己負担(助成のある市町村もある) |
| 健康被害の救済 | 予防接種法の健康被害救済制度 | PMDAの医薬品副作用被害救済制度 |
同じ「予防接種」でも、制度上の入り口が違います。費用の考え方の全体像は子どもの予防接種の費用で整理しています。
定期接種で健康被害が生じた場合は予防接種法にもとづく救済制度、任意接種の場合は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用被害救済制度が窓口になります。
制度が違えば、申請先も給付の内容も異なります。任意接種だから救済が無い、という意味ではありません。枠組みが別だということです。詳細は厚生労働省とPMDAの案内でご確認ください。
任意接種は原則として全額自己負担ですが、市町村が独自に費用の一部または全部を助成している場合があります。おたふくかぜは助成を設けている市町村が比較的よく見られるワクチンです。
調べ方は次の順序が確実です。
助成の有無・内容は市町村ごとに大きく異なり、変更もあります。当サイトでは個別の市町村の助成内容は掲載していません。必ず市町村の最新の案内でご確認ください。
任意接種は自己負担になるため、確定申告で医療費控除の対象になるかが気になるところですが、予防接種の費用は予防が目的のため、原則として医療費控除の対象になりません。
一方で、セルフメディケーション税制では予防接種を受けたこと自体が適用条件の「一定の取組」に該当します(ただし接種費用は控除されません)。このねじれた関係は予防接種は医療費控除の対象になる?で整理しました。
任意接種は市町村からの一斉案内が無いことが多く、受けたかどうかの記録が抜けやすいのが実務上の注意点です。母子健康手帳の任意接種欄に記録を残しておくと、就園・就学時の書類や、後から回数を確認したいときに役立ちます。
接種の記録が一か所にまとまるよう、かかりつけを決めておくと管理しやすくなります。確認しておきたい点はかかりつけの小児科の決め方で整理しています。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
子どもの予防接種は、予防接種法に基づく定期接種と、それ以外の任意接種で費用の仕組みが変わります。定期接種が原則無料で受けられる理由、任意接種の費用の考え方と自治体助成の調べ方、対象期間を過ぎた場合の扱いを整理しました。
予防接種の費用は、予防が目的のため原則として医療費控除の対象になりません。ただしセルフメディケーション税制では、予防接種を受けたこと自体が適用条件の「一定の取組」に該当します。費用は対象外というねじれを国税庁の資料で整理しました。
かかりつけの小児科をどう選ぶか。距離、診療日、予防接種と健診への対応、予約の仕組み、夜間・休日の案内、相談のしやすさという6つの観点から、決めるときに確認しておきたいことを整理しました。