1歳になったら受ける定期接種|MRの対象は「1年間」しかない

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

1歳の誕生日は、定期接種の対象が新しく始まる時期です。麻しん風しん(MR)1期の対象は予防接種法施行令で生後12か月から24か月までと定められており、対象期間は1年間しかありません。水痘との対象期間の違い、追加接種が重なる理由、費用の仕組みを条文にもとづいて整理します。

1歳は、定期接種の対象が新しく始まる時期

予防接種法施行令第3条の表は、定期接種の対象者を疾病ごとに年齢で定めています。この表を見ると、生後12か月(1歳)から新しく対象になる疾病と、それ以前から続いていて1歳ごろに追加接種の時期を迎えるものが重なることがわかります。

1歳前後に予防接種の案内が続くのはこのためです。ここでは制度上の対象期間を整理します。

この記事は予防接種の制度(対象年齢・回数・費用の枠組み)を整理するものです。個々のワクチンを受けるかどうかの医学的な説明・推奨は行いません。接種の判断は、かかりつけ医や市町村の窓口にご相談ください。

1歳から対象になるもの(MR・水痘)

予防接種法施行令第3条の表では、次のように定められています。

疾病定期接種の対象者
麻しん生後十二月から生後二十四月に至るまでの間にある者(1期)
風しん生後十二月から生後二十四月に至るまでの間にある者(1期)
水痘生後十二月から生後三十六月に至るまでの間にある者

麻しん・風しんはMR(麻しん風しん混合)ワクチンとして接種されるのが一般的です。

MR1期の対象期間は1年間しかない

ここで注意したいのが対象期間の長さの違いです。麻しん・風しんの1期は「生後12か月から24か月まで」=1歳の1年間だけなのに対し、水痘は「生後12か月から36か月まで」=2年間あります。

同じ1歳から始まっても、MRのほうが対象期間が1年短いことになります。1歳になったら早めにMRを、と案内されることが多いのは、この制度上の期間の違いによるものです。生後24か月(2歳の誕生日)を過ぎると、1期は定期接種の対象から外れます。

なお麻しん・風しんには2期があり、施行令では「五歳以上七歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の一年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にあるもの」と定められています。就学前の1年間が対象です。

追加接種が重なるのはなぜか

1歳前後には、生後2か月から始めたワクチンの追加接種の時期も重なります。5種混合ワクチン(またはヒブ・4種混合)の追加接種、小児用肺炎球菌の追加接種などです。

予防接種法施行令では、小児用肺炎球菌の対象者は「生後二月から生後六十月に至るまでの間にある者」、Hib感染症は「生後二月から、生後九十月までの間で厚生労働省令で定めるワクチンの種類ごとに厚生労働省令で定める月に至るまでの間にある者」と定められています。これらの追加接種の標準的な時期は生後12か月から15か月ごろとして案内されるのが一般的で、MR・水痘と重なります。

各ワクチンの標準的な接種期間は厚生労働省令や市町村の実施要領で定められており、細部は市町村から届く案内でご確認ください。

同じ日に複数を受けるかどうか

1歳前後は対象になるワクチンが重なるため、同じ日に複数を接種するかどうかという話が出てきます。これは医学的な判断を含むため、当サイトでは可否や本数の目安を示しません。接種の組み立ては、かかりつけ医とご相談ください。

相談しやすいかかりつけを決めておくと、接種記録も一か所にまとまります。かかりつけの小児科の決め方で確認しておきたい点を整理しています。

費用と、時期が過ぎてしまったとき

ここで挙げたものはいずれも予防接種法にもとづく定期接種です。定められた対象年齢・期間内に市町村の案内に沿って受ける場合は、自己負担なしで受けられるのが一般的です。

一方、対象期間を過ぎると定期接種の対象から外れ、任意接種として全額自己負担になることがあります。MR1期のように対象期間が1年間しかないものは、案内が届いたら早めに日程を確認しておくと余裕がつくれます。時期が過ぎてしまった場合の取り扱いは市町村により異なるため、母子健康手帳を持って予防接種担当窓口にご相談ください。

よくある質問

1歳になったらどの予防接種が対象になりますか?
予防接種法施行令第3条の表では、麻しん・風しん(1期)が生後12か月から24か月まで、水痘が生後12か月から36か月までと定められています。あわせて、生後2か月から始めたワクチンの追加接種の時期も重なります。
なぜ1歳の誕生日にMRを、と言われるのですか?
麻しん・風しんの1期の対象が生後12か月から24か月までの1年間に限られているためです。水痘が生後36か月までなのに比べて対象期間が1年短く、2歳の誕生日を過ぎると1期は定期接種の対象から外れます。
MRの2期はいつですか?
予防接種法施行令では、5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にあるものと定められています。就学前の1年間が対象です。
同じ日に何本まで受けられますか?
接種の組み立ては医学的な判断を含むため、当サイトでは本数の目安を示していません。かかりつけ医にご相談ください。
対象期間を過ぎてしまいました。
定期接種の対象から外れ、任意接種として全額自己負担になることがあります。取り扱いは市町村により異なるため、母子健康手帳を持って市町村の予防接種担当窓口にご相談ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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