こんにちは赤ちゃん事業とは|対象は生後4か月まで(児童福祉法)
こんにちは赤ちゃん事業(乳児家庭全戸訪問事業)は児童福祉法第6条の3第4項で定義された訪問事業です。対象年齢、訪問者の範囲、新生児訪問との違い、出生連絡票による連絡の来方、訪問の同意と里帰り中の調べ方をガイドラインと条文にもとづいて整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
新生児訪問の根拠は母子保健法第11条(新生児の訪問指導)です。条文の中身は次のとおりです。
新生児の定義は同法第6条第5項にあり、出生後28日を経過しない乳児です。ただし第11条第2項は、この訪問指導を新生児でなくなった後も継続することができると定めています。訪問が生後28日を過ぎることがあるのは、この規定があるためです。
条文は「育児上必要があると認めるとき」に市町村長が行うものとしており、すべての新生児を一律に対象とする書き方ではありません。実際にどの範囲の家庭へ訪問するかは、市町村の判断にまかされています。希望者のみ、第1子のみ、全員など、運用は自治体ごとに違います。
国が全国の運用を一覧にした資料は、確認した範囲では見当たりませんでした。お住まいの市町村のホームページで「新生児訪問」「新生児訪問指導」「赤ちゃん訪問」などで探すか、母子保健担当の窓口(保健センターなど)に聞くのが確実です。費用についても、第11条には自己負担の定めが見当たらず、確認した範囲では国の統一的な基準は見つかっていません。案内文書で確認してください。
第11条が訪問者として挙げているのは、医師、保健師、助産師、またはその他の職員です。条文は職種を保健師と助産師に限っておらず、誰が来るかは市町村が決めます。
全国の訪問者の職種の内訳は、確認した範囲では見当たりませんでした。案内の通知か、日程調整の電話で、訪問者の職種と所属を聞いておくと安心です。
こども家庭庁の「乳児家庭全戸訪問事業ガイドライン」は、別の制度(こんにちは赤ちゃん事業)の訪問者について、保健師、助産師、看護師のほか保育士や子育て経験者などを登用してよいとしています。同じガイドラインは、訪問の際は身分証を提示するなどして市町村からの訪問者であることを明確にすることも定めています。この規定は新生児訪問そのものについての定めではありませんが、こうした訪問で身分の確認を求めてよいことの参考になります。
自治体によっては、母子健康手帳の交付時に出生連絡票(出生通知票)というはがきや用紙が渡されます。出産後に赤ちゃんの生年月日や体重、保護者の連絡先などを書いて市町村へ出すと、その情報をもとに訪問の連絡が来る仕組みです。
ただし、出生連絡票は母子保健法の条文には出てきません。第11条にも、確認した範囲では出生連絡票の提出を求める規定は見当たりませんでした。名称、書式、提出の方法(郵送、窓口、オンライン)、提出の期限は自治体の運用です。母子健康手帳と一緒に渡された案内を読み、期限や書き方を確認してください。出生届とは別の手続きとして案内されている場合があるため、案内文書で確かめてください。出生後の手続き全体は出生届から保険証までの手続きチェックリストにまとめています。
第11条は、訪問する主体を市町村長としています。条文には「住民票のある市町村」に限る旨の文言はありません。一方、第19条(未熟児の訪問指導)には、その区域内に現在地を有する未熟児という書き方があります。里帰り先で訪問を受けられるかは、条文だけでは決まらず、市町村ごとの運用によります。
里帰り出産のときは、次の順で確認します。
里帰り出産そのものの流れは里帰り出産の完全ガイドで整理しています。
第11条のただし書きにあるとおり、その新生児について第19条の指導が行われるときは、第11条の訪問指導は行われません。第19条は、未熟児の訪問指導です。市町村長が、区域内に現在地を有する未熟児について、養育上必要があると認めるときに、医師、保健師、助産師またはその他の職員を保護者のもとへ訪問させ、必要な指導を行わせるものとされています。
未熟児の定義は第6条第6項にあり、身体の発育が未熟のまま出生した乳児であって、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものです。どの子が未熟児にあたるかは医師の判断によるため、気になる場合は出産した医療機関か市町村の窓口に聞いてください。第19条の訪問指導も、第11条第2項が準用され、新生児でなくなった後も継続できます。未熟児の養育医療の仕組みは未熟児養育医療とはで説明しています。
よく似た名前の訪問に、児童福祉法にもとづく乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)があります。こちらは原則として生後4か月を迎えるまでのすべての乳児のいる家庭が対象で、母子保健法の新生児訪問とは法律の根拠が異なります。
こども家庭庁のガイドラインは、両者を「法的な位置づけや、第一義的な目的は異なる」が密接な関係にあるとし、市町村の判断で母子保健法にもとづく新生児訪問などとあわせて実施してよいとしています。自治体によっては1回の訪問が両方を兼ねています。詳しくはこんにちは赤ちゃん事業の解説をご覧ください。
訪問の場で、赤ちゃんの様子やお母さん自身の体調、気持ちについて気になることがあれば、その場で訪問者に相談できます。この記事は制度の説明であり、医学的な判断は行っていません。授乳や体重、体調についての判断は、訪問者、かかりつけの医療機関、出産した医療機関に確認してください。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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