特別児童扶養手当|2026年4月から1級58,450円・2級38,930円、支給は年3回
特別児童扶養手当は20歳未満の障害児を家庭で監護している人に国が支給する手当です。児童扶養手当とは支給する主体も支給月も所得判定の期間も違います。金額、4月・8月・12月の年3回という支給月、認定の流れを条文で整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
療育手帳は、知的障害のある人に都道府県知事などが交付する手帳です。ただし、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳と違い、手帳そのものの根拠を定めた法律の条文はありません。根拠は、昭和48年(1973年)9月27日の厚生省発児第156号厚生事務次官通知「療育手帳制度について」と、その実施方法を示した同日付の児発第725号厚生省児童家庭局長通知「療育手帳制度の実施について」です。
厚生労働省の「療育手帳制度の概要」は、この通知を「技術的助言(ガイドライン)」と位置づけ、各都道府県知事等は通知に基づいてそれぞれの判断で実施要綱を定めていると説明しています。同じ資料では、令和6年度末の交付者数は1,321,350人です。
| 療育手帳 | 身体障害者手帳 | 精神障害者保健福祉手帳 | |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 厚生事務次官通知(昭和48年) | 身体障害者福祉法第15条 | 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条 |
知的障害者福祉法の条文にも、確認した範囲では療育手帳の規定は見当たりません。精神保健福祉法の第45条には、手帳の対象を「精神障害者(知的障害者を除く。)」とする括弧書きがあり、知的障害は療育手帳の側で扱う整理になっています。
厚生事務次官通知の別紙「療育手帳制度要綱」は、全体が7項目の短い文書です。内容は次のとおりです。
児発第725号は、手帳の名称を「療育手帳」としたうえで「別名を併記することはさしつかえない」と述べています。東京都の「愛の手帳」のように、自治体で呼び方が違う理由はここにあります。
交付対象は「知的障害であると判定された者」です。どのような検査や基準で判定するかは、この記事では扱いません。判定の内容については、児童相談所、かかりつけの医療機関、市区町村の障害福祉担当に相談してください。
通知が定める流れは次のとおりです。
判定する機関は、児童福祉法第12条で都道府県に設置が義務づけられた児童相談所と、知的障害者福祉法第12条で都道府県に設置が義務づけられた知的障害者更生相談所です。一般に、18歳未満は児童相談所、18歳以上は更生相談所の系統で判定が行われます。
実際の窓口と順序は自治体で違います。たとえば東京都は、愛の手帳の判定を18歳未満は住まいを管轄する児童相談所、18歳以上は東京都心身障害者福祉センターで行い、いずれも判定機関に直接予約する方式を案内しています。埼玉県は、18歳未満は児童相談所、18歳以上は総合リハビリテーションセンターで判定を受けるとしたうえで、市町村の障害者福祉担当課に事前に相談して申請するよう案内しています。さいたま市在住の人は、さいたま市に申請し、さいたま市長が交付します。
調べ方は、「市区町村名+療育手帳」(東京都なら「愛の手帳」)で検索し、障害福祉担当課のページを見るのが近道です。通知には申請の手数料の記載が見当たりません。必要書類、判定までの期間、費用の有無は窓口で確認してください。
児発第725号の通知は、障害の程度を重度とその他に区分し、手帳の記載欄には重度を「A」、その他を「B」と表示するとしています。同時に、「中度等の他の区分を定めることもさしつかえない」とも書かれています。厚生労働省の概要資料にも、独自に細分化している自治体があると記載されています。
自治体の公式ページで確認できた例は次のとおりです。
| 自治体 | 手帳の呼び方 | 区分の数え方 |
|---|---|---|
| 東京都 | 愛の手帳(東京都療育手帳) | 1度から4度の4区分 |
| 埼玉県 | 療育手帳 | 4つの区分(区分名は県ページ上では画像で表示) |
自治体によって区分の数や呼び名が異なるため、転居するときは転居先の窓口に、これまでの手帳の区分の扱いを確認してください。この記事では、各区分に当たる状態の説明や、検査値との対応は扱いません。
児発第725号の通知は、療育手帳のねらいの一つを「援助措置を受け易くすること」とし、例として次の6つを挙げています。
これは1973年の通知の例示です。現在どの制度で手帳を使えるか、どの区分が対象かは制度と自治体ごとに異なるため、利用したい制度の窓口で確認してください。
特別児童扶養手当の認定請求には、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行規則第1条第2号が医師又は歯科医師の診断書の添付を定めています。一方、国の認定通知(昭和50年児発第576号)は、療育手帳の障害の程度が「A」と記載されているものは施行令別表第3の1級に該当するものとして認定してさしつかえないと書いています。「A」の記載がない場合でも、療育手帳を取得したときの判定資料を診断書に添付して、診断書の該当項目の記載を省略できるとしています。
手帳があると手当の手続きが簡単になる場合があります。ただし、手当は認定基準で判断されるもので、手帳を持っていること自体が受給の要件とは条文に書かれていません。手帳がない場合は、診断書で請求する形が通知上の基本です。請求した月の翌月分から支給が始まるため、手帳の取得を待つかどうかも含めて、市区町村の窓口に早めに相談してください。
同じ法律の第17条は、障害児福祉手当を重度障害児(第2条第2項:政令で定める程度の重度の障害の状態にあるため、日常生活において常時の介護を必要とする者)に支給すると定めています。確認した範囲では、条文に療育手帳の所持を要件とする記載は見当たりません。認定は手帳の有無ではなく、手当ごとの認定基準で行われます。
国税庁のタックスアンサー(No.1160)では、知的障害者の障害者控除の対象は、児童相談所、知的障害者更生相談所などで知的障害者と判定された人で、そのうち重度と判定された人は特別障害者になります。控除額は、令和8年4月1日現在で障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。
交付後の手続きも通知に定められています。
再判定の時期は自治体で違います。東京都は、3歳、6歳、12歳、18歳に達したときなどに更新の判定を案内しています。
手帳以外の相談先は、医療的ケアの必要な子どもについては医療的ケア児、窓口全般については子どもの相談窓口にまとめています。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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