パパママ育休プラスとは|要件3つと1歳2か月までの延長、給付金の根拠条文

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

パパ・ママ育休プラスは、育児・介護休業法第9条の6の特例です。配偶者が子の1歳到達日以前に育休を取り、本人の開始予定日が子の1歳の誕生日以前かつ配偶者の初日以降なら、育休の対象が1歳2か月に達する日まで広がります。1人あたりの上限は産後休業を含めて1年のままです。給付金も雇用保険法第61条の7第8項により1歳2か月まで対象です。

パパママ育休プラスは「1歳2か月まで」に広がる特例

パパ・ママ育休プラスは、両親がともに育児休業を取るときに、育休の対象になる子の年齢が1歳2か月に達する日まで広がる特例です。育児・介護休業法の第9条の6に定められています。通常の育休は子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までなので、その後の2か月が加わります。

延びるのは対象期間の上限だけです。1人が取れる日数の上限は変わりません。厚生労働省のリーフレットも、1人あたりの育休取得可能最大日数は産後休業を含めて1年間のままと説明しています。

雇用保険の育児休業給付金も、同じ条件で1歳2か月に達する日まで対象になります。休業中のお金の全体像は育児休業給付金の記事で整理しています。

使える3つの要件

厚生労働省のリーフレットは、次の3つをすべて満たすことを要件としています。

要件内容
1配偶者が、子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
2本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
3本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

法律の条文では、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかの日に育児休業をしていること(第9条の6第1項)が前提です。さらに第2項で、本人の開始予定日が子の1歳到達日の翌日より後になる場合と、配偶者の育休期間の初日より前になる場合は、この特例を適用しないと定めています。1歳到達日の翌日は1歳の誕生日にあたるため、リーフレットの2番目と3番目の要件は、この第2項と同じ内容です。

配偶者が先に始めている必要があるので、夫婦が同じ日に始めるか、配偶者の後に本人が始める形になります。産後パパ育休だけを取った場合にこの特例が使えるかどうかは、確認した範囲の資料では見当たらないため、勤務先かハローワークで確かめてください。

1人あたりの上限は1年。産後休業も数えます

第9条の6第1項は、育休の終了予定日が「子の出生日から1歳到達日までの日数」から「育児休業等取得日数」を引いた日数を超えないようにする読み替えを置いています。育児休業等取得日数には、労働基準法の産前産後休業の日数、その子についての育児休業の日数、出生時育児休業(産後パパ育休)の日数が含まれます。

つまり、取れる日数は1人あたり約1年で、母親は産後休業の8週間もこの1年に入ります。母親が産後休業の直後から育休に入る場合、1年の枠は子が1歳に達する日でほぼ使い切ります。1歳2か月まで延びる効果が出やすいのは、後から育休に入る側、多くの家庭では父親です。

父親が産後パパ育休を取っていれば、その日数も父親の1年の枠から引かれます。個別の計算は会社の労務担当に確かめるのが確実です。

組み合わせ例

次の2つは、要件の考え方を当てはめた例です。実際の日程は勤務先の就業規則と申し出の期限に合わせて決めます。

例母親父親
交代で長く育てる産後休業のあと育休を取り、子が10か月ごろ職場に戻る子が10か月のころから育休を始め、1歳2か月に達する日まで取る
出生直後と後半に分ける産後休業のあと、1歳に達する日まで育休産後パパ育休を取り、いったん仕事に戻ってから、子の1歳の誕生日までに育休を始めて1歳2か月まで

1つ目では、父親の開始日が母親の育休の初日以降で、子の1歳の誕生日以前に入っています。2つ目は、父親の合計日数が1年の枠を超えない範囲に収まることが条件です。

産後パパ育休は通常の育休とは別枠で、出生後8週間以内に4週間まで取れます。仕組みは産後パパ育休の記事にまとめています。育休は原則2回まで分けて取れます(育児・介護休業法第5条第2項)。

給付金も1歳2か月まで。雇用保険法第61条の7第8項

雇用保険法第61条の7第8項は、被保険者の配偶者が子の1歳に達する日以前のいずれかの日に、その子を養育するための休業をしている場合、第1項の「その一歳」を「その一歳二か月」と読み替えると定めています。この配偶者には、婚姻の届出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある人が含まれます。

厚生労働省の「Q&A~育児休業等給付~」にも、パパ・ママ育休プラスを利用して育児休業を取得する場合は1歳2か月という記載があります。給付の率は、休業開始から180日目までが休業開始時賃金日額の67%、それ以降が50%です(同条第6項)。受給の条件や手続きは、勤務先とハローワークを通じて確認します。

手続きと申し出の期限

育児休業の申し出は、勤務先に対して行います。育児・介護休業法第6条第3項では、開始予定日が申し出の日の翌日から1か月を経過する日より前の場合、事業主は開始日を指定できます。つまり、原則は開始の1か月前までに申し出ます。

申請の前に、労務担当へ夫婦それぞれの育休の開始予定日と終了予定日を伝えておくと、要件の確認が早く進みます。

1歳を超えて、保育所に入れないなどの理由で延長する場合の期限や要件は育児休業の延長の記事で整理しています。特例を使った場合の延長の読み替えは、第9条の6に別に定めがあるため、個別のケースは勤務先とハローワークで確かめてください。

よくある質問

パパママ育休プラスで、育休は1歳2か月まで延びますか。
要件を満たせば延びます。子が1歳2か月に達する日までが育児休業の対象になり、育児休業給付金も同じ期間が対象です。ただし1人あたりの取得可能日数は、産後休業を含めて1年間のままです。
要件は何ですか。
厚生労働省のリーフレットでは、配偶者が子の1歳に達するまでに育休を取得していること、本人の開始予定日が子の1歳の誕生日以前であること、本人の開始予定日が配偶者の育休の初日以降であること、の3つです。
母親も1歳2か月まで取れますか。
母親は産後休業の日数も1年の枠に入ります。産後休業のあとすぐ育休に入る場合、枠は1歳に達する日ごろに尽きるため、実際に延びるのは父親側が中心です。個別の計算は勤務先の労務担当に確認してください。
父親が産後パパ育休を取った場合も使えますか。
産後パパ育休の日数は育児休業等取得日数に数えられます。産後パパ育休だけを取った場合に特例が使えるかどうかは、確認した範囲の資料では見当たりませんでした。勤務先かハローワークに確認してください。
給付金の根拠は何ですか。
雇用保険法第61条の7第8項です。配偶者が子の1歳に達する日以前のいずれかの日にその子を養育するための休業をしている場合に、第1項の「一歳」を「一歳二か月」と読み替えます。
事実婚でも使えますか。
雇用保険法第61条の7第8項の配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人が含まれます。育児・介護休業法側の扱いは、勤務先や都道府県労働局に確認してください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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