妊婦健診で受ける検査|毎回行う項目と、時期ごとに1回だけの検査

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

妊婦健診で毎回行う検査は、厚生労働省告示「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」第2に定められています。毎回の項目(問診・診察、子宮底長、腹囲、血圧、浮腫、尿、体重など)と、妊娠週数ごとに回数の目安が示されている医学的検査(血液型・感染症・血糖・血算・超音波・GBSなど)を、告示の表のまま整理しました。

毎回行う検査は告示に書かれている

妊婦健診で毎回行うことは、厚生労働省告示「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」(平成27年厚生労働省告示第226号)第2に定められています。各回の健診で実施するものとされているのは、次の3つです。

  • 問診、診察等 … 妊娠週数に応じた問診・診察により健康状態を把握する
  • 検査 … 子宮底長、腹囲、血圧、浮腫、尿(糖及び蛋白)、体重等。初回は身長も測る
  • 保健指導 … 妊娠中の食事や生活上の注意事項の指導、不安や悩みの解消が図られるようにする

どの施設でも体重測定と尿検査が毎回あるのは、この告示にもとづく運用です。保健指導が項目として明記されている点も、健診が検査だけの場ではないことを示しています。

時期ごとに1回だけ行う検査には、回数の目安がある

告示第2の2は、毎回の検査とは別に「必要に応じた医学的検査」を挙げ、妊娠週数と回数の目安を表で示しています。

検査の項目妊娠週数及び回数の目安
血液型等(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)妊娠初期に1回
B型肝炎抗原/C型肝炎抗体/HIV抗体/梅毒血清反応/風疹ウイルス抗体妊娠初期に1回
血糖検査妊娠初期に1回、妊娠24週〜35週に1回
血算検査妊娠初期に1回、24週〜35週に1回、36週〜出産に1回
HTLV-1抗体検査妊娠初期〜30週に1回
子宮頸がん検診(細胞診)妊娠初期に1回
超音波検査初期〜23週に2回、24週〜35週に1回、36週〜出産に1回
性器クラミジア検査妊娠初期〜30週に1回
B群溶血性レンサ球菌(GBS)検査妊娠33週〜37週に1回

いつ何を行うかは受診先の判断によります。上の表は、あくまで告示が示している目安です。

超音波検査は「毎回」とは書かれていない

表のとおり、告示が示す超音波検査の目安は合計4回程度(初期〜23週に2回、24〜35週に1回、36週〜出産に1回)です。一方、実際には毎回の診察で超音波を行う施設も多くあります。

これは矛盾ではありません。告示は市町村が費用を負担するときの目安を示すもので、医療機関が行う検査の上限を定めるものではないからです。受診票(補助券)の対象回数と、実際に受ける回数が一致しないことがあるのは、この違いによります。差額が窓口負担になるかどうかは、受診先と市町村の取り決めによって変わります。

受診票に書かれた項目と、当日の検査を照らす

受診票(補助券)には、対象となる検査項目が印字されていることがあります。項目や助成額は市町村ごとに違い、告示の表と1対1で対応しているとは限りません。

当日の会計で自己負担が生じたときは、券の対象外の検査だったのか、券の助成額を超えた分なのかを分けて考えると、原因がわかりやすくなります。判断がつかないときは、受診先の会計窓口か、住民票のある市町村の母子保健の窓口に確認してください。費用の仕組みは妊婦健診の費用と補助券で扱っています。

検査結果の意味は、受診先で聞く

検査の結果は母子健康手帳に記録され、妊娠の経過を通して残ります。数値が何を意味するのか、再検査が必要かどうかは医学的な判断になるため、当サイトでは扱いません。受診先の医師・助産師に直接ご確認ください。

このページで整理しているのは、制度としてどの検査がいつ想定されているかだけです。健診の回数と間隔については妊婦健診は何回受ける?をご覧ください。

よくある質問

妊婦健診では毎回何を調べますか?
告示第2は、各回で問診・診察のほか、子宮底長、腹囲、血圧、浮腫、尿(糖及び蛋白)、体重等の検査を行うものとしています。初回は身長も測ります。あわせて保健指導を行うことも定められています。
血液検査は何回ありますか?
告示の目安では、血液型等・B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒・風疹は妊娠初期に1回、血糖は初期と24〜35週の2回、血算は初期・24〜35週・36週以降の3回です。実際の回数は受診先の判断によります。
超音波検査は毎回ありますか?
告示が示す目安は、初期〜23週に2回、24〜35週に1回、36週以降に1回です。実際には毎回実施する施設もあります。告示は費用負担の目安であり、検査回数の上限ではありません。
GBS検査はいつ受けますか?
告示は、B群溶血性レンサ球菌(GBS)検査を妊娠33週から37週までの間に1回行うことを目安としています。
検査結果の見方を教えてください。
数値の意味や再検査の要否は医学的な判断になるため、当サイトでは扱いません。受診先の医師・助産師にご確認ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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