無痛分娩を考えたら、愛知県でどう探すか|実施率15.9%と名古屋集中の実情

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

愛知県の無痛分娩の割合は15.9%と全国平均を上回り、2023年9月に実施した施設数53は東京都に次ぐ多さです。この記事では、名古屋市への集中の実情と診療所中心という構造、対応施設の探し方、費用とみよし市で始まった助成制度を整理します。

実施率15.9%。実施施設数は東京都に次ぐ53

厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年9月の1か月間に愛知県内で行われた分娩は3,922件で、このうち帝王切開を除く無痛分娩は622件でした。割合は15.9%で、全国平均の13.8%を上回ります。件数は東京・神奈川・千葉に次ぐ全国4番目、この月に無痛分娩を実施した施設数は53と、東京都(85施設)に次いで全国で2番目でした。

項目愛知県全国
分娩件数(2023年9月)3,922件59,026件
うち無痛分娩(帝王切開を除く)622件8,140件
無痛分娩の割合15.9%13.8%
無痛分娩を実施した施設数53施設602施設

2020年の調査では7.6%だったため、3年で8.3ポイント上がり、割合は2倍以上になりました。調査は3年ごとで、件数は9月の1か月分です。詳しくはデータで見る無痛分娩愛知県の出産・子育てデータをご覧ください。

名古屋市に約3割。尾張・三河にも分布

当サイトが厚生労働省「出産なび」の掲載情報を集計したところ(2026年8月集計)、愛知県の分娩取扱施設135のうち、名古屋市が40施設(29.6%)で最も多く、一宮市9施設、岡崎市8施設、豊田市8施設、豊橋市6施設と続きます。名古屋市への集中はあるものの約3割にとどまり、尾張・西三河・東三河の各地域にも分娩施設は分布しています

無痛分娩に対応しているかは施設ごとに異なるため、名古屋市外にお住まいの場合も、「名古屋まで行くしかない」と決める前に、まず愛知県の産婦人科を探すページで通える範囲の施設を確認してみてください。

診療所での実施が6割超という構造

愛知県の無痛分娩622件の内訳は、診療所が406件(65.3%)、病院が216件です。全国では診療所の比率が47.1%なので、愛知県は診療所(クリニック)での実施が多い構造です。

施設を探すときは、病院だけでなく地域の産科クリニックも候補に含める意味がある、ということです。これはどの形態の施設が良いかという優劣ではなく、実施件数の分布の事実として押さえておいてください。

対応施設の探し方と確認すること

主な情報源は次の3つです。

  • JALAの「全国無痛分娩施設検索」 — 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)のサイトで、情報公開に取り組む施設が無痛分娩件数や麻酔を担当する医師の体制を公開しています。掲載は施設側の取り組みによるもので、載っていない施設が実施していないとは限りません
  • 厚生労働省「出産なび」 — 施設ごとの出産費用やサービスの情報が公開されています
  • 施設の公式サイト — 実施の有無や方式、追加費用が案内されていることが多くあります

電話では、日程を決めて行う計画無痛分娩のみか陣痛が始まってからも対応するか(計画無痛分娩の流れ)、初産・経産の条件、追加費用、分娩予約の締切を確認します。対応の可否や麻酔の方法など医学的なことは、分娩予定の施設やかかりつけ医に相談してください。

費用の目安と、みよし市で始まった助成

無痛分娩の費用は通常の分娩費用への追加分で、数万円から十数万円程度の設定が多く見られます。出産育児一時金(原則50万円)は全国共通で使えます。

愛知県内では、みよし市が2026年1月1日以降の出産を対象に、無痛分娩費用の助成(1回の分娩につき上限10万円)を始めました。対象は市内の産科医療機関での無痛分娩で、申請時に市内に住民登録があることなどが条件です。市外の医療機関での出産は対象外とされています。

愛知県として県単位の助成は2026年8月時点で確認できていませんが、市町村単位の制度は全国的に増えつつあります。お住まいの市町村の公式サイトか母子健康手帳の交付窓口で最新情報を確認してください。調べ方は無痛分娩の助成金・補助金にまとめています。

愛知県で探すときの手順

まとめると次の順番です。

  • 愛知県の産婦人科を探すページで、通える範囲の分娩取扱施設を把握する。病院と診療所の両方を見る
  • JALAの施設検索と公式サイトで、無痛分娩への対応を確認する
  • 候補施設に電話で方式・費用・予約状況を確認する
  • お住まいの市町村に助成制度がないか確認し、希望が固まったら分娩予約は早めに動く

愛知県は実施施設数が多く、構造的には探しやすい地域です。それでも施設ごとに運用や費用は異なるため、早めに動いて比較できる状態をつくることが実質的な選択肢を広げます。見つからない場合の考え方は無痛分娩ができる施設が見つからないときをご覧ください。

よくある質問

愛知県の無痛分娩の実施率はどのくらいですか?
15.9%です(厚生労働省の医療施設調査・2023年9月の1か月分)。全国平均の13.8%を上回り、この月に実施した施設数53は東京都に次ぐ多さです。
名古屋市以外でも無痛分娩はできますか?
対応施設は名古屋市外にもあります。当サイトの集計では、分娩取扱施設のうち名古屋市は約3割で、一宮・岡崎・豊田・豊橋など各地に分布しています。個々の施設の対応は直接ご確認ください。
みよし市の助成はどのような制度ですか?
2026年1月1日以降に市内の産科医療機関で無痛分娩により出産した方を対象に、1回の分娩につき上限10万円を助成する制度です。市外の医療機関は対象外です。条件の詳細はみよし市の公式ページで確認してください。
愛知県全体の助成制度はありますか?
県単位の無痛分娩に特化した助成は、2026年8月時点で確認できていません。市町村単位の制度は増えつつあるため、お住まいの自治体の最新情報を確認してください。
無痛分娩ができるかどうかは誰に相談すればよいですか?
対応の可否や方法は施設の体制と個別の事情によります。分娩予定の施設やかかりつけ医に直接ご相談ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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