育児休業の延長はいつまで?1歳6か月・2歳の条件と、申し出は2週間前まで
育児休業は原則として子が1歳に達する日までで、保育所等に入れないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できます(育児・介護休業法第5条)。延長の申し出の期限と、2025年4月からの給付金の手続き変更までを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
育児時間は、労働基準法第67条にもとづく制度です。子が原則1歳になるまで休業する育児休業や、出産前後に取る産休とは別の枠組みで、働きながら1日2回、育児のための時間を請求できる制度です。
産休や育児休業を終えて職場に復帰したあとも、子が満1歳に達するまでは、勤務時間の中でこの育児時間を請求できます。休業とは異なり、働く日の中で使う制度という点が特徴です。
労働基準法第67条は、次のように定めています。
第六十七条
生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
2 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。
条文の内容を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 生後満一年に達しない生児を育てる女性 |
| 期間 | 子が満1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)まで |
| 回数・時間 | 1日2回、各々少なくとも30分(第34条の休憩時間とは別に請求できる) |
| 性質 | 労働者が請求してはじめて発生する権利 |
育児時間は請求権です。請求があった場合、使用者はその時間に女性を働かせてはなりません。請求を拒んだ場合や、育児時間中に働かせた場合は、第119条第1号により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。
第67条は対象を「生後満一年に達しない生児を育てる女性」と定めています。条文上、対象は女性に限られており、男性は含まれません。
父親が育児のために使える制度としては、育児休業や産後パパ育休(出生時育児休業)、後述する子の看護等休暇があります。これらは性別を問わず利用できる制度で、育児時間とは別の条文にもとづいています。
パートタイムで働く女性も、育児時間の対象になります。労働基準法は雇用形態を問わず「労働者」に適用される法律で、第67条にも所定労働時間の長さによる除外は定められていません。
派遣労働者の場合は、派遣先の事業主が育児時間を与える義務を負います。労働者派遣法第44条第2項は、派遣中の労働者について、労働基準法第66条から第68条までの規定(育児時間を定める第67条を含みます)を派遣先の事業のみを、派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用するとしています。つまり、育児時間の請求先は雇用元の派遣会社ではなく、実際に働いている派遣先の会社になります。
第67条は、育児時間中の賃金について定めていません。有給とするか無給とするかは条文上決まっておらず、就業規則や労使の取り決めで決まります。
これは育児時間に限った話ではありません。厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」のQ&Aでも、育児休業中の給与や、短時間勤務制度・子の看護等休暇中の給与について、いずれも「企業により異なる」ため社内規程の確認が必要としています。育児時間についても同じく、まず自社の就業規則の記載を確認してください。
育児時間をいつ与えるかは、当事者間の話し合いに任されています。厚生労働省のQ&Aでも、いつ取得するかは労働者と使用者の間で決めるものとされています。
また、1日2回・各30分に分けず、まとめて1回で取得することも、当事者間の話し合いによって可能とされています。1日の勤務の中でどう配置するかは、業務の都合を踏まえて会社に相談して決めることになります。
請求は口頭でもできますが、記録が残るよう、会社の育児介護休業規程やその他の申請様式に沿って申し出ておくとやり取りが確実になります。
育児のための制度は複数あり、根拠となる法律も対象になる子の年齢も異なります。まとめると次のようになります。
| 制度 | 根拠 | 対象になる子の年齢 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 育児時間 | 労働基準法第67条 | 0歳(1歳未満) | 1日2回各30分、育児のための時間を請求できる |
| 育児休業 | 育児・介護休業法第5条 | 原則1歳まで(事情により1歳6か月・2歳まで) | 子を養育するために休業する |
| 短時間勤務制度 | 育児・介護休業法第23条 | 3歳未満 | 1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む制度 |
| 子の看護等休暇 | 育児・介護休業法第16条の2 | 小学校3年生修了前 | 年5日(子が2人以上なら10日)、時間単位でも取得できる休暇 |
育児時間は働く日の中で請求する時間である点が、休業する育児休業や、休暇として1日単位・時間単位で取得する子の看護等休暇と異なります。所定労働時間そのものを短くする短時間勤務制度とも、性質が異なる制度です。子が1歳未満の間は、これらの制度を組み合わせて使えます。
育児時間は請求権のため、まず会社の人事労務担当に請求することが起点になります。就業規則や育児・介護休業に関する規程に、育児時間の取得方法や賃金の扱いが記載されているか確認してください。
会社が請求を拒んだり、育児時間中に働くよう求めたりする場合は、労働基準法第67条に違反するおそれがあります。相談先は次のとおりです。
派遣で働いている場合は、育児時間の請求先が派遣先になる点も含め、派遣元の担当者にも状況を共有しておくと調整しやすくなります。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
育児休業は原則として子が1歳に達する日までで、保育所等に入れないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できます(育児・介護休業法第5条)。延長の申し出の期限と、2025年4月からの給付金の手続き変更までを整理しました。
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