公的データで産院を調べるときの注意点|情報の限界と確認の順序

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

産院を調べる際、厚生労働省の医療情報ネットと出産なびという2つの公的な情報源があります。当サイトもこれらをもとに全国の施設を掲載しています。ただしどちらにも情報の限界があり、それを知らずに使うと判断を誤ることがあります。この記事では、それぞれに何が載っていて何が載っていないのか、確認の順序をどうすべきかを整理します。

2つの公的な情報源

産院を調べるときに使える公的な情報源は、主に次の2つです。

医療情報ネット出産なび
対象全国の医療機関(診療科を問わない)分娩を取り扱う施設
主な内容所在地、診療科、診療時間、対応可能な内容費用の目安、分娩件数、医師数、サービスの実施状況
情報の元医療機能情報提供制度にもとづく届出施設からの申請・報告
更新年に数回随時

当サイトはこの2つをもとに、全国22,928施設を全件・無償で掲載しています。掲載料や掲載の対価はいただいておらず、表示順が費用で変わることもありません(掲載ポリシー)。

「掲載がない」が意味しないこと

最も誤解されやすい点をお伝えします。出産なびに掲載がないことは、その施設が分娩を扱っていないことを意味しません。

出産なびへの掲載は各施設の申請にもとづくため、分娩を扱っていても掲載されていない施設があります。当サイトでも「出産なび掲載」というタグを事実として表示していますが、これは掲載の有無を示すもので、分娩取扱の有無を示すものではありません

同様に、医療情報ネットの情報も届出時点のものです。届出後に体制が変わっていることがあります。

つまり公的データは「候補を見つけるための道具」であって、「最終的な確認の手段」ではありません。この区別が実務上いちばん重要です。

公式サイトのURLが古いことがある

当サイトでは、公的データに登録された全施設の公式サイトURLについて、実際にアクセスできるかを調査しました。結果は次のとおりです。

項目
ホームページURLの登録率60.8%
登録URLで辿り着けない割合12.0%
うち、サイトは稼働しているがURLが古いだけ396施設

内訳を見ると、http→httpsへの移行が256件、ページの場所の変更が80件、ホスト名の誤りが58件でした。つまり「リンクが切れている=閉院した」ではありません。

また登録率にも差があり、病院は93.4%、診療所は58.3%、助産所は40.4%です。小規模な施設ほど公的データ上の情報が少ない傾向があります。情報が少ないことは、施設の質とは関係ありません。

詳細は公式サイトの到達性調査に掲載しています。

確認の順序

以上を踏まえると、次の順序で確認するのが確実です。

  1. 公的データで候補を見つける全国の産婦人科を都道府県から探すページや出産なびで、通える範囲の施設を一覧で把握します
  2. 公式サイトを見る — 分娩の取り扱い、診療時間、入院案内を確認します。リンクが切れていたら、施設名で検索し直してみてください
  3. 電話で確認するここが最終確認です。分娩を扱っているか、予約の空きがあるか、希望する条件に対応しているか

3つめを省略しないでください。分娩の取り扱いは変わります。分娩を扱う施設は毎年約100施設ずつ減っており(通っていた産院が分娩をやめたら)、公開情報が追いついていないことがあります。

当サイトのデータについて

当サイトが掲載している情報の性質も、あわせてお伝えしておきます。

  • 出典と取得時点を全ページに表示しています — 厚生労働省のデータを加工して当社が作成したもので、厚生労働省が作成・監修したものではありません
  • ランキングや点数付けは行いません — 一覧の表示順は地域・五十音などの客観的条件のみで決まります
  • 口コミや体験談は掲載しません
  • 掲載は全件・無償です — 施設から掲載料をいただくことはなく、当社の支援サービスの契約の有無も掲載内容・表示順に一切影響しません
  • 誤りは無償で訂正します — 閉院・移転を含め、こちらの窓口で承ります

詳しくは掲載ポリシーをご覧ください。

データでわからないこと

最後に、公的データではどうしてもわからないことを挙げておきます。

  • スタッフとのやり取りの雰囲気
  • 待ち時間の実際
  • 質問したときの答え方
  • 入院中の過ごしやすさ

これらは実際に受診するか、見学に行くしかわかりません産院見学・母親学級の見方)。

データの役割は、候補を絞り込むところまでです。そこから先は、電話での対応、初診での印象、見学での様子といった実地の情報で判断することになります。

施設選びの全体の考え方は産婦人科の選び方、決めるべき時期は分娩予約はいつまでにをご覧ください。

よくある質問

出産なびに載っていない施設は分娩を扱っていないのですか?
そうとは限りません。出産なびへの掲載は各施設の申請にもとづくため、分娩を扱っていても掲載されていない施設があります。直接お問い合わせください。
公式サイトのリンクが切れているのは閉院したからですか?
そうとは限りません。当サイトの調査では、辿り着けなかった施設のうち396施設はサイト自体が稼働しており、登録されたURLが古いだけでした。施設名で検索し直してみてください。
掲載情報に誤りがあった場合はどうすればよいですか?
当サイトの問い合わせ窓口までご連絡ください。閉院・移転を含め、無償で訂正・削除いたします。施設の関係者の方からのご連絡も承ります。
掲載順はどう決まっていますか?
地域・五十音などの客観的条件のみで決まります。金銭その他の対価によって順位や露出が変わることはありません。詳しくは掲載ポリシーをご覧ください。
情報はいつの時点のものですか?
各ページに出典と取得時点を表示しています。医療情報ネットのデータは年に数回更新されるため、最新の診療体制とは異なる場合があります。必ず各施設へ直接ご確認ください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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