産後2週間健診・1ヶ月健診|何をするか、その後どうするか
産後1ヶ月健診は分娩取扱施設の98.9%、2週間健診は88.4%が実施しています。健診で何を見るのか、費用と助成、そして1ヶ月健診の後に接点が途切れるという制度の空白について、当サイトの独自集計にもとづき整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
こども家庭審議会成育医療等分科会に提出された資料(令和5年11月22日)では、事業の枠組みが次のように整理されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 都道府県及び指定都市 |
| 検査対象者 | すべての新生児(出生後28日を経過しない乳児) |
| 検査機関 | 地方衛生研究所等に委託 |
| 対象疾患 | 20疾患 |
市区町村ではなく都道府県・指定都市が実施主体である点が、乳幼児健診(市町村が実施)と違います。実際の採血は出産した医療機関で行われるため、保護者が申し込みに行く仕組みではありません。
根拠となっているのは「先天性代謝異常等検査の実施について」(平成30年3月30日 子母発0330第2号 厚生労働省子ども家庭局母子保健課長通知)で、11の項目にわたって実施の方法が定められています。
対象疾患は、内分泌疾患2疾患と、アミノ酸代謝異常、糖代謝異常、脂肪酸代謝異常、有機酸代謝異常の各群で構成されています。それぞれの疾患の内容や症状については、この記事では扱いません。結果について説明が必要になったときは、出産した医療機関と小児科の主治医に確認してください。
20疾患になるまでの経緯は次のとおりです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 昭和52年度 | 国庫補助事業として5疾患で開始 |
| 平成13年度 | 検査費用を一般財源化(地方交付税措置) |
| 平成23年度 | タンデムマス法の導入により19疾患へ |
| 平成26年度 | すべての実施主体でタンデムマス法を導入 |
| 平成29年度 | CPT-2欠損症を追加し20疾患へ |
平成13年度に一般財源化されているため、事業の運営は都道府県・指定都市ごとの要綱で決まります。費用や採血の時期の細部が地域で違うのはこのためです。
採血の時期は実施主体の要綱に定められています。千葉県の「先天性代謝異常等検査事業マニュアル」(平成25年8月・令和5年5月一部改訂)では次のようになっています。
「生まれた日を0日と数える」ため、たとえば1日に生まれた場合の日齢4日は5日になります。出産後の入院期間の中で採血が行われるのが通常の流れです。出産入院の日数の数え方については出産・帝王切開の入院日数にまとめています。
上の日程は千葉県の要綱の内容です。実施主体ごとに定めがあるため、住んでいる地域の取扱いは出産する医療機関か都道府県の母子保健担当に確認してください。
千葉県のマニュアルでは、費用の負担がこう分かれています。
| 費用 | 負担 |
|---|---|
| 検査に要する費用 | 公費負担 |
| 採血に要する費用 | 保護者負担(医療機関に支払う) |
「検査は無料」と案内されていても、医療機関で採血料の請求があるのはこの分かれ方によります。同マニュアルでは、里帰り出産で県外に居住している人が県内で出産した場合も同じ扱いとされています。
これは千葉県の例です。一般財源化された事業であるため、負担の区分は実施主体ごとに違う可能性があります。金額と支払先は、出産する医療機関に入院の費用の説明を受けるときにあわせて確認してください。里帰り出産の場合は、住んでいる自治体と出産する地域のどちらの制度が適用されるかを先に整理しておくと行き違いが起きにくくなります。
20疾患とは別に、重症複合免疫不全症(SCID)と脊髄性筋萎縮症(SMA)については、令和5年度補正予算10億円で実証事業が行われています。資料に示されている枠組みは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 都道府県・指定都市 |
| 補助基準額 | 6,000円×実施人数 |
| 補助割合 | 国1/2、自治体1/2 |
実施の要件として、保護者への検査内容の説明と調査研究に活用することの同意取得、国の調査研究との連携、陽性となった場合の説明とカウンセリングおよび治療体制の整備が挙げられています。
実証事業のため、実施しているかどうかは自治体によって違います。受けられるかどうか、費用がかかるかどうかは、出産する医療機関に確認してください。
制度の細部は実施主体ごとに決まっているため、確認先は次の順序になります。
検査の結果について説明が必要になったときや、再検査の連絡を受けたときは、出産した医療機関と小児科の主治医に相談してください。この記事は事業の仕組みと費用の枠組みを整理したもので、検査の結果の意味や疾患の内容は扱いません。
生後の健診の受け方は乳児健診の時期と産後2週間健診・1か月健診にまとめています。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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