マタニティマークはどこでもらえる?|配布の仕組みと使用規程の全9条

執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部

マタニティマークは、こども家庭庁が定めた1つのデザインです。使用規程第3条により、こども家庭庁とその職員以外の第三者も、趣旨に沿う範囲で自由に使えます。使用料は無料で、使う前の許可申請は不要な一方、使用後に報告書を出すことになっています。どこで手に入るのか、使えない3つの場合、デザインの決まりを規程の条文で確認します。

マタニティマークは公募で選ばれた1つのデザイン

マタニティマークは、妊娠中であることが外見からはわかりにくい時期に、周囲に配慮を求めるためのマークです。誰でも自由に作れるロゴではなく、国が定めた1つのデザインが使われています。

公式サイトに記載されている経緯は次のとおりです。

時期できごと
平成17年12月14日〜平成18年1月31日デザインを公募(応募1,661作品)
平成18年3月10日報道発表(マタニティマークの誕生日)
令和5年4月運営を「健やか親子21」事務局へ委託
令和6年11月19日双子・三つ子(多胎)版のデザインを追加

現在の管理はこども家庭庁で、取扱いは「マタニティマークの使用規程」(令和5年4月1日 成育局母子保健課長決定・全9条)に定められています。

どこで手に入るのか

入手の経路は、大きく2つあります。

  • 自治体や事業者が配っているものを受け取る … 母子健康手帳の交付時に渡す自治体、駅や交通事業者の窓口で配っている例があります。配り方は地域や事業者ごとに違います
  • 自分でデザインをダウンロードして使う … 使用規程第3条で第三者の自由な使用が認められているため、公式サイトからデザインを入手して印刷し、自分で使うこともできます

確認した範囲では、配布の窓口や配布物の種類を全国一律に定めた規定は見当たりません。住んでいる自治体で配っているかどうかは、母子健康手帳を受け取る窓口(市区町村の母子保健担当)で確認するのが早いです。妊娠届と母子健康手帳の手続きとあわせて聞いておくと1回で済みます。

使用規程が定めている9つのこと

使用規程は全9条です。使う側に関係するのは主に第3条から第7条です。

条内容
第3条こども家庭庁及びその職員以外の第三者も、趣旨に基づく場合は自由に使用できる(ただし3つの例外)
第4条規程に反する使用には使用の差止めを求めることがある
第5条使用後、遅滞なく使用報告書を提出する
第6条使用料は無料
第7条マタニティマークに関する権利はこども家庭庁に帰属する

第3条の本文は次のとおりです。

こども家庭庁及びこども家庭庁の職員以外の第三者は、マタニティマークの趣旨に基づいた場合に、自由に使用できる。

つまり使う前の許可申請や事前の届出は不要です。一方で、使ったあとの報告は求められています。

使えない3つの場合(第3条ただし書)

第3条には、使用できない場合が3つ挙げられています。

  1. 営利を主たる目的とした場合
  2. マタニティマークの作成趣旨に反するなど、使用が著しく不適当と認められる場合
  3. 商品等の品質や安全性を保証する目的で使用する場合

公式サイトのよくある質問では、普及啓発を目的とした商品への使用は可能とされ、その場合の価格は実費相当分にとどめることが示されています。マークのデザイン自体が主たるコンテンツになっている商品で利益を得ることは、1の営利目的に当たるため認められていません。

3は、マークが付いていることを品質や安全の証明として使ってはいけないという意味です。妊娠中の人に向けた商品やサービスであっても、このマークは推奨や認証を示すものではありません。

使用報告書は「許可」ではなく事後の報告(第5条)

第5条は、使用後に遅滞なく使用報告書を提出することを定めています。あわせて、使用した物の現物・写真・コピーのいずれかをメールで提出します。報告書に書く項目は次の5つです。

  • 使用者の名称
  • 連絡先
  • 使用の目的
  • 使用した物の内容
  • 使用の時期

公式サイトのよくある質問では、報告書の提出は「使用許可」ではないこと、個人が使う場合でも報告書の提出を依頼していること、クレジット(出典の表示)は必要ないことが示されています。また第6条により使用料はかかりません。

デザインは変えられない

公式サイトのデザイン利用のページには、守る内容が挙げられています。

  • 色を変えないこと
  • 変形(縦横比を変える、傾ける等)をしないこと
  • 呼びかけ文以外のデザインを加えないこと
  • 独自に胎児の数を増やさないこと(多胎の場合は用意されているデザインを使う)
  • 1色刷りで印刷する場合はDIC 261の色が推奨されている

自治体や事業者が独自のキャラクターやロゴを併記したいときは、上の範囲に触れるため、事前に事務局へ確認するのが確実です。

職場で妊娠中の働き方について申し出るときに使う書式は、このマークとは別の制度です。医師や助産師の意見を勤務先に伝える書式については母性健康管理指導事項連絡カードにまとめています。

よくある質問

使う前に申請や許可は必要ですか。
使用規程第3条により、趣旨に沿う範囲であれば第三者も自由に使用できます。公式サイトのよくある質問でも、使用前の手続きは不要とされています。ただし第5条で、使用後に使用報告書を提出することになっています。
使用料はかかりますか。
使用規程第6条で、使用料は無料と定められています。
自分で印刷して使ってもよいですか。
第3条で第三者の自由な使用が認められているため、公式サイトからデザインを入手して印刷して使えます。色を変えない、変形しない、呼びかけ文以外のデザインを加えないといった決まりは守る必要があります。
グッズを作って売ることはできますか。
第3条で、営利を主たる目的とした使用は認められていません。公式サイトのよくある質問では、普及啓発を目的とする場合は可能で、価格は実費相当分にとどめることが示されています。マークのデザイン自体が主たるコンテンツの商品で利益を得ることは認められていません。
双子のときのデザインはありますか。
令和6年11月19日に双子・三つ子(多胎)版のデザインが追加されています。独自に胎児の数を増やすことは認められていないため、用意されているデザインを使います。
住んでいる市ではどこで配っていますか。
確認した範囲では、配布の窓口を全国一律に定めた規定は見当たりません。母子健康手帳を交付する市区町村の母子保健担当に問い合わせてください。

本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。

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