妊婦健診の費用と補助券|自治体で違う助成の仕組みと自己負担
妊婦健診は保険適用外ですが、自治体から交付される補助券で費用の大部分をまかなえます。標準的な14回の健診スケジュール、補助券で足りない場合の自己負担、里帰り出産や引っ越しのときの手続きを整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
不妊治療は、2022年4月から公的医療保険の対象になりました。厚生労働省の資料では、対象を次のように整理しています。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 一般不妊治療 | タイミング法、人工授精など |
| 生殖補助医療 | 体外受精、顕微授精など。採卵から胚移植に至る一連の基本的な診療 |
それまでは自費診療で、国と自治体の助成金で費用の一部を補う形でした。保険適用によって、自己負担は原則3割になります。
ただし、すべての治療がそのまま保険で受けられるわけではありません。生殖補助医療には年齢と回数の条件があり、保険の範囲外の技術を追加する場合の扱いも決まっています。
生殖補助医療については、次の条件が設けられています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 年齢 | 治療開始時点で女性が43歳未満であること |
| 回数(40歳未満) | こども1人につき通算6回まで |
| 回数(40歳以上43歳未満) | こども1人につき通算3回まで |
回数は胚移植の回数で数えます。また、年齢は治療を開始した時点で判定されるため、治療中に誕生日を迎えても、その周期の扱いが途中で変わるわけではありません。回数の上限は「こども1人につき」なので、出産に至った場合は次の子について改めて数えます。
この条件にあてはまらない場合、生殖補助医療は自費診療になります。年齢が近い場合は、いつ治療を開始するかが自己負担に直結するため、受診先で確認しておくとよいでしょう。
保険の対象になっていない技術のうち、先進医療に位置づけられたものは、保険診療と併用できます。この場合、基本的な診療部分は保険が使え、先進医療の部分だけが自費になります。
先進医療にあたらない自費の技術を組み合わせると、原則としてその治療全体が自費(保険適用外)になります。ここが費用に大きく響く部分です。追加の技術を提案されたときは、それが先進医療にあたるのか、費用がいくらかを確認しておきましょう。
また、先進医療は、実施できる医療機関があらかじめ届け出た施設に限られます。どの技術を、どこで受けられるかは施設によって異なります。
保険適用の前は、体外受精・顕微授精そのものに国と自治体の助成がありました。保険適用後は、保険診療と併用する先進医療の費用を対象とする助成を設ける自治体が出ています。
たとえば東京都は、保険診療と併用して実施した先進医療の費用の一部を助成する事業を行っています。対象となる先進医療の種類、上限額、申請期限は自治体ごとに異なります。治療を始める前に、お住まいの都道府県・市区町村の案内を確認してください。
あわせて、卵子凍結や不育症の検査・治療について独自の助成を行っている自治体もあります。窓口は都道府県の場合と市区町村の場合があり、申請には医療機関が記入する書類が必要になることが一般的です。
生殖補助医療を保険診療で行う医療機関は、施設としての基準を満たして届け出ている必要があります。産婦人科を標榜していれば必ず対応しているというものではありません。
当サイトでは、厚生労働省の公的データにもとづき、産婦人科・産科・婦人科を標榜する5,434施設を含む全国の医療機関を掲載しています。地域の施設は全国の産婦人科を都道府県から探すから確認できます。実施している治療の範囲は各施設の案内でご確認ください。
掲載は公的データにもとづくもので、当サイトが特定の施設を推薦するものではありません。掲載の考え方は掲載ポリシーに記載しています。
不妊治療で妊娠が確認されると、多くの場合は分娩を扱う施設へ移ることになります。治療をしていた施設が分娩を扱っていない場合、産む場所を新たに決める必要があります。
この移行については、不妊治療クリニックの院長への取材記事卒業したあと、産む場所はどう決まるかで詳しく扱っています。分娩予約は早い時期に埋まることが多いため、妊娠が分かった段階で並行して動くのが現実的です。時期の目安は分娩予約はいつまでにをご覧ください。
妊娠が確認されてからの費用は、妊婦健診の公費負担に切り替わります。仕組みは妊婦健診の費用と補助券で整理しています。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。