乳児・幼児は何歳まで?|法律ごとに定義が違う理由を条文で整理
乳児は1歳未満、幼児は1歳から小学校就学まで。これは母子保健法と児童福祉法の定義です。ところが道路交通法では幼児は6歳未満、児童は6歳以上13歳未満と、まったく別の意味で使われます。条文にもとづいて整理しました。
執筆: 産婦人科と小児科の教科書 編集部
チャイルドシートの使用が法律で義務づけられているのは、6歳未満の幼児です。根拠は道路交通法第71条の3第3項で、自動車の運転者は、幼児用補助装置(チャイルドシート)を使用しない幼児を乗車させて運転してはならないと定めています。
対象になる「幼児」の年齢は、同法第14条第3項が「六歳未満の者」と定義しています(「幼児」の定義が法律ごとに違う点は乳児・幼児は何歳までで整理しています)。基準は年齢で、小学校に入学したかどうかは条文に出てきません。
義務を負うのは、車を運転する人です。警察庁とJAFの2026年5月の合同調査では、6歳未満のチャイルドシート使用率が全国平均84.0%、5歳は65.7%で他の年齢層より低いと公表されています。
条文の骨組みは次のとおりです。
なお第2項の括弧書きは、この条でいう「幼児」から「適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するもの」を除くと定めています。警察庁のページは「6歳未満の幼児」と案内しており、座高で対象から外れる場合の目安は同ページに書かれていません。ご自身で判断せず、6歳未満は使用する前提で考えるのが安全です。
取り付け方や製品の選び方は、この記事では扱いません。お使いの製品の取扱説明書と、車の取扱説明書で確認してください。
6歳になると、チャイルドシートの使用義務はなくなります。ただし、義務がないことと、使わなくてよいことは別です。
| 内容 | 性格 | |
|---|---|---|
| 6歳未満 | 幼児用補助装置を使用する(道交法71条の3第3項) | 義務 |
| 6歳以上 | 体格等の事情でシートベルトを適切に着用させられないなら、チャイルドシートを使う(警察庁) | 推奨 |
| 6歳以上 | 身長150cm未満を目安に、ジュニアシートの使用を勧める(JAF) | 推奨(目安) |
警察庁のページには「6歳以上の子供であっても、体格等の事情により、シートベルトを適切に着用させることができない場合は、チャイルドシートを使用しましょう」とあります。身長の数値は、このページの本文には書かれていません。
数値の目安を示しているのはJAFで、体格の目安は身長150cm未満としています。ただしJAF自身が「あくまで目安」とし、確認のポイントはシートベルトが首や腹部にかからないことだと説明しています。機種や車の構造で目安が異なる場合があるとも書かれています。
6歳以上の子どもには、座席ベルトの装着に関する第2項が適用されます。後部座席を含め、ベルトを着けた状態で乗せる必要があります。
第3項ただし書の「政令で定めるやむを得ない理由」は、道路交通法施行令第26条の3の2第3項に8つ挙げられています(2026年9月時点)。
| 号 | 免除される場合 |
|---|---|
| 1 | 構造上、幼児用補助装置を固定して使えない座席に乗せるとき(他の座席で使わせられる場合を除く) |
| 2 | 運転者席以外の座席の数以上の人数を乗せるため、幼児用補助装置をすべては固定できないとき(乗車定員の範囲内に限る) |
| 3 | 負傷又は障害のため、使用させることが療養上又は健康保持上適当でない幼児を乗せるとき |
| 4 | 著しく肥満していることその他の身体の状態により、適切に使用させられない幼児を乗せるとき |
| 5 | 運転者以外の人が、使用させたままでは行えない授乳その他の日常生活上の世話をしている幼児を乗せるとき |
| 6 | 一般旅客自動車運送事業の自動車(タクシー・バスなど)の運転者が、旅客の幼児を乗せるとき |
| 7 | 自家用有償旅客運送などの運送のため、道路運送法第78条第2号又は第3号に当たる自動車の運転者が幼児を乗せるとき(特定の者の需要に応じるものを除く) |
| 8 | 応急の救護のため、医療機関、官公署その他の場所へ緊急に搬送する必要がある幼児を乗せるとき |
3号と4号に当たるかどうかは医学的な判断を含みます。該当するか迷うときは、かかりつけの医療機関に相談してください。
同じ施行令第26条の3の2は、座席ベルトの免除も定めています。第1項第1号は、妊娠中であることにより座席ベルトを装着することが療養上又は健康保持上適当でない者が運転するとき、第2項第2号は、そのような者を同乗させるときを免除としています。これはシートベルトの規定で、チャイルドシートの免除(第3項)とは別のものです。
第3項第6号は、道路運送法第3条第1号の一般旅客自動車運送事業の運転者が、旅客である幼児を乗せる場合を免除しています。同号には、一般乗合旅客自動車運送事業(路線バスなど)、一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バスなど)、一般乗用旅客自動車運送事業(タクシーなど)が含まれます。
つまり、通常のタクシーやバスにチャイルドシートが備わっていなくても、運転者は道路交通法71条の3第3項の違反になりません。一方で、免除は義務がかからないという意味で、シートベルトの規定や安全上の配慮まで免除するものではありません。警察庁は、幼児を自動車に乗せて運転するときは必ずチャイルドシートを使用しましょうと案内しています。
事業者によっては、チャイルドシートを用意している、または持ち込みを案内していることがあります。取り扱いは事業者ごとに異なるため、利用前に確認してください。陣痛タクシーなどの登録時に確認しておきたい点は陣痛タクシーの登録はいつまでにで整理しています。
第3項に違反した場合の扱いは、次のとおりです(2026年9月時点)。
点数は運転者に付きます。点数の積み重ねによる免許の処分は、免許を管轄する公安委員会の運用の話になるため、詳しくはお住まいの都道府県警察の免許窓口に確認してください。
この規定の目的は、点数や反則金を避けることよりも、事故のときに幼児を守ることです。警察庁は、チャイルドシート不使用者の致死率が適正使用者の約5.3倍と公表しています(令和7年中の統計)。
本記事は制度・費用・選び方に関する一般的な情報の整理であり、医学的助言ではありません。個別の症状・治療については、かかりつけ医・受診先の医療機関にご相談ください。制度・金額は記事内記載の時点の情報です。
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